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【後編】 新型コロナ人工ウイルス論: アルファ株からオミクロン株の新型コロナ変異株が人工ウイルスである確率は99.999999%以上である

引き続き私自身の論文を参考資料として引用しながら、新型コロナ人工ウイルス論についてのまとめのお話しをしていこうと思います。

以下が論文のリンクです ⬇︎

https://www.mdpi.com/2674-0583/2/3/17


プロト-変異株が自然発生する確率

一般的なRNAウイルスと比較すると、コロナウイルスのプロト-変異株のdN/dS比は著しく高いです。では、こうした事実からプロト-変異株が自然発生する確率を計算する事はできるのでしょうか?

図1

通常、dN/dS比はN変異とS変異の数を測定し、対象となる遺伝子のN部位、S部位で補正する事により計算する事ができます (図1)。型通りのプロセスであれば、プロト-変異株のN変異とS変異をN部位、S部位数で割り算してdN/dS比を計算するのですが、ここでは発想自体を転換してみましょう。一般的なRNAウイルスのdN/dS比からプロト-変異株のN変異率とS変異率を推測する、つまり「普通のRNAウイルスならどのくらいの確率でプロト-変異株が発生するのか」を検証するのです。

公式でdN/dS比とは、N変異/N部位をS変異/S部位で割った値を意味します。この式を変形すれば、N変異/S変異の比率はdN/dS比とN部位/S部位比の積として表す事もできます (図1)。

図2

一般的なRNAウイルスのdN/dS比の平均値は0.051です (図2)。そして、プロト-武漢のコード領域全体のN部位/S部位比は3.68です。dN/dS比 (0.051) とN部位/S部位比 (3.68)を掛け合わせると、N変異/S変異の比は0.188となります (図2)。ここでのdN/dS比は補正後の値であるのに対し、N変異/S変異比は補正前の値です。

したがって、プロト-変異株が一般のRNAウイルスと同様の中立進化をたどると仮定すると、プロト-変異株のN変異比は15.8%になると予測できます。この値は1/6より少し低い値です。例えば、サイコロを一回振って1の目が出る確率は1/6、2回振って2回とも1の目が出る確率は1/6 x 1/6 = 1/36、3回振って3回とも1の目が出る確率は1/6 x 1/6 x 1/6 = 1/216です。続けて何度も繰り返し同じ目が出る事などそうそうあるでしょうか?しかも、それが1つの変異株だけではなく、異なる変異株においても繰り返し起きているのです。

変異が起こるという条件の元で、N変異の確率は15.8%、S変異の確率は84.2%です。そしてこの数値から特定の変異が蓄積する確率を導き出す事が可能です。1回の試行で2種類の事象のどちらか一方しか起こらない一定の成功確率を持つ試行を「ベルヌーイ試行」と呼びます。例えばコインを何度も投げて表、裏が出る回数を数えたり、サイコロを何度も振って1の目とそれ以外の目が出る回数を数えるような試みです。

N個の突然変異の比率pが一定であると仮定すると、ベルヌーイ試行ではN個とS個の突然変異(それぞれn個とs個) を蓄積する確率は二項分布に従います。二項分布は高校数学で習うものですが、その確率Pは以下の式で計算できます。 

図3
図4
図5

例えば、プロト-デルタのORF1abには12個のN変異があり、3個のS変異があります。図3〜5のように、プロト-デルタのORF1abの自然発生確率は6.6 x 10⁻⁸となります。

図6

図6はプロト-変異株の遺伝子の自然発生確率です。赤色が濃いほど自然発生確率が低くなります。すべてのプロト-変異株は自然発生確率が1%未満の遺伝子を少なくとも1つ持っていました。最も確率の低い遺伝子はスパイク遺伝子で、その確率はプロト・ラムダの9.2 x 10⁻⁵からオミクロンの1.5 x 10⁻²²まで幅がありました。プロト・デルタのORF1abはN-バイアスが大きく、その確率は6.6 x 10⁻⁸でした。スパイク遺伝子、ORF1ab以外に自然発生確率が低い遺伝子はM遺伝子、ORF8、N遺伝子などです。プロト-変異株が自然発生する確率は、1.5 x 10⁻⁹ (プロト-アルファとプロト-ラムダ)から2.7 x 10⁻²⁶ (プロト-オミクロン) でした。

この結果はアルファ、ベータ、ガンマ、デルタ、ラムダ、ミューGH、オミクロン変異株の全てが99.999999%以上の確率で人工ウイルスである事を意味します。

SARS-CoV-2の起源と進化については議論が分かれています。私は変異株の祖先型の解析によって変異株は自然発生したものではないと結論づけました。他にもいくつかのグループが、オミクロン変種ではスパイクタンパク質のコード配列にN変異の偏りがある事を報告しています。例えばGuptaらの研究ではオミクロンのスパイクタンパクのdN/dS比は4.46でした。一方、私の研究ではオミクロンのスパイクタンパクのdN/dS比はさらに高くなり、8.04です。アルファ、ベータ、ガンマ、デルタ、ミューGHのスパイクタンパクに至っては無限大です。市中感染における自然な進化のノイズを排除する事で、変異株祖先型の誕生に至る経緯の異常さが浮き彫りになりました。

プロト-変異株における変異は極端にN変異に非常に偏っていますが、こうした傾向はRaTG13やSARS-CoV-1からのプロト-武漢への進化では見られません。つまり、N変異への極端な偏りはSARS系統のコロナウイルスで共通したものではなく、変異株に特有のものなのです。一般的なRNAウイルスがこれらのスパイクタンパク変異を獲得する確率は極めて低く、9.2 x 10⁻⁵から1.5 x 10⁻²²です。そしてそれぞれの変異株が自然発生した可能性は1.5 x 10⁻⁹から2.7 x 10⁻²⁶の範囲です。これはまさに一人の人が1億分の1の確率の宝くじに何度も何度も繰り返し連続で当選するような確率であり、もしそうした人が居た際に、その人は大変運が良いと考えるか、イカサマをしているのではないか? と疑うのかという事です。

億や兆よりも大きな数にも名称が存在します。一 (10⁰)、十 (10¹)、百 (10²)、千 (10³)、万 (10⁴)、億 (10⁸)、兆 (10¹²)、京 (けい、きょう) (10¹⁶)、垓 (がい) (10²⁰)、秭 (じょ) (10²⁴)、穣 (じょう) (10²⁸)、溝 (こう) (10³²)、澗 (かん) (10³⁶)、正 (せい) (10⁴⁰)、載 (さい) (10⁴⁴)、極 (ごく) (10⁴⁸)、恒河沙 (こうがしゃ) (10⁵²)、阿僧祇 (あそうぎ) (10⁵⁶)、那由他 (なゆた) (10⁶⁰)、不可思議 (ふかしぎ) (10⁶⁴)、無量大数 (むりょうたいすう) (10⁶⁸)。

コロナ変異株の自然発生確率の1.5 x 10⁻⁹〜2.7 x 10⁻²⁶という確率は1億分の1〜10秭 (じょ) 分の1というまさに「あり得ない」ような確率です。

プロト-変異株とRaTG13、SARS-CoV-1の間ではdN/dS比の値が大きく異なります。SARS-CoV-2は新型コロナウイルスですが、以前から知られている風邪のウイルスを含めてコロナウイルス全体を見渡すとさらに奇妙な点が浮かび上がってきます。同じコロナと言ってもスパイク遺伝子のdN/dS比はヒトの季節性コロナウイルスや動物コロナウイルスによっても大きく異なるのです。また、N変異、S変異の異なる観点からも武漢型コロナウイルスにも不自然な点が見られます。プロト-武漢はRaTG13から進化する過程でNS7bやORF10の配列にS変異を獲得しませんでした。こうした事実から私は人工ウイルス説の根は深く、今回のコロナウイルスの限定的な株だけではなく、過去にも既に様々なコロナウイルスで機能獲得実験が行われてきたのではないかと推測します。

本研究の目的は、SARS-CoV-2変異株が自然進化によって出現したかどうかを再考する事です。けれども「どのコロナウイルスが自然進化したか」が不明なのです。そのため一般的なRNAウイルスのdN/dS比を用いて、プロト-変異株の進化を総合的に解析しました。しかしながら、本論文に記載した一般的なウイルスのどのdN/dS比の値を用いたとしても、プロト-変異株の自然発生確率は天文学的に低くなるのです。

コロナウイルスが自然進化に従わずに変異株が出現し続けたという事は、過去のインフルエンザや他のパンデミックから人類が学んだできたウイルス進化の経験則が今回のSARS-CoV-2には当てはまらない事を意味します。つまり、経験則に基づいて変異型の感染性、病原性、攻撃性を予測する事などそもそも不可能だったという事です。

では、免疫系の攻撃を回避するためにはスパイクタンパクはアミノ酸配列が変われば変わるほど良いのでしょうか? いいえ、単純にそうとも言えないのです。コロナウイルスのスパイクタンパクは細胞への感染を媒介する分子です。そしてスパイクタンパクは、ACE2受容体に結合した後、膜融合を媒介する融合因子として機能します。このため、ランダムなアミノ酸変化が起こると、スパイクタンパクのACE2受容体への結合能力や膜融合能力が維持する事ができなくなるのです。

コロナウイルス (SARS-CoV-2) の変異株は、高い伝播率を維持しながら新しいスパイクタンパク質を迅速に進化させてきました。通常、ウイルスの変異と選択は段階的に起こるものです。ある変異が機能的に選択された後に固定され、続いて次の変異と選択が起こります。そしてその時N変異がタンパク質の機能を向上させる事は非常にまれで、むしろ機能を損なう事が圧倒的に多いのです。一方、S変異は表現型の変化を引き起こす事はほとんどないため、翻訳効率を極端に低下させない限り、S変異を取り除く選択圧はかからず、S変異は進化の過程で蓄積する傾向があります。

通常、S突然変異の発生率は異なる遺伝子間で同程度であるため、S突然変異は近縁種の進化時間を年代測定する分子時計として使う事ができます。プロト-変異株はスパイク遺伝子にS変異を持たない事から、まさに分子進化的には「一瞬で」有利な変異を獲得した事になります。こうした進化は古典的な試行錯誤的突然変異と淘汰のスキームから大きく外れたものです。

さて、コロナ騒動の始まりは新型肺炎の最初の患者が報道された2019年12月でした。そしてその患者からSARS-CoV-2の塩基配列が決定されました。一般論として、仮にある患者から何らかのウイルスが検出されたとしても、本来は即時に新型肺炎との因果関係を断定などはできないはずですが、SARS-CoV-2が新型肺炎の原因だと特定する論文がNatureに投稿されたのは、最初の患者の発見からわずか1ヶ月後の事でした。そして、ファイザー、モデルナはその塩基配列を利用してそこからわずか数日でワクチンのデザインを完成しました。本来ならばそれぞれのプロセスが数年かかってもおかしくない話です。つまり、あまりにコロナ発生からワクチン完成までへの手際が良すぎるのです。

機能獲得実験とは言葉の通りまさに「機能」を「獲得」する実験なのですが、その手法には大きく分けて2種類あります。一つは遺伝子の突然変異によってランダムに変異を導入し、特定の機能を獲得した変異体を選び出す手法です。変異自体はランダムに起こりますので、こうした手法ではN変異のみならずS変異も起こります。そしてもう一つの機能獲得の手法は既知の遺伝子配列の利用です。SARS-CoV-2がどのようにしてフーリン切断部位を獲得したのかという疑問がすでに提示されているように、武漢株にも意図的にデザインされた要素が見られるのです。

武漢型と他の変異株の大きな違いはS変異の割合です。武漢型にはS変異が多く、変異株にはS変異が極端に少ないのです。武漢型はフーリン切断部位などのデザインされた配列を流用しながらも、基本的にはランダムな突然変異と人為的選択による人工進化の手法で選ばれたものではないでしょうか。その過程では感染力や様々な毒性に関連する変異のカタログを作成する事も可能なのです。

プロト-変異株にS変異が極端に少ない事は、プロト-変異株の成立には自然進化はもちろん、人工進化さえも貢献していない事を示唆しています。特定の変異を持つスパイク遺伝子がウイルスゲノムに「人為的に挿入された」と仮定すれば、スパイク遺伝子にS変異が無い事が説明できます。また、変異株によっては、スパイク遺伝子に加えて、ORF1ab、M、ORF8、Nも人工遺伝子である可能性が高いのです。実際、技術的には部位特異的変異導入法により、シームレスクローニングやゲノム編集を用いて特定の変異を導入する事自体は難しくありません。また、プロト-変異株にはS変異もN変異も持たない遺伝子も多いのですが、変異株作成の基本型遺伝子に特定の変異を当てはめたと考えると説明ができます。

図7

古典的な進化論では、SARS-CoV-2のプロト-変異株にS変異がない事を説明できません (図7)。この事は、SARS-CoV-2が他の関連RNAウイルスとは根本的に異なる進化戦略を持っている事を示しています。あるいはプロト-変異株に非常に多くのN変異が存在する事と、いくつかの重要な遺伝子にS変異がない事からも、それらは機能獲得研究の副産物であると考えられます。

つまり、これらのデータはSARS-CoV-2変異株は自然に出現したのではなく、既知の配列を流用して製造されたものである可能性が高いという事を示しています。




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