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プリオンとパーキンソン病: マサチューセッツ工科大学 (MIT) の総説論文から

引き続きプリオンのお話しになりますが、このトピックについてはとりあえず3回目のこの記事で最後になります。

スパイクタンパクはプリオンモチーフを持つ事から、コロナワクチンの長期の副反応としてプリオン病を発症する可能性が指摘されています。前回及び前々回の記事でも触れましたが、プリオン仮説によるとプリオン病の原因は異常型のプリオンタンパクです。異常型プリオンは接した正常型プリオンを異常型に変換してしまうので、次々とプリオンタンパクの間で異常型構造が伝播し、正常型が異常型に変化していきます。そして、異常型プリオンが重合し、βシートから成る凝集体アミロイドを形成します。アミロイドが感染組織に蓄積する事により組織損傷や細胞死を引き起こします。

「アミロイド」の名称は、もともとこの物質がヨウ素デンプン反応と似た反応をする事からデンプン (ラテン語ではamylum) と関係があるとの誤解により付けられたものです。その後アミロイドが脂質なのか炭水化物なのかの論争が続いたのですが、結局アミロイドはタンパクである事が判明しました。アミロイドの古典的で組織病理学的な定義は「タンパク質性のβシート構造が積層して「細胞外に」沈着しているもの」です。しかしながら、最近では「細胞内のアミロイド」も発見されてきている事もあり、この定義では不完全です。生物物理学的なアミロイドの定義はこれよりも広く「細胞の内外を問わずに」クロスβ構造を形成する重合した全てのポリペプチドを含みます。

クロイツフェルト・ヤコブ病以外にもアミロイドが原因、関与する脳疾患が知られています。「アルツハイマー型認知症」そして「パーキンソン病」などです。アルツハイマー型認知症にはアミロイドβやタウが関わり、パーキンソン病には α-シヌクレインが関わっています。αシヌクレインとスパイクタンパクの間には多くの類似点があるのです。


以下はマサチューセッツ工科大学 (MIT) の総説論文からの続きになります。

Worse Than the Disease? Reviewing Some Possible Unintended Consequences of the mRNA Vaccines Against COVID-19
Stephanie Seneff, Greg Nigh
International Journal of Vaccine Theory, Practice, and Research 2021
https://ijvtpr.com/index.php/IJVTPR/article/view/23
パーキンソン病の教訓
パーキンソン病は、脳内のレビー小体沈着を伴う神経変性疾患であり、このレビー小体に含まれる主要なタンパク質はα-シヌクレインである。そのタンパク質であるαシヌクレインは、特定の条件下で毒性のある可溶性オリゴマーやフィブリルに凝集するという点で、確かにプリオン様であると言える (Lema Toméら、2013年) 。 研究によると、ミスフォールドしたαシヌクレインは、まず腸で形成され、そこから迷走神経に沿って脳に移動する。おそらく、ミスフォールドしたタンパク質が発生した死にかけの細胞から放出されるエクソソームの形で移動すると考えられる (Kakarlaら、2020年、Steinerら、2011年) 。 ミスフォールドを促進する細胞条件には、酸性のpHと炎症性サイトカインの高発現が含まれる。 迷走神経を切断するとパーキンソン病が発症することから、迷走神経がミスフォールドしたタンパク質を脳に伝達するのに重要であることは明らかである。 パーキンソン病に伴う迷走神経の萎縮は、ミスフォールドしたαシヌクレインオリゴマーの腸から脳への輸送に迷走神経が関与していることを示すさらなる証拠となる (Walter et al. 2018) 。 もう一つの経路は嗅神経を介したもので、嗅覚の喪失はパーキンソン病の初期症状であるとされている。 不吉なことに、嗅覚の衰えや喪失は、SARS-CoV-2感染の一般的な症状でもある。 αシヌクレインとスパイクタンパクの間には類似点が多く、ワクチン接種後にプリオン様の病気になる可能性を示唆している。


パーキンソン病は進行性の神経変性疾患です。手や体の震え、動作や歩行の困難などの運動障害が出る事が特徴です。進行すると自力歩行も困難となったり、車椅子や寝たきりになる場合があります。中脳黒質のドーパミン神経細胞減少によるドーパミン不足と、相対的なアセチルコリンの増加のために運動機能がアンバランスとなることが原因と考えられています。1913年にフレデリック・レビーが神経細胞内のレビー小体を発見しました。レビー小体はαシヌクレインの異常蓄積によって形成されます。1919年にコンスタンティン・トレティアコフがパーキンソン病の責任病変が中脳の黒質にあると発表しました。

ヒトの代表的なプリオン病はクロイツフェルト・ヤコブ病です。これ以外の神経変性を伴う疾患もプリオン様の病気として含める新たな仮説が提唱されています。プリオンが凝集してできるアミロイドは細胞外に形成されますが、この仮説によると細胞内での異常タンパク質凝集体の形成も同様に神経変性疾患に関わっています。アルツハイマー病におけるアミロイドβやタウ、パーキンソン病におけるレビー小体もプリオンの様なメカニズムで形成されるのかもしれません。異常型タンパクが細胞間を伝播し、伝播した先の細胞内で凝集体形成のコアとして機能する可能性が提示されています。

ワクチンに含まれるmRNAが、迷走神経と関係の深い肝臓や脾臓に高濃度に蓄積される事はすでに明らかになっている。 ワクチンに含まれるカチオン性脂質は、ミスフォールドを助長する酸性のpHを作り出し、また、もう一つの素因である強い炎症反応を誘発する。 胚中心とは、脾臓などの二次リンパ系臓器にある構造物で、濾胞性樹状細胞がB細胞に抗原を提示し、B細胞が抗体反応を完成させる。 研究者たちは、組換えタンパク質ワクチンとは対照的に、mRNAワクチンは脾臓のこれらの胚中心で中和抗体の強固な発達を誘発することを示している (Lederer et al. 2020) 。しかしこの事はmRNAワクチンがスパイクタンパク質からプリオンを形成し、そのプリオンがエキソソームを介して迷走神経に沿って脳に輸送される理想的な状況を誘発する事も意味している。 研究によると、ある動物から別の動物へのプリオンの伝播は、まずリンパ組織、特に脾臓に現れる。 分化した濾胞樹状細胞は、ミスフォールドしたプリオンタンパク質を蓄積するため、このプロセスの中心となる (Al-Dybiat et al. 2019) 。炎症反応は、これらの樹状細胞におけるα-シヌクレインの合成をアップレギュレートし、プリオン形成のリスクを高める。 細胞質に蓄積されたプリオンは、脂質体にパッケージ化され、エクソソームとして放出される (Liu et al.2017) 。 これらのエクソソームは最終的に脳に移動し、病気を引き起こす。


体内で特異的な抗体を産生する場所が胚中心であり、胚中心はそのために一時的に作られる微小組織です。一般論として、傷口から入った抗原は血流に入れば脾臓に運ばれてそこで胚中心が作られ、血管に入らずリンパ管に入った抗原は最寄りのリンパ節に運ばれて胚中心が作られます。胚中心で抗体遺伝子特異的に突然変異 (体細胞突然変異) が入り、抗原との親和性が高い抗体を作るB細胞が生き残る事で抗原特異的な抗体を作るようになります (親和性成熟)。この際にB細胞の選択に必要なのは、同じ抗原を認識するヘルパーT細胞と、抗原抗体複合体を細胞表面にトラップした濾胞樹状細胞です。

ワクチンに含まれるカチオン性脂質は酸性のpHと炎症反応をもたらしますが、これは異常タンパクが作られる条件でもあります。上記のようにスパイクタンパクには抗原として脾臓に輸送される経路があります。また、脂質ナノ粒子はワクチンを接種した筋肉に留まらずに血流を循環し、脾臓、卵巣などに分布する事が分かっています。脾臓に運ばれたスパイクタンパクは異常型タンパクのコアとなり、神経軸索をたどって脳に運ばれたり、血流を循環するスパイクタンパクは血液脳関門を乗り越えて直接脳に運ばれたりする事もあるでしょう。

前の記事でも触れた様に、スパイクタンパクは異常型タンパクのコアとなり異常型プリオン凝集のコアとなるかもしれません。あるいは他の異常型タンパク凝集のコアとなれば、クロイツフェルト・ヤコブ病以外にもパーキンソン病を含む他の神経変性病の原因となる可能性もあるでしょう。

脳神経の変性による認知機能、あるいは運動機能の障害はワクチン接種から長期間をおいての副反応 (副作用) となって現れてくる事が懸念されます。



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*記事は個人の見解であり、所属組織を代表するものではありません。


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