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コロナワクチンが危険な理由

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コロナワクチンが危険な理由
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2021年8月の記事一覧

スパイクタンパクの全身の血管への毒性: マサチューセッツ工科大学 (MIT) の総説論文から

脊椎動物の血管は、心臓から血液を送り出す動脈と心臓へ血液を戻す静脈、そして動脈と静脈の間をつなぐ毛細血管から構成されます。コロナウイルスはスパイクタンパクによって細胞膜上のACE2と結合し、細胞内に侵入し増殖します。ACE2はコロナウイルスの受容体ですが、同時に酵素でもあります。ACE2はアンジオテンシンII (血管収縮ペプチド) をアンジオテンシン(1-7) (血管拡張ペプチド) に変換する事により、血管を広げて血圧を下げる働きがあります。 コロナウイルスとコロナワクチン

スパイクタンパクの毒性;スパイクタンパクはACE 2の抑制を介して血管内皮機能を損なう: Circulation Researchに掲載された論文から

コロナウイルスは血管を障害する事が知られていますが、スパイクタンパク単独でも同じ問題を起こします。コロナワクチンはスパイクタンパクを抗原として用いているため、コロナウイルスに類似した毒性を持つのです。この事については以前の記事内でも触れましたが、今回は再度その背景を説明していこうと思います。これにはミトコンドリアの働きが関係します。 ミトコンドリアは太古に細胞に寄生した好気性細菌の名残りです。ミトコンドリアの主な機能はATP (アデノシン三リン酸)の産生であり「酸素呼吸」は

立体構造から予測されるデルタ変異株への抗体依存性感染増強 (ADE): Journal of Infectionに掲載された論文より

「同じ場所にとどまるためには、全力で走り続けなければならない。(It takes all the running you can do, to keep in the same place.) 」ルイス・キャロルの小説『鏡の国のアリス』に登場する「赤の女王 (ハートのクイーン) 」の言葉です。 「赤の女王仮説」は進化に関する仮説の一つで、「種・個体・遺伝子は生き残るためには常に進化し続けなければならない」事の比喩として用いられます。変化する環境に対し、生物は適応して進化しな

たくさんの疑問

今回は、私が現在持っているたくさんの疑問についてお話ししたいと思います。コロナワクチン、コロナパンデミックについては、実際分からない事だらけなのです。また、ワクチン推進派にとって不利な情報の多くは検閲され、削除され続けますので、公平な情報へのアクセス自体が難しいという側面もあります。 以下に書く私の認識事項に「事実誤認」がありましたら、是非ご指摘いただけると助かります。実際私一人では調べる能力も時間的にも限度があり、認識や情報が不足した状態で今後の記事にまとめる事は極力避け

コロナ感染者のゲノムからもコロナウイルスは検出された: 米国科学アカデミー紀要に掲載された論文から

3回に渡る逆転写についての記事の最後になります。遺伝子組換え解析の専門技術的な説明が続くため、どうしても難しくなってしまいますので、興味のある方以外は最後の結論だけを読んでくださっても大丈夫です。 逆転写酵素を過剰発現していない細胞でもコロナウイルスRNAが逆転写されてゲノムに組み込まれる事はあるのでしょうか? この可能性を検証するために、逆転写酵素発現プラスミドを強制発現させない条件で、SARS-CoV-2を感染させたHEK293T細胞およびCalu3細胞からゲノムDNA

ヒト逆転写酵素はコロナウイルスのゲノム組込みを媒介できる: 米国科学アカデミー紀要に掲載された論文から

RNAコロナワクチンが逆転写されてゲノムに取り込まれる事はあるのでしょうか。インターネット上などでも議論になっているのを見掛けます。前回の続きで「コロナウイルスが逆転写されてゲノムに取り込まれる可能性」を実験で検証した結果についてです。遺伝子配列と遺伝子組換えの解析の実際がどのようなものなのか。専門技術的な話になりますので少し難しいかもしれませんが、よろしければお付き合いください。 以下、米国科学アカデミー紀要に掲載された論文の続きです。 逆転写されたSARS-CoV-2

コロナウイルスと逆転写: 米国科学アカデミー紀要に掲載された論文から

コロナワクチンに関して「逆転写」の話題を時々見かけます。コメント欄を見ても興味を持たれている方が多いようです。「mRNAは核には入らないのでRNAワクチンは安全だ」または「RNAワクチンが逆転写されて染色体に挿入される事などまずありえない」という声も聞きますが、果たして事実でしょうか。結論から言えば、必ずしもそうとは言えないのです。今回から3回に渡ってはその逆転写についてのお話です。 まず、一人の人間を構成する細胞数は何十兆個というレベルになります。またRNAワクチンに含ま

無症状のPCR陽性者からの感染は0だった (Nature Communications誌に発表された論文から)

最初に新型コロナウイルスの感染が報告された中国の武漢。武漢でのロックダウン後の約一千万人の大規模PCR検査の結果、無症状のPCR陽性者からの感染は「0」だったという報告です。この研究は2020年の5月から6月に行われたもので、Nature Communications誌に論文が発表されたのは2020年の11月です。 中国・武漢の約1,000万人の住民を対象としたロックダウン後のSARS-CoV-2核酸スクリーニング Post-lockdown SARS-CoV-2 nuc

スパイクタンパクは血流を循環するか

スパイクタンパクは血管を障害し、血栓の原因ともなります。では、スパイクタンパクはコロナワクチンを接種された筋肉部位だけに留まっているのでしょうか。血漿中のスパイクタンパクを調べた研究を紹介します。 重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS- CoV-2)ワクチンを接種した患者の血漿中に検出された循環抗原について Circulating Severe Acute Respiratory Syndrome Coronavirus 2 (SARS- CoV-2) Vacci

mRNAワクチンはすぐに分解されるのか?

ファイザー、モデルナのコロナワクチンは「mRNAワクチン」です。「mRNAワクチンは短期間で分解されるので、人体に悪影響は無い」と言う言葉を目にする事もありますが、実際のところはどうでしょうか。 免疫系の仕組みは大きく分けると「獲得免疫 (acquired immune system)」と「自然免疫 (innate immune system)」の2つです。獲得免疫の主な攻撃要員は抗体やT細胞受容体です。獲得免疫はウイルスや病原菌等の様々な外敵を精密に区別し攻撃するために、