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📕「小説はストーリーを進めようと思って書いてはならない」



 俺がしつこいくらいに言っている、このタイトルの意味をもう一度、咀嚼して解説してみようと思う。

 さて、かの心理学者アドラーは、「人生は線ではなく、点の連続である」と説いた。「過去と現在に因果関係はない」と主張した上で、過去に囚われることなく、また、未来を恐れることなく、現在を懸命に生きろ、という意味が含まれている。

 さて、このアドラーの考え方がそのまま、「小説はストーリーを進めようと思って書いてはならない」ということにつながる。つまり、物語は線ではなく、点の連続である、と捉えてみる。

 物語を線として捉えるとどうしても、ストーリーを進めようとして書いてしまう。結果、登場人物がストーリーに振り回されて挙句、キャラの崩壊が起こる。

 しかし、物語を点の連続と捉えたらどうだろうか。もちろん、点とはひとつひとつのエピソードである。点の連なりが物語を作る。そう捉えてみたらどうだろうか?

 自然とキャラが物語を進める、というより、物語を紡いでいくということになりはしないだろうか?

 最近の俺は、ストーリーを進めるというより、積み木のようにストーリーを積み上げるという意識で小説を書いている。そのやり方が良いか悪いかわからないけれど、より小説的リアリティのある作品を描くことができると信じて書いている。

 

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