整調(ストローク)はつらいよって話20240625

先日好評を頂いた記事「整調の後ろは辛いよ」って記事に続きまして、

今回は「整調は辛いよ」って記事になります。
なにを隠そう、私には整調経験があります

整調がきついのは。

練習を休めない

整調がきついのは、何より練習を休めないからです。
自分が休む=クルーが解体、
他の全員が陸トレや、他の船に乗って練習をすることになります。

他の人が休んでも確かに影響がありますが、
整調が休むほど、決定的なものはありません。

ピッチャーがいない野球、
ゴールキーパーがいないサッカー、
そんな感じでしょうか。

だからこそ、整調は誰よりも体調管理をします。
明日の練習メニューについて誰よりも熟知しています。
自分が駄目だったら、他のクルー全員が駄目になるので。

レートを出さなければならない

整調がきついのは、練習を休めないだけでなく、
練習中も休めません。

レート30で漕げと言われたら30で漕がなきゃいけないし、
36と言われたら36で漕がざるを得ない。

整調以外のクルーは、
エントリーが遅れようがドライブが弱かろうが
ある程度ついていけば許されますが(許されませんが)

整調は確実に指定レートを刻むことを課されます。
どれだけ体調が悪くても、
疲れてても、疲労困憊でも、
指定レートを出さなければなりません。

その上、他のクルーから「今日はリズムが悪かった」とでも
言われた日はもう怒りプンプンです。

誰がサボっているのかわからない

整調は誰がどう漕いでいるのか全く見えないので、
後ろの誰がサボっているのか、どう変な漕ぎをしているのか
全くわかりません。

スピードが出ているクルーなら良いですが、
出ていないクルーの場合、
整調にとってはもう不信感との戦いです。

「人のせいにしてはいけない」という真っ当な想いを持ちながらも、
「誰かサボってるだろ!」っという疑念を振り払いながら、
愚直に指定レートで指定されたメニューをこなさなければなりません。

信じてはいるけど、
信じられない、
だけど信じるしかない、というもどかしい感情を何ヶ月も抱えながら
生きるのが整調でしょう。

レースのプレッシャーが半端ない

整調だけは、合わせる人がいません。
整調が漕ぎ始めなければ、船は進み始めません。

野球のピッチャーがボールを投げないと試合が始まらないと同様、
ボートの整調も、漕ぎ始めない限りは船は進みません。

どんなに大舞台で、
どんなにプレッシャーが掛かる舞台でも、

他のクルーなら
「とりあえず整調に合わせれば良い」

思えてリラックスできますが、
整調は、自分で自分を動かさなければなりません。
それも高いレベルで。

心を落ち着かせるのは、自分しかいないわけです。
本当に、自信がないと難しいポジションです。

誰が整調をすべきか問題

誰が整調をするかは、本当に大きな問題です。
誰をピッチャーにするかと同じくらい大きな影響があります。

私が思う条件としては、
まず第一に

練習を休まない人
が良いように思います。そして

気分屋じゃない(レート管理ができる)こと、
リズムが良いこと、

がくるように思います。
リズムが良い、というのが技術的には最重要なのですが、
トレーニングを重ねるに当たっては、
練習を休まない、気分屋じゃないというのが重要に思います。

(※極稀に、他の誰にも合わせられないので、
整調にせざるをえないというときもありますが)

そして、最後に
ある程度、人を信頼できる人

なんじゃないかなと思います。

バウや2番など、周りが信頼できないってどういう感情?
って思うと思いますが、
本当に、「見えない」っていうのは人間を疑心暗鬼にさせるんだってことを
整調というポジションは教えてくれます。

どのシートも大変ですが、
それぞれ大変な要素が少し違って、
それがローイングという競技の楽しいところなんじゃないかと 
思います。

以上です。


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