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またワナかけーる!

明菜ちゃんの「禁区」は結局どっちがワナかけるんだっけ?

男か? 女か? 全く内容も考えないで、歌うことに専念してたから、わかってなかったな。あのイントロのピコピコサウンド好きだったなあ。さあ、歌うぞって、気分は盛り上がってたぞ。

カラオケになんか行ってないけど、それでも、どこかのカラオケで歌うことがあったんだろうな。明菜ちゃんの歌に挑戦するなんて、好きとしか言うしかないな。この曲だけが好きで、シングルも買ったぞ。実家にはあるだろうな。今度実家に行ったときに持って帰って来よう。

持って帰っても、レコードプレーヤーはないけどな。何だか宝の持ち腐れだ。そして、80年代あたりから断絶してるんだ。

CDが出てきた時、アナログレコードなんて、だれも見向きもしなくなったのに、あれから40年ほどの歳月が過ぎて、ふたたびアナログレコードが蘇ってきた。

そんなものだったとは、分かってなかったな。それなら、CDに浮気せずにずっとLPで音楽を楽しんでいればよかった。なのに、ついつい載せられて、余計な家電をたくさん買い込み、たくさんガラクタになったもんだ。家電メーカーを儲けさせてあげたのか。

ああ、それなのに、日本の音楽も、アメリカの音楽も、何だか怪しくなっている。音楽界は深くて、しっかりしたものをつないでいると思うんだけど、何だか魂がどこかに抜け落ちてしまった気がする。

明菜ちゃんは、最後の魂アーチストだったんだな。中島みゆきさんとユーミンさんとボブ・ディランと、ずっと魂のアーチストはいるけど、他の人たちはビジネスアーチストだ。みんな商売と金儲けとスキャンダルまみれだ。

明菜ちゃんは、だまされるふりをして相手を誘うようなワナもかけてくれたんだろう。でも、それに乗れないバカなヤツもいたんだったね。最近何かで見たことがあったぞ。いい生活人になってたな。

だまされるヤツが悪いんだよ。ささやかな幸せが我々はスキなんだよな。そこから飛び出すことができないんだよ。

明菜ちゃんは、いつだって歌えるのに、歌えなくなっている。みんな聞きたいのに、耳をふさいでいる。どうしてなんだよ。彼女があまりに魂をぶつけてくるから、怖くなるんだろうな。