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あやうく捕まりそうになった話・・・イギリス・フランス5年間の赴任生活<第86話>

赴任中の出来事の中で書き忘れたことがありましたので、改めて紹介します。

空港のセキュリティーチェックで

冬 寒い時に 使い捨てカイロを背中や腰に貼ると暖かいですよね。でも、イギリスでもフランスでも一般には売っていないので、日本に出張した際に たくさん買って帰り、日常使っています。

ある時、いつも通り 使い捨てカイロを腰に貼って会社へ出勤。その後 出張のために空港へ向かいました。
空港のカウンターで搭乗手続きを済ませ、次に手荷物検査のセキュリティーチェックへ。
金属探知機ゲートを通った時に「ビー!」と鳴りました。
しまった!! 腰に使い捨てカイロを貼ったままでした。
使い捨てカイロの中身は鉄の粉なので、当然センサーが感知しますが、どう説明しよう。こちらには使い捨てカイロなんて一般には出回ってないから検査官は知らないだろうし、正体不明の黒い粉末を袋に詰めて下着に貼り付けている不審者と思われるでしょう。
「鉄の粉が空気中の酸素と結びついて発熱して・・・」なんて原理を説明しても、「何それ?」と言われそうだし...
恐る恐る「体をHeatingすることができる日本製のWarmerです。ほら触ってみてください。暖かいでしょう。」と言うと、検査官は いぶかしげな表情をしながらボディーチェックをしていましたが、確かに暖かいことを確認すると、無事通してくれました。
良かった~。今後は出張時には気を付けよう。

高速道路で麻薬取り調べ

私が勤務している会社では、プラスチック材料を製造し ヨーロッパ各国の自動車メーカーや家電メーカーに販売しています。ある日、我社のスペイン人の営業員が工場に来訪した際に、こんな珍事件があったと話をしてくれました。

この営業員は、顧客との商談のための商売道具として 自社製品のプラスチックで作った自動車や家電製品の部品とか 工場で使っている原料を車に積んで顧客回りをしています。

ある時、高速道路の検問で取り調べを受けたそうです。
ヨーロッパでは 日本のように一般道路でのいわゆる“ネズミ捕り”(飲酒運転していないかの抜き打ち検査)は行っていません。ただ、凶悪犯罪の防止のために 集団窃盗団防止や麻薬取締は強化しているようです。

営業員の車の荷台には、車の部品やテレビの部品などがたくさん積まれています。警察官は これらを盗難してきたものだと疑いをかけ、詳細に車内の取り調べを始めたそうです。
車の荷台を調べているうちに、白い粉が入ったポリ袋が見つかりました。プラスチックの製造には様々な原料を扱っていますが、その中にプラスチックの滑りを良くする添加剤があり(白い粉です)、この業界では広く使われているものです。
警察官は 麻薬を発見したと思い込み、「やったー!見つけたぞー!」と 鬼の首を取ったかのように叫び、麻薬探知犬を連れてきました。
警察犬は その粉の匂いを嗅ぐと「くしゅん!くしゅん!」とくしゃみが止まらなくなったそうな。
結局、無罪放免に。



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