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何はなくとも、分散投資

サラリーマンのための投資戦略(30)】
このマガジンでは、サラリーマンが「信用資産=お金を借りる信用力」を活用して「年収の10倍以上の資産」を作るための方法を解説しています。

マガジンに記事をまとめています。➡【サラリーマンのための投資戦略】

今回は、分散投資について、書いてみたいと思います。

1.世界経済を動かしているメンバーも「投資のタイミング」については予想できない。

私は本職が経済アナリストなので、日本経済を動かしている政策立案者が登壇するセミナーを聞く機会が多く、彼ら語る情報を個人的な投資にも活かしたいと考えているのですが、経験上、うまくいったためしがありません。

確かに、経済政策を考えている人々は、政策目的をもって金利を上げたり下げたりするのですが、株式市場や為替、商品市況は彼らの思惑通りには動かないのです。

もちろん彼らの政策を理解すれば世界経済の大きな方向性は確認できます。

でも、投資は「売り・買い」のタイミングが非常に大事なので、もっと精度の高い「売り・買い」のタイミングが分からなければ、コンスタントに利益を上げることはむつかしいのです。

2.アナリストの解説も当てにならない!?

最近は、株や債券、商品市場の投資タイミングを解説しているユーチューバーが多いのですが、これらはほとんど役に立ちません。

理由はいくつかあります。

1つ目は、「価格が上昇し始めて動画を放映するので、買いのタイミングが遅れる」ことがあげられます。

買うタイミング遅いと、「買った時が価格が一番高いところで、その後、どんどん下がってしまう」ということが起こりがちです。

2つ目は、動画の多くはチャートの解析をしていますが、チャートは「値段が下がっています、値段が上がっています」ということを詳細に示しただけなので、そのことをどんなに分析しても、どこまで下がるのか、どこまで上がるのかは、だれにも予想できません。

チャートを見て分かるのは「多くの人が買っているから値段が上がり、多くの人が売っているから値段が下がっている」ということだけです。

ユーチューバーたちも、そのことは理解しているので、最後は自己責任ですと申し訳程度にコメントしています。

分かったよう解説をしている人が、本当にそのタイミングわかっているなら、動画なんてとっていないで自分で投資をして儲ければよいのです。

「自分で投資をする」よりも「わかったような顔をして、動画を作って広告収入を得るほうが儲かるので、ユーチューバーをやっている」わけで、そのことを十分理解して視聴したほうがいいですね。

とはいえ、これらの動画は、投資の初心者にとっては、投資の基礎を学ぶツールにはなると思います。(彼らを妄信しないことです。)

3、投資は自分自身の思い込みとの戦いだ!

どんなに優秀な人でも、相場の先行きを予想することはできません。

ですから、サラリーマン投資家が一番気を付けなくてはならないのは、

「相場が上がるはず、下がるはず」という「自分自身の思い込み」です。

もちろん、勉強すれば経済や相場の大きな流れはわかるようになりますが、「いつ・いくらで売買すべきか?」は、どんなに知識や経験を得ても正確に予想することはむつかしいのです。

では、プロはどうやっているかというと・・・

相場に対してある程度の見通しをもったら、「このくらいの時期に買い始めよう」「値段はこの範囲で買おう」という「買い」の大まかな計画を立てて、何回にも分けて購入します。

「売る」ときも同じように、「このくらいに時期に売り始めよう」「値段はこの範囲を目指そう」と決めて、何回にも分けて売却してゆくのです。

これは「買い・売り」のタイミングを正確予想はでいないから、何回かに分散させて、その売買の平均値で収益率を高めようとしているのです。

4、分散投資は自分の思い込みを超える投資手法

何に投資をするのかを決めるときも、銘柄を分散したほうが負けない投資になります。

ところで、投資の基本は「安い時に買って、高い時に売る」です。

すでに上昇がはじまっているものは、値段がぐんぐん上がってゆくので、どの銘柄が上昇中なのかはわかります。

でも「安い時に買う」というのは、「値上がりの兆しが見えたか見えないか・・・」という段階で買うことになりますので、どれを買えば良いのかはなかなか選別できません。

買っても、マーケットでも売買が、しばらく動かないものも多いでしょう。

ただ、「高くなったものを買うと、短期的に値下がりしてしますリスク」がありますから、「安い時に買うほうが短期的な価格下落リスク」は抑えられるはずです。

ちなみに、私自身は、国内海外の株式・債券、貴金属、原油、農産物、仮想通貨まで、幅広く分散投資しています。

過去1年はバブルでしたので、何に投資をしても基本的に値段が上がりましたが、それでも「売り・買い」のタイミングが合わなくて損が出たものが1割くらいあります。

分散投資していると、1割で損が出ても最小限に抑えられていますし、残り9割の銘柄が5%から50%上昇してくれたので、リスクに見合った満足できる成績を残すことができました。

もちろん、バブルでなければ、9割もの銘柄で利益を出すことは難しかったと思います。

5、実は、分散投資は「結果オーライ」なので、楽な投資手法です。

分散投資のルールは4つです。

1)買うとき、売るときは、少なくとも2回以上に分けて分散する。(特に買い注文は、何回かに分けたほうが良い。)「まだはもうなり、もうはまだなり」という相場格言があります。

2)銘柄はできるだけ分散させる。(1つの銘柄には、全体の1割以上投資しない。)投資金額が少なくて、個別銘柄の投資では分散ができないなら、ETFなどの小額からでも、複数銘柄に投資できるものを活用する。

3)1つの銘柄で儲け過ぎようとしない。10%増えれば大成功。5%以上上昇したら、「+10%の値段」で指値を入れて一部売却をスタートする。(+20%以上は追わない。)

4)短期投資の場合では、マイナス5%以上損したら、保有金額を半分に減らす。長期投資の場合でも、マイナス10%以上損をしたら、保有金額を半分にする。

もう一つ付け加えると、分散投資は「結果オーライ」の投資方法なので気が楽です。

1つの銘柄への投資金額が小さいので、ある銘柄でマイナスがでてしまっても、損失額が小さいので思い切って「損切りする(売却して損を出す)」ことができます。

6、投資初心者は、儲けることよりも、元本を減らさないことのほうが大事!

投資初心者で投資金額が少ないうちは、きちんと「損切り」しないと、運用資産全体が大きく減ってしまって、後から挽回できなくなってしまいます。

投資の最初の段階では、大きく儲けることよりも、大きく負けないようにすることを優先しましょう。

運用資産が大きくなってくると、そもそも、投資元本の全額を出動させる機会はほとんどありません。 

直近、あったとすれば、新型コロナでの大暴落の時くらいでしょう。

21年3月現在、相場はすでにバブル状態ですから、いつ暴落が起こっても不思議ではありません。

将来、過去を振り返ると、「今投資をするか?暴落後に投資をするか?」という分散投資は、「今後のサラリーマン投資家としての命運を分ける」くらいの重要な決断になっていると思います。

投資銘柄と投資タイミングの分散で、負けない投資を目指しましょう!!

ここまで読んでいただいて、ありがとうございました。。

山海 弘