被害者遺族も求めている「個別性」
藤井誠二
「個別性」みたいなものは、被害者の方も加害者の方も、なるべく細かく、死刑とか、殺人とか、被害っていう抽象概念からなるべく社会を遠ざけるような、そういうところにいかないようにするっていうのはとても大切だと思う。それはやっぱりメディアの仕事であるし。
一個一個ってすごく大事なことだと思うんです。『論座』(2008年3月号」)に廃止論者の森千香子さん(南山大学講師・当時)が、死刑存置をいうとき、死の一個一個の実感がないということを書いておられます。死刑とは抽象概念ではなく