マガジンのカバー画像

マ行

276
運営しているクリエイター

記事一覧

マーク・ゲイン「ニッポン日記」 財閥解体③

財閥のお伽話の一つ――今ほどそれが役に立ったことがない――は、財閥と軍国主義者とのあいだ…

マーク・ゲイン「ニッポン日記」 財閥解体②

財閥は西洋諸国のトラストに多分に似通い、またそれらの多くと――ヴィッカース・アームストロ…

マーク・ゲイン「ニッポン日記」 財閥解体①

1946年3月28日 東京 ここ四週間、私は起きている時間のほとんど全部を財閥の研究に費やした。…

新型コロナウイルス2020年 5月

5月 1日 中小企業などに最大200万円を支給する持続化給付金の申請受付を開始/西村経済再生相…

新型コロナウイルス2020年 4月

4月 1日 専門家会議が会見。医療現場の機能不全の可能性と、都市部の感染爆発を示唆/政府が国…

新型コロナウイルス2020年 1月~3月

新型コロナウイルス2020年 1月~3月 2019年 12月31日、中国で報告された原因不明の肺炎…

せめて命で償え

森 最後にあらためて、藤井さんに訊きたい。教えてほしい。藤井さんが死刑制度「存置」を支持する理由を。 藤井 死刑存置は廃止かについての論点は、冤罪の可能性や抑止力の有無など、長年の議論で出尽くしています。前にも言いましたが、何人殺しても、いかなる非道なやり方で殺しても、その加害者の命は守られるということがどうしても納得できないからです。いままで議論してきたように矛盾点はある。最後の最後に残るのは、「殺された側」の尊厳や応酬感情をどのように考えていくのか、ということに尽きると

「誰かが死ぬことを願う人生」は幸せか

藤井 森さんは、被害者遺族がもし知人であったり、山へ行こうよとか、こういう生き方もあるみ…

裁判員制度で死刑が増える?

森 ちょっと古いけれど、長崎市長殺害事件の死刑判決(長崎地裁・2008年5月)について藤井…

終身刑導入で思考停止が起きる?

藤井 話の位相がずれますけれども、死刑が廃止されて、終身刑が導入されて、天井も決まったと…

「冤罪あるから死刑廃止を」ではない

藤井 死刑制度は残した方ほういいとぼくは思っていますが、いまの裁判員制度がはじまって死刑…

大きすぎる殺人事件報道の比重

森 日本のメディアは事件報道の割合がとても多いという話に戻します。もちろんこれもケース・…

「事実は切り取り方次第」の自覚を

藤井 取材手法というか、被害者遺族について意見を交換してみたいのですが、これも前出の坂上…

被害者遺族も求めている「個別性」

藤井誠二 「個別性」みたいなものは、被害者の方も加害者の方も、なるべく細かく、死刑とか、殺人とか、被害っていう抽象概念からなるべく社会を遠ざけるような、そういうところにいかないようにするっていうのはとても大切だと思う。それはやっぱりメディアの仕事であるし。 一個一個ってすごく大事なことだと思うんです。『論座』(2008年3月号」)に廃止論者の森千香子さん(南山大学講師・当時)が、死刑存置をいうとき、死の一個一個の実感がないということを書いておられます。死刑とは抽象概念ではなく