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「弾丸旭川ツアー」

弾丸旭川ツアーに行ってきた。
今週は長崎で、好きばいラグビーのロケがあり、そこから木曜日は、newszeroに出演。
金曜の朝の飛行機で旭川に飛び立った。

旭川についてから向かった先は、旭川盲学校。100年という歴史を持つ。その学校の子どもたち6人とラグビー、車いすラグビーを通して、交流することができた。

2つ改めて驚いたことがあった。
一つ目は当たり前だが、初めて触ったボールに興味津々な中で、形について色々と感想が出てきた。「形がカレーパンみたい。質感はちょっとざらざらしている。触り心地が良いね。」と感じているようだった。僕は見た瞬間に形がほぼわかるので、改めて形についてのそこまでの感想は出てこない。じっくりと形について模索したり、想像したりしている皆に対して、一歩俯瞰してその様子を観察すると、僕と違って、とてもピュアな形でのインプットになっていて、良いなと思った。

もう一つは嗅覚であった。ゴムの匂いがするとか、ある人は、そのボールがタバコ臭いと言っていた。そのボールを触った人の中でタバコを吸った人がいるようだと推測していた(しかもその通り、タバコを吸った人がいた)。自分たちには気づかないその嗅覚に、さすがだなと思った。ボールの匂いを改めて考えることはないので、その視点が新鮮であった。

 パスを一緒にしたのだが、言語化して、わかりやすいように伝えるにはどうしたら良いか考えながらパスをすると、結果的に動き一つ一つを考えながら行うことになるので面白かった。考える癖をつけるにも良いかもしれない。

車いすラグビー体験では、タックルの音に対して、雷みたいと捉える人もいた。自分たちはぶつかる瞬間が予測できるから、タックルと認識する。その情報がない人は、急にガツン!!と音がすると雷に聞こえるようだった。面白い!!最初は怖い!!と言っていた皆もなんだか面白そうと感じたらしくて、次々とタックル体験をやるようになった。終いにはどんどんぶつかってハマっている姿を見て嬉しくなった。

 先生の話によると、ここまで積極的にやるのは珍しいと言っていた。また僕が関西弁を話していたら、数名の生徒も真似をしてくれた。声による寄り添いが生まれた。とっても居心地が良い時間になった。全盲だろうが、部分的に見えるだろうが関係なく、皆でパスをしたり、車いすラグビーに乗ってタックルしたりと楽しい時間になった。

次に訪れたのは、昔走っていたバスの復元セレモニー。
1978年に運行をやめてからずっと動いていなかったのだが、部品などもほぼ変えて復元させた。なんとも言えない曲線や、リベットやガラスの形など今では見られないデザインになっていて、新鮮であった。通常のバスより大きかったので、迫力もあった。日本でもここにしかないものになるので、観光の一つの目玉にもなりうるので今後が楽しみである。

その次には、谷口農場に行ってきた。元々は富山に住んでいたが、1900年に入植。そこから開拓して、1980年代から農家をスタートさせた。
主に、トマト、お米、とうきび、豆類を作っている。創業から5年後には加工工場を作って、早くから6次産業化に取り組んできた。その点に関して聞いてみると、生産から加工までを一気通貫でやろうと戦略的にやってきたわけではない。『一生懸命色々なことに取り組んできた結果がそうなっただけです』という言葉が印象に残っている。トマトの生産で、形が悪いときや、一部が潰れているようなものはジュースにして飲んでもらう。せっかく作ったものを大事にするという考えで加工工場ができ、生産現場を見てもらいたいということでもぎ取りをやっている。最初からきれいな絵を描けたわけではない中で、今日まで成長してきた。ここからはようやく形もある程度整ってきた!というわけである。

あとは、ジュース筆頭に加工品を作ると年間楽しんでもらうことができるということも一つのポイントのようだった。収益的には、生鮮食品の方が売れる。でも、長期的にみるとトマトファンを増やしたいということも考えていて、経営判断は面白いなと勉強になった。若い人たちも働きながら、ECやOEMなども取り入れて多角的に経営されていて、チーム作りや戦略の面でも学びがあった。

あとは、土に対する拘りも感銘を受けた。栄養をあげすぎると、糖尿病のようなものになってしまう。健康的な土を作る必要がある。

あとは、ある程度のスペースが必要というのも新たな視点であった。スペースがあることで夏は、熱が溜まらないので温度が上がりすぎない。ということであった。余白とか、余裕の必要性を一般的にも言われるが、土も一緒と実感した。自分の人生においても、もう少し余白を持って、なんもしない時間も必要だあと再認識することができた。

帰り際に売店によって、ミニトマトを見ていたら、ヘタが絡まっている方が美味しいんですと教えてもらった。自分としては逆のイメージだったので、こちらも勉強になった。あとは、世の中の生鮮品が糖度という指標に捉われすぎているのではなく、そのものの味を楽しんで欲しいということも別の機会で言われていたようだった。ついついスーパーに行くと糖度を見てしまうが、その価値観だけではない、違う視点も今後は大事にしていきたいなと思いました。ありがとうございました!

その夜は、パラスポーツ体験によって、social skill をつけていくことに取り組んでいる人たちに会ってきました。ボッチャ、シットスキー、陸上などさまざまなスポーツにシーズンごとに取り組んで、その活動に大人も携わって、子供を中心にコミュニティができていました。自分のできる範囲で想いをもって取り組む。皆で支え合う。優しくて、暖かい雰囲気がそこにはあって、とても良いなと感じました。ロールモデルとして他の地域でもできたら良いな!!

そして、2日目は、屯田兵の歴史を学んだ。北海道の開拓のために全国各地から入植。
最初はお互いの言葉も通じない中で、交流を深めていったようだ。午前中は訓練、午後に農業に取り組むといったハードワーカーでもあった。木を開拓するのは、雪が積もっている冬に実施したというのも知らなかった。夏は生い茂り過ぎているので難しかったようだ。先代や先先代が開拓してくれたお陰で自分は今この場所に住めている、商売ができるということに誇りを持っている人たちが北海道には多いように感じる。また色々な地域の人たちが融合してきたということでDiversity&Inclusionという観点からも学ぶことは多いように感じた。

その後には、旭山動物園へ。
この動物園は、ペンギンやホッキョクグマの存在や動物園としてのあり方が動物のことを尊重しているという観点から人気がある。その理由が知りたいなと思って訪問した。もう一つの観点としては、我々のメンバーの一人に車いすユーザーである三阪ヒロがいたので、バリアフリーとかユニバーサルの観点からも見てみることにした。

館内に入ってみると、かなりの坂が並んでいた。これは大変かも、、、と素直に感じた。
そんな想いを持って、ペンギン館に入っていった。
するとたくさんの素晴らしい仕掛けがあった。車いすユーザーの人たちに向けたスペースが至る所にあった。導線上に、他のお客さんとの接点がないような場所かつ、車いすユーザーの人たちの目線がちょうど動物を見るに適した場所になっていた。おーー!!!と思わず声が出た。
その横には、触感を確かめるような工夫もされていた。また、館内にエレベーターがあり、それを使うと自然と坂を登るのと同じことになっていた。動物に対して、下からも上からも横からも見られるような仕掛けになっていることも面白かった。また、至る所に小さなステップのようなものがあり、子どもたちも少し遠目から見られる、大人でも前が混雑している時は、そのステップから見るときれいに動物を見ることができた。あらゆる状況の人が楽しめる仕掛けになっていることに感動した。
そしてペンギン館を出たら、そのまま次の館に、坂を登ることなく、入っていけるようになっていた。自然の流れで皆と普通に楽しめる工夫になっていて、とても有難いなと感じた。
こういう考え方が当たり前になっていく。そんな世の中になっていく。そのために自分自身もできることからやっていこうと改めて思うことができた。

旭山動物園を出て、旭川ラーメンを食べて、いよいよ子どもたちとの車いすラグビー、タグラグビー体験セッションをしてきました。
旭川での体験は、地元のチームがあるので、車いすが10台以上あるので、ガチの試合ができるので、とても楽しみだった。僕のパートはタグラグビー。皆で対話をしながら、チーム名を決めたり、作戦会議をしたりして、チーム作りにもフォーカスしながらやりました。そしていよいよ最後は、車いすに乗っての試合を体験。車いすを動かしながら、ボールを見ながら、相手を見ながら、本当は時間を見ながらプレーしないといけないので、高度なスポーツといえる。だからこそ、今回も面白かった。ヒロとも久々に試合ができて良い経験になりました。子どもたちも皆喜んでくれました。また保護者や関係者の皆さんにも喜んでもらえたので、素晴らしいツアーになりました。サポート頂いた只石さん筆頭に皆さんありがとうございました!!

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