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2019年映画ランキング

<はじめに>

毎年大晦日に映画のランキングを勝手に発表するようになって今年で7年目ですが、例年60~70本程度の新作を鑑賞していましたが...
今年5月に子どもが生まれたため、今年は31本しか観ていません。なのでいつもはベスト10を作るんですが、今年はベスト3とそれ以外って感じでふり返っていきます。(ちなみに去年はこんな感じ↓)

<2019年 映画ランキング(スクリーンで観た作品のみ>

【ベスト3】
① バーニング 劇場版
② スパイダーマン:スパイダーバース
③ 愛がなんだ

【☆×5】
・ジョーカー
・バイス
・女王陛下のお気に入り
・ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド
・トイ・ストーリー4
・ファースト・マン
・バンブルビー

【☆×4】
・Mary Queen of Scots(邦題:ふたりの女王 メアリーとエリザベス)
・アリー/スター誕生
・ブラック・クランズマン
・サスペリア
・魂のゆくえ
・名探偵コナン 紺青の拳
・アクアマン
・グリーンブック
・コードギアス 復活のルルーシュ
・ビューティフル・ボーイ
・メリー・ポピンズ リターンズ
・運び屋
・ミスター・ガラス
・クリード/炎の宿敵
・キャプテン・マーベル
・スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け
・アベンジャーズ/エンドゲーム
・天気の子
・ビール・ストリートの恋人たち
・十二人の死にたい子どもたち
【☆×3】
・マスカレード・ホテル


<ベスト3および推したい作品>

まず1位の韓国映画『バーニング 劇場版』ですが...
正直ここ10年観た映画の中でダントツの1番です。
それぐらい刺さったし、圧倒されたし、客観的に見ても大傑作でしょう。
映画を観た直後にいてもたってもいられなくなって、村上春樹の原作小説を探しに福岡の街の書店を駆け回りました。やっと見つけて読んでさらに驚ろきました。

 原作は短編で短い上に抽象的過ぎて全然意味わからん。けど、原作が持つ不穏な空気感と絶望感みたいなのが完璧に映像化されているんです。
 もちろん時代や国はもちろん、主人公が何もしないのに女にモテるという設定が180度裏返しになってはいるのですが、個人的にはクローネンバーグの『裸のランチ』レベルで実写化が困難な小説の映画化に成功していると思います。この感想はいずれ必ず書きたいと思っています。


非常に重層的がゆえに多様な解釈のできる作品ですが、
「自分の人生は自分で選べ!手に入れたいものがあるなら行動しろ!」
という物語だと捉えています。
「悟り世代」なんて言葉もありますが、知ったふりして何かを諦めるのが当たり前になってたら、お前の人生何も残んないよという感じでしょうか。本当に未見の方には是非喰らって欲しいなと思います。

 2位のスパイダーバースは、映像が凄いのは勿論のことですが、僕はここに到達したのがスパイダーマンだということが単純に嬉しくてたまりませんでした。「スパイダーマン3」とか「アメイジングスパイダーマン2」とか、あの時に味わった悲しみとか無念が昇華されたといってもいい。

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 そもそも毎回成功し続けるシリーズなんてものはないわけで、失敗しても何かを作り続けることこそがブレイクスルーに繋がる。それをSONYはスパイダーバースで身を以て示したと思います。
『ロッキー ザ・ファイナル』を観た時に、「4とか5で激怒しちゃったけど、それも必要なことだったんだ」と思いながら号泣した感じに近いです。(スター・ウォーズのシークエルもいつかそうなる日が来ると信じて笑)
 僕は割とエンドゲームに関しては不満の方が多く、パラレルワールドという設定と映画のテーマが有機的に絡みあっている点でも、やはりスパイダーバースの方が映画として数段上だと思っています。なにより音楽がカッコよくてサントラも買いました。



 3位の『愛がなんだ』についてはすでに感想を書きましたので、詳しくはそちらを。もうこれも実質1位みたいなもんです。

 次点は『ジョーカー』や『バイス』、それに『女王陛下のお気に入り』あたりですが、個人的に特に推したいのは『バンブルビー』です。
「まぁそれなりに良いよね」的な評価だけど、僕はこういう青春映画が大好きだし、音楽の選曲も良いし、やっぱりヘイリー・スタインフェルドの主役力が素晴らしいというか。ヒロインの魅力だけでグイグイ引き込まれていく映画でした。ちなみに僕はトランスフォーマーシリーズはぜんぜん好きではないけど、それでもメッチャ楽しめたので全く予習せずに観れるということをお約束します。

  あとはシアーシャ・ローナンがメアリー・スチュアートを演じた『Mary Queen of Scots』も期待以上に面白かった作品です。
しかしこの映画ヒドいのが邦題!
「ふたりの女王 メアリーとエリザベス」ってことで、マーゴット・ロビー演じるエリザベス女王とW主演みたいな宣伝をしてるんですが...
実際は主演と助演くらい役割が違います。原題の通り、基本はメアリー・スチュアートの生涯を描いたものです。これを観るだけでスコットランドとイギリスの今日に至るまでの複雑な関係が理解できますし、なによりフェミニズムの観点で彼女の悲劇を捉えたことで、今観る価値がある作品になっていると思います。

<HIROSCARS(私的各賞)>

・主演男優賞 ライアン・ゴスリング(ファースト・マン)
・主演女優賞 レディ・ガガ(アリー/スター誕生)
・助演男優賞 スティーヴン・ユアン(バーニング 劇場版)
・主演女優賞 レイチェル・ワイズ(女王陛下のお気に入り)
・新人賞   新木優子(トイ・ストーリー4のギャビー・ギャビー吹替)
・監督賞   今泉力哉(愛がなんだ)
・最悪役賞  今年は該当なし
・フォトジェニック賞 チョン・ジョンソ(バーニング 劇場版)
・最優秀ファンムービー  コードギアス 復活のルルーシュ
・最優秀サウンドトラック スパイダーマン:スパイダーバース

 ホアキン・フェニックスも相当凄かったが、『ファースト・マン』のライアン・ゴスリングの抑制された狂気の表現に脱帽。まさかレディ・ガガの乙女な演技に魅了されるとは思わなかった。エマ・ストーンがいつものようにファニーフェイスを目一杯動かし、オリヴィア・コールマンがそれを上回るモンスターぶりを発揮する中で、その間に立ってバランス感覚を取り続けていたレイチェル・ワイズがいたからこそ『女王陛下のお気にり』は成立していると思う。
 それから『トイ・ストーリー4』での新木優子の演技はとても良かった。彼女の生身の演技を観たことはないけど、キャラクターの理解度やアウトプット能力の高さは本当にすごいと思う。
 『スカイウォーカーの夜明け』も『エンドゲーム』も結局、一見さんお断りのファンムービーだが、圧倒的にパイが大きいから成立している。それでいうと『復活のルルーシュ』は、決して大きな話題にはならなかったけど、
映画館全体が「待ってました!」って感じでワクワクに包まれていて、終わった瞬間にみんながあーでもないこーでもないと話し出す感じが、たまらなく幸せだった。

<その他今年評論した映画>

・ファースト・マン

・天気の子

・トイ・ストーリー4

・ジョーカー

・魂のゆくえ

<おわりに>

前述したように今年は映画をそれほど観ていないし、
今後何年かは劇場への足が遠のくだろうと思います。
したがって今更ですが(本当に今更)Netflixへの加入を検討しています。
これまで僕は映画は映画館で観てナンボ。
DVDやテレビで観ることを否定するつもりはないけど、
それはあくまで「映画風」であって、映画に非らず。
とペドロ・アルモドバルばりに古風な考えを持っていました。

 というのは言い過ぎで、実際はHuluやamazon primeには加入しており、
特に海外ドラマやゴジラシリーズ、男はつらいよシリーズなどを観る際に重宝してたのですが、やたら滅多らサブスクに加入するのには抵抗があったのです。
 ただ、今年だけでもNetflixはROMAやアイリッシュマン、マリッジストーリー、さらには全裸監督と話題作を連発しており、それを全部取りこぼしてるのはどうなのかと。
 もっとも全部に加入するだけの経済的余裕はないので、Huluを解約しました。HBOドラマが充実している&日テレ系番組の配信が多いことがウリのHuluですが、最近はamazon primeもHBO作品が増えているし、別に日テレの番組を観ることもそこまでないし。
 なので2020年はNetflix作品やamazon prime作品の感想が中心になる気がします。ストレンジャー・シングスとかずっと観たいと思っていたので、今から楽しみにしています。

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