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「オーダー車だから良く走る自転車とは限らないんだよ。」というお話(8)

今回と次回、二回に分けて、ヒロセ車における、ラグ有りとラグ無しの違いは何か? 関連してホリゾンタルフレームとスローピングフレームに対する廣瀬さんの考察をご紹介します。

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カットモデルは物語る 6 「ラグとラグレス ホリゾンタルとスローピング(前編)」

「ラグ有りとラグ無し。どちらを選ぶのが良いのでしょう?」
まだ出会って間も無いころ、廣瀬さんに尋ねたことがあります。

廣瀬さんの答えは「普通の車種なら何でも大丈夫。」というものでした。

「うちは両方ともメニューに載せているんだから、どちらでも大丈夫じゃなきゃおかしいでしょ? 製法自体に優劣は無い。だから、どちらを選ばれてもあなた好みの味に料理いたしますよ。」 
当時の私はこんな風に廣瀬さんの言葉を理解していました。

鰻(ラグあり)を頂きたくなったら、お寿司(ラグレス)屋さんでは無く、鰻屋さんを探すべき。中でも、自分好みの味を提供して下さる鰻屋さんを探す。見極めるのは自分の鼻と舌。そして、どうやら「料亭廣瀬」は両方美味いらしい。私はラッキーだったね、と。

しかし、どうやらそれほど単純な話では無かったようです。

そもそも、何で、クロモリのフレームにはラグ有りとラグ無しとがあるのでしょう?
廣瀬さんから伺った興味深い考察から話を始めてみたいと思います。

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