「天気の子」と「バーニラバニラ」と「家出をしてキャバクラと風俗で働くこと」について。


いまから15年前。20代中旬に地方から家出をして東京に来て、カプセルホテルに泊まってコンビニでフロムAを購入して(当時はスマホがないからバイト探しは紙のフロムA)、住み込みでキャバクラのボーイを約1年やりました。

1年間こつこつと貯金をして100万円ためて引っ越して(当時は敷金礼金が2か月分ずつで引っ越し代は高かった)、つきあっていたキャバ嬢の彼女と二人暮らしをした。

僕はキャバクラを辞めて半年ぐらい無職でずっと彼女と二人きりで、初めて誰かと生活することに、彼女の手料理を食べることに、夕方彼女を見送ることに、なんでもない時間がただ過ぎていくことに、安心していたし楽しかったし、いま思えばぜんぜん幸せだった。だから感謝している。

僕は僕を拾ってくれたキャバクラに感謝しているし、スタッフに感謝しているし、夜の街に感謝しているし、夜の街で出会った人たちに感謝しているし、ほんとうに感謝している。


だから映画のなかで夜の世界のことをあまり悪く描かないでほしい。


それは、僕や当時の彼女みたいに、行く場所がない人たちが逃げ込める世界を狭めてしまうからだ。

夜の世界を怖い場所として描くと、それを見た10代、20代の若者は、家出をした後でどこに向かえばいいのだろう。どこに住んで、何をしてお金を稼げばいいのだろう。家出をしても行く場所がないなんて、それはきっと地獄だ。

僕は、万が一でもこれを見ている家出準備者がいたら言いたくてこれを書いているのかもしれない。当時の僕や彼女みたいな人にむけて。

東京で住み込み(寮完備)で働ける仕事はたくさんあるし、キャバクラだったり風俗だったり業種はいろいろあるけど、スタッフはそんなに悪い人たちじゃないし、面接の段階で身分証明書をしっかりと確認する(未成年じゃないと確認する)店であれば、大丈夫。

あの映画みたいに年齢を確認せずに腕引っ張って連れていくなんて、あれは犯罪だから(犯罪者はどんな職種にも存在するので、ないとはいえないけど)。


僕は働くまで一度もキャバクラにも風俗にも行ったことがなかったけど、TVのなかでは見てたから、なんとか勤まったよ。

世界が嫌で家出をしたいのなら、受け入れてくれる場所はきっとある。
18歳以上なら夜の街があるし、18歳未満なら市役所に駆け込むのがいいんだと思う。(ごめんね18歳未満は夜の街でも受け入れてくれないので)

家出なんて、しないならしないにこしたことはないけれど、家出できる、と思うだけでも楽になれると思う。いまいる世界が苦しかったら、逃げ出してもなんとかなると、僕や彼女みたいな人たちに言いたくてこのnoteを書きました。



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