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「佐渡にはあなたが必要」 島留学と教育コンソーシアム

佐渡市では昨年度に島留学の生徒募集等の予算化がされ、今年度は羽茂高校に島外から2名を迎え、正式に始まりました。
全国で島留学、地方留学をサポートしている「地域みらい留学制度」を活用して進めています。
佐渡で島留学を始めたのは、少子化によって佐渡の高校を維持する事が難しくなった事により、全国各所で実施されている「地域みらい留学」を参考に、令和4年度から募集開始、今年、令和5年度から生徒受け入れする事となりました。

「地域みらい留学」は一般財団法人地域・教育魅力化プラットフォームという、地域探究活動を中心に高校の魅力化事業に取り組んだ島根県立隠岐島前高校での成功を全国に横展開している活動です。

地域みらい留学


合併前の羽茂町時代の昭和61年から佐渡市合併後の平成26年度の28年間、素浜にあるカルトピアセンターに「羽茂自然学園」が設置され、全国の小中学生を受け入れる海浜留学が行われていました。それから約10年の時を経て、寮や地域の方が作る食事も用意し、島留学がスタートしました。

その様子はサドテレビでも放送され、順風満帆のように思われましたが、令和4年度決算で島留学の審査を行なった所、地元議員からうまくいっていないという声があがりました。
私もその生徒を全く知らない訳ではないですし、又聞きですが、その生徒の状況を聞くことがありましたが、地元議員が言っている事と同じ状況でした。

以前に住んでいた環境に合わない子ども達が親元を離れ、簡単に佐渡の生活に馴染む訳ではありません。そして、地元の方に食事や生活の世話をするだけの受け入れ体制だけでは不十分だったのです。

そこで、担当委員会にて
「高校の生徒不足を補う事が島留学ではなく、今まで住んでいた所には無かった、その生徒の居場所を佐渡で作ったあげるのが島留学だ」
「中学や高校を卒業したら、佐渡から出ていきたいと思っている子どもはたくさんいる。島留学で来た生徒が佐渡での居場所を作ってあげる事ができれば、佐渡の子ども達も佐渡に留まってくれたり、Uターンする若者が増えるのではないか」
「その体制を佐渡教育コンソーシアムが担うべき」
と発言しました。

というのも、私が33歳の頃、まだ佐渡市教育委員会でもキャリア教育という言葉が使われておらず、一般的ではなかった頃からずっとキャリア教育にたずさわっており、現在は活動をしていませんが、官民協働で行なっていた佐渡キャリア教育ネットワークという団体にも立ち上げから関わり、佐渡市教育委員会の課題解決型職場体験でキャリア教育で文部科学大臣表彰を受賞、佐渡中等教育学校で宮崎芳史先生(現、新潟南高校教諭、新潟マイプロジェクトラボ実行委員長)が行なっていた「佐渡を豊かにする中等生PROJECT」にも関わり、グッドデザイン賞、ふるさとづくり大賞の総務大臣賞、田舎力甲子園の最優秀賞などを受賞しました。
私が佐渡に戻ってきたのは、高校を卒業して佐渡を出るまで地域の大人と関わり、キャリア教育を受けてきたからだと思っているので、私と同じ経験を佐渡に住む子ども達にもさせてあげたいという想いから、このような発言になっているのです。

ですので、私は佐渡教育コンソーシアムで、佐渡の事と佐渡に住む大人を知り、自らの想いを形にし、「佐渡でもできる。佐渡だからできる」という実感を得られる地域探究活動を行なうべきと提案し続けておりましたが、佐渡の地域探究活動(マイプロジェクト)はコロナが始まった事と佐渡中等で地域探究活動を行なっていた宮崎先生が他校へ異動した事で下火になり、今年に入り、佐渡市としてはほとんど活動していない状況でした。

若者のボランティア活動参加を支援する日本青年奉仕協会から、羽茂自然学校に派遣された方の当時の声がネット上に残っていました。

https://nippon.zaidan.info/seikabutsu/1997/00216/contents/006.htm

これは羽茂自然学園の生徒ではなく、支援員が書いたのですが、これを読むと「子ども達にこのような体験をさせてあげたい」と思える内容でした。
羽茂自然学園の頃は小中学生ですし、現在実施している島留学は高校生ですので、まったく同じカリキュラムという訳にはいきませんし、男女の支援員と派遣された若者がいる環境を作るのは簡単な事ではありませんが、本来なら、このような体験を予算も人も時間もかけて、島外から来た児童・生徒は勿論のこと、佐渡の児童・生徒にも経験させてあげるべきなのです。
そして、これを佐渡教育コンソーシアムが担わなければならなかったのです。

他の地域留学では、不登校の児童・生徒を受け入れるためのプログラムが用意されていたり、一人ひとりの生徒に合った対応がなされています。地域を挙げて学校の活動を支援し、子どもたちを温かく見守れるかどうかがカギとなるのです。
人を育てる。ましてや育った環境には合わなかった子ども達が島留学で佐渡に来るのですから、受け入れる側も生半可な覚悟と体制では失敗するのは明らかですし、それでは島留学で来た子ども達が可哀そうです。

先ほどの発言から、担当課としても「島留学と佐渡教育コンソーシアムの目的を改めて考える」との事。
来年度から良い方向に進むことを期待していますし、それが必ず、佐渡の子ども達にも良い影響を与えると信じています。

※佐渡市では松ヶ崎小中学校、内海府小中学校でも島留学が行われています。
 両地区では地元の方々の全面バックアップが行われており、途中で戻る子もいるようですが、概ねうまく進んでいるようです。
 また、沢根地区では保育園留学も受け入れています。


 松ヶ崎留学
https://matsugasaki-ryugaku.com/
 佐渡キャリア教育ネットワークで一緒に活動していた仲間が中心となって立ち上げられました。

 内海府留学
 https://sado-kaifu9.com/ryugaku/

 保育園留学(沢根地区)
 https://hoikuen-ryugaku.com/niigata/sado

最後に、、、「人づくりこそ国づくり」「教育は国の礎」だと思っています。
学校の先生を含む、地域の大人が時間をかけ、想いを込めて次の世代と関わる。
それこそが教育であると思っています。
しかし、世知辛い世の中となり30年。教育にかける時間もお金も、そして想いも少ない中、教育が行われています。
日本は破綻する。と教育予算を削り、学校の先生を削減した結果、本当は島留学に人もお金も予算もかけたい所ですが、最低限の予算しか確保できず、うまくいかない。
長年の緊縮財政により、特に地方にはお金も人材も不足しています。
消費税廃止、地方交付税の増額で地方経済が少しずつ回復し、人材も集まり、教育にもお金が掛けられるようになります。
なので、私は佐渡のためになると考え、「積極財政を推進する地方議員連盟」を立ち上げました。
皆さまのお力を貸して下さい!

【追記】
この記事を書く前にこのキーワードを書こうと思っていたのですが、抜けてリおりました😅
この事業を行うにあたり、佐渡に来た子ども達をどうしたいのか、どうなって貰いたいのか、佐渡に来て、何を感じて貰いたいのか、という「哲学」や「ストーリー」が必要なのですが、それが感じられないのです。
「うまくやろう」としているのは感じるのですが、目の前に島外から来た子どもがいれば、心の奥底にある「どうにかしてあげたい!」という感情が湧き出てくると思います。その感情を政策に落とし込む事が必要なのだと思います。
私は正直、勉強もそんなに出来なかったですし、運動も人並みよりも少し下、内気で人見知りなので、コミュ力も低い。
こういう私ですが、何か問題が起こったら、その問題を解決するには何が必要で、出来るのだろうと考え、全体像をイメージし、少しでも前に進められるものは何か?と行動してきたことの積み重ねが今の私を作ったと思っていますし、その中で「哲学や課題を解決するまでのスーリーを考える重要性」が実感できたのだと思っています。
職員ひとり一人の、あなたの想いを形にする事から始めて欲しいと思います。

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