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【書評?】炎罪

炎罪 鏑木蓮著 講談社

はじめに

これは書評ではなく、あくまで書評? です。書評というほど詳しく読み込めていないと思うので、かなりの主観を含みます。ですので、ただの感想文としてお楽しみいただければ幸いです。

あらすじ

京都市内にある精神科クリニック兼自宅が全焼し、精神科医山之内一蔵が焼死体として発見され、妻和代とは連絡が取れなくなった。警察はクリニックの患者で医師とトラブルのあった長門に疑いを向けるも決め手に欠け、さらには自殺説、行方不明の妻犯人説など様々な推理が飛び交い捜査が難航した。下京署の片岡真子は医師周辺のある事故に目を向け思わぬ推理を展開する……。

感想

どうやらシリーズ物の二作目だったらしいことが読んでいる途中でわかるという哀しさです。とはいえ、単独でも楽しめる作品でしたのでご紹介します。

普段ミステリーはよく読むのですが、刑事が主人公というものはあまり読まないので普段とは違った感覚で楽しめました。

個人的には主人公の話す京言葉に馴染めず、読み進めずらかったというのが正直なところですが、ストーリーはとても面白いです。医師が焼死、その妻が失踪、塾講師のような仕事をしている男性、長門、そして長門の娘など、語るべきところはたくさんあるのですが、長門の娘に関して語りましょう。

長門の娘は貧困家庭に育つ、苦労している16歳。バイトを掛け持ちし、母の面倒を見ながら勉強に励むその姿はとても痛々しく描かれています。長門と母親は離婚しており、娘は長門が警察署に同行を求められ任意尋問を受けるまでしばらくあっておらず、疎遠でした。

長門が逮捕されたタイミングでは彼女の母親は入院しており、講師である日向が親身になって彼女の面倒を見ます。この日向にも隠された秘密があり、それも面白かったですね。

あまり語り過ぎるとネタバレしそうなので、難しいですが、この物語には自殺反対論者と自殺志願者が登場し、それが絡み合い事件の真相に近づいていきます。

熱血というか、勘の鋭い刑事片岡真子は愛すべきキャラクターで、とてもテンポよくストーリ―も進んでいきますのでお勧めです。

おしまいに

久々に刑事モノというのでしょうか、を読みましたが面白かったです。京言葉を話す主人公というのも面白いなと思いましたし、事件のトリックや犯行理由も興味深く後半からのテンポ感がとてもよかったです。

刑事ミステリーがお好きな方はぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

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