見出し画像

「悪名も名なり」の終焉/「スキしてみて」の時代

佐藤です。みんな判で押したように、「愛の反対は無関心」って言いがちですけど(愛のことなんて真剣に考えたことないのに)、
これと似た格言?に、「悪名も名なり」とか「悪名は無名に勝る」があります。出典がよく分からないですけど、言わんとすることは分かります。まったく認識されていないよりは、マイナス評価にせよ、認知されているほうが、知名度において有利だと。

「悪名も名なり」をネット上で実現するのが、「炎上商法」などの炎上をつかった売名行為です。悪いこと、批判やひんしゅくを招いて、それによって認知されようという。
ところが、「ネットで、他人や商品を批判するのは、いかがなものか??」というのが現在の主流。クリーンな意見か、無味乾燥な意見しか、ネットに書き込んではいけない、という方向に向かっています。炎上行為はお呼びでないし、炎上に参加するひとも低調です。

最近は、「酷評しているが、的を射た意見」「否定を含むが、建設的な代替案がある」が、ノーサンキューになりました。
総花的な絶賛しか受け付けませーん、というのも、ちょっと気持ちが悪いかも知れません。この世界には、酷評や否定は必要。しかし、酷評や否定を、あえてネット経由で読みたいか??となると、もう読みたくないよ!!というのが時代の答えです。ぼくも同じ気持ちです。

批判や否定って、信頼関係ができている同士でもむずかしい。親子や上司部下、先生と生徒など、あきらかに上下関係があるときですら、上のものが下のものを批判・否定するのって、慎重にやらねばならない。

ユーザーを確保したいSNSなどの運営者は、「酷評や否定をするひとは黙ってくださいね!!」と呼び掛けることになり、それが仕様に反映されていきます。「バン(発信禁止)」が、数年前に吹き荒れました。ネット世界は、ますますクリーンになるでしょう。

もともとInstagramの仕様でしたが、Twitterでも、ダブルタップで「いいね」が付くようになりました。酷評や否定を追放するかわりに、応援や「いいね」をしやすくする方向に、舵が切られてます。

ユーザーも倫理基準を「内面化」するので、攻撃・批判・否定をネット上ではしなくなります。飲食店やホテル、商品などの「レビュー」も、基本的にあの手この手で褒めまくるだけ。
これまでネットに、無軌道な自由?や、客観性?、信頼性?を求めすぎてきた反動だと思うんですけど……。ネットって、しょせんは情報通信の道具です。道具の適性にかなった、いい流れだと思います。

ぼくは2000ゼロ年代から情報発信しているので、ネット=叩かれるもの、というなかで、辛抱してきました。「叩く」「晒す」も、そろそろ「インターネット老人会」の話題入りかも??

なんでこんな話をしているか。

ぼくは三国志が好きなので、三国志に関する情報は、いちおうは集めているつもりなんですよ。しかし、2019年に公開された映画『新解釈・三国志』(大泉洋さん主演)について、感想を書いているひとを、まったく見なかったんです。同好の人たちのなかで。製作決定!のニュースとか、主題歌発表!ぐらいまでは、話題になっていたんです。公開された途端、まるで箝口令が布かれたのか?というレベルで、消滅。

2021年12月に発売された、NintendoのSwitchや、プレステ4の『真・三國無双8 Empires』というゲームは、発売に気づかなかった。だって、だれも言及していないから。口を開けば、悪口になってしまう。これが明白なとき、みんな一斉に黙るんですね。
ぼくは、心の片隅で発売を心待ちにしていたんですけど、「あ、発売いつだっけ?延期、延期になっているのか?」と思って検索したら、発売されて2ヵ月が経過していました。

数年に1回しか発売されないシリーズを、わずか2ヵ月遅れで検索「できた」時点で、けっこう熱心なファンだと証明できるんですけど(皮肉じゃないです)、みごとに同好の士から黙殺されてました。

5年前ならば、三国志「界隈」で酷評が吹き荒れたと思うんです。しかし、ネット世界の倫理が移り変わったので、みごとに無視!!が正しいマナーになりました。
幸いなことに、映画『新解釈・三国志』も『真・三國無双8 Empires』見ていないので、ぼくは話題にできました。皮肉なことに。
どちらも、もうちょい自分の勉強が忙しくなければ、映画なら公開当日、ゲームならば発売前日にお金を払って、消費していた話題作でした。が見ていないので、自信をもってノーコメントです。

というわけで、このタグ、初めて使いますけど……、この記事がおもしろかった、ためになったという方は、「スキ」してみてください(笑)

この記事が参加している募集

スキしてみて

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?