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【悩む】三国志の仕事(趣味の副業)の受注方針

佐藤ひろおです。早稲田の大学院生(三国志の研究)と、週4勤務の正社員(メーカー系の経理職)を兼ねています。

会社にバレバレで副業を始めた

ぼくは三国志について調べ物をして、インターネット上に意見を書き散らかすという趣味を持っていました。この趣味をもっと極めたい(学問に接続したい)と思って、会社を休職して早稲田大学の大学院に入学しました。

大学院に入る前も、三国志ファンのイベント(有料)で講演をしたり、個人で本を印刷して販売したりと、趣味を現金化していたので、「副業」になっていたのだと思います。

「終身雇用が崩壊し、人生百年時代だ。よし副業をやるぞ!」と意気込んだのではなく、やりたい表現、やりたいアウトプットをしたら、知らぬ間にお金になっていた、というのが実際の感覚に近いです。ですから、事前に会社にお伺いするのも忘れていました。"上長のご承認" が必要な、新しい取り組みをする!!という意識がなかったんです。
うっかりしていました。
悪いことをしているという感覚もないので、「社内報」での従業員の自己紹介やインタビューなどで、販売活動に言及していました。ウカツ。

ぼくが本を売り始めた数年後、勤務先の会社で「副業の規程をどうするか」という会議が、経営層や人事で行われたそうです。社長が、「あいつ(佐藤)はもうやってるじゃん」と言って、笑いのネタになったそうです。
※これは伝聞情報なので真相は分かりません。

副業では会社よりも交渉力が弱い

会社員の副業としては、順調なスタートだったでしょう。やがて大学院に入学するという決断をし、日々学び、さまざまな三国志のお仕事に関する発注や打診を受けることが増えてきました。

自分発信の従来の「副業」と異なり、発注者が存在します。社会のロジックに巻き込まれます。どこか特定の会社が対応が悪かった、ひどいぞ、というわけではないですが、マスコミ系はトラブルが多い印象です。

先方の意思決定が定まらない(だれがいつ何を決めてくれるのか、複数の会社が関与するので意思決定が遅れる、受発注の構造が複雑すぎて責任者がいない、先方の会社内での意思疎通をミスる)、ぼくに期待される役割が不明確である、スケジュール管理が粗雑だ(土壇場キャンセルからの土壇場リスタート、土壇場での延期)、報酬が折り合わない(単価が安すぎて時間と労力を割けない、顔が引きつる)などなど。
内容を詰めていくと「告白されてフラれる」ことが多いです。

ぼくも会社員の端くれ。ビジネスでトラブルが多いのは分かります。意思決定やスケジュール管理は複雑怪奇。予算は経済的合理性では決まらない。組織間で牽制機能を働かせていたら、すべての案件がつぶれちゃった。担当者は仕事が忙しすぎて精神的に摩滅しているので、個別の事案に構っていられない……などなど。
しかし、見方を変えれば、そういう「粗雑な発注」しか来ないぼくが悪いんです。まだまだ市場価値が低い。

ぼくは三国志において、ネームバリューがない「新人芸人」です。お笑い芸人の養成学校?に在籍し、受賞歴があるわけでもない有象無象です。万が一、舞台やイベントに立たせてもらえるならば、そのことに感謝すべき「交渉力の低い」立場におります。
念のため声を掛けとけ、という穴埋めや予備に使われる(のかも)。

ぼくはお笑い芸人を目指したことはありませんが、優先順位の低い芸人さんや劇団員は、プライベートの予定をキャンセルし、アルバイトも断り、全力で台本や企画書を読み込んで待機し、緊張して眠れぬ夜を過ごしたけれども、やっぱり出番がなかった。ごめんねの一言で片付けられる。その程度の「若手芸人」なんです。

ぼくの一般的な市場評価としてそうだろう、という意味です。個別の案件を指してこういう扱いを受けた、という告発ではありません。それを言うならば、発注者サイドの混乱は無数に経験しており、いちいち記憶にありません。そこは持ちつ持たれつだと思ってます。
状況を憎んで人を憎まず。……私の作った言葉です。?

突然、ワケも分からず連れてこられて、「さあ!おもしろいこと言って下さい!3、2、1、ハイ!」ということが多い。客層はどんな人で、イベントの狙いは何で、ぼくの役割はなんですか?
と確認したいぼくは、頭が固すぎるのでしょう。

三国志の仕事の受注方針

会社員として副業を始め、「好きを仕事にする」というのは、典型的なサクセス・ストーリーです。しかし、その中間の情報がない。えいやー!で会社を辞めました、という場合、
・副業で大成功して生き残った人の武勇伝
・副業で失敗し再就職した無言のシカバネ
この2つしかないので、参考になりません。
ぼくはこの中間に位置していると思います。

ぼくは副業において「売れない若手芸人」であるにも拘わらず、スケジュール管理について要求水準が高いです(高いのかな)。顔出しでイベントや取材、番組に出演するならば、本番の24時間前までには、内容(何をするの?)と時間(何時から始まる?)、何を期待される?(お客さんにどのような情報を与えたり、どう感じてもらったら成功ですか?)を教えてほしいと思っています。
報酬は、準備・待機時間も含め、学生のアルバイトよりは低い時給ではお請けできません。
「売れない若手芸人」ならば、えらく傲慢なのでしょう。すべてに優先して、半日以上前から「待機」し、本番中にはガムシャラに身体を張り、数百円のお小遣いを押し頂いて帰るのがマナーかも知れません。

しかし、かたやぼくは会社員です。
他部署や後輩・部下にあたるひとがザツな説明をすれば、「論点を整理してやり直して下さい」と言いますし、でたらめなスケジュールならば「きちんと調整しましょう」と断ります。
経験15年以上の中堅会社員と、「駆け出しの売れない若手芸人」では、立場(市場価値)が異なります。扱われ方が違うでしょう。区別すべきだと思いますが、言葉どおり「副業」ですから、ひとりの人間(ぼく)のなかで、実際に繋がっています。
「売れない若手芸人」として使い潰され、身心の自由を奪われ、日々の読書も手に付かなくなるぐらいならば、案件をご辞退します、と思ってしまいます。実際にご辞退したことも複数回あります。なぜなら、中堅会社員としてもそれなりに忙しいので、手弁当で無期限に待機はできません。

「本業」がお笑い芸人・劇団員ならば、「シタッパのくせに仕事を選ぶな。お金を払ってでも舞台に立ち続け、下積みをして業界人に顔を売り、大きなチャンスを待て」というお叱りを受けるでしょう。とてもよく分かっています。
ところが、ぼくの場合はお笑い芸人・劇団員ではない。勉強・研究も手に付かなくなるような拘束は受けたくない、というポリシーがあります。スケジュールや内容が不明な状態で、長期間宙づりにされたり、平然と約束を破られると、とてもストレスを感じます。目先の「副業」としての収入はもちろん欲しいですけど、お金ならば会社で稼げばいいので……。
「会社を頼らず、個人の力量(三国志)で稼げたお金ならば、嬉しすぎてプライスレスです。1万円でも100万円の価値を感じます」とはなりません(お金がプライスレスというのが、そもそも形容矛盾ですが)。

結論:市場価値を高めるほうが優先

ぼくの場合、学問に係わる発信を「副業」をしていますが、現在は修士課程2年生なので、学位は「学士」でしかない。学部卒、ということです。大学進学率が50%を超えている時代ですから、ぼくは「日本人の約半分」のうちの1人でしかないです。客観的には。
チャンスは大切にしたいですが、まだまだ学識を高めるためのインプットの期間にあります(年齢は40歳だけど、スタートが遅かったので)。

発注する側が、学者(大学教員など)に断られたときに、穴埋め・予備として声がかかるでしょう。もしスケジュールが折り合うならばお請けしたいと思っています(お声がけを頂けるだけでもも光栄なんですが)。
ただし、積極的に「副業」の仕事を取りにいく(営業、露出を重視する)段階にはないと思っています。きちんと学位を取って、客観的に学識を証明されることを目指すほうが優先でしょう。

副業するにせよ、自分でスケジュールや内容をコントロールできるものを優先する。もしくは、社会的な意義とか、ポリシーに沿った仕事を優先してお請けしていく。※ぼくが社会的に意義があると感じ、優先したい事項は「社会人の学び」というテーマです。

理想としては、会社内と同程度の交渉力(尊重のされ方)を、趣味の世界でも持てるようになったら、「副業」に本格的にシフトする、というのが正解ではないかと思います。
※会社がイヤになって、ふっと辞めてしまうかも知れないが、その場合は資産運用の分で生きていくのでいいです(話が逸れました)。

今年の「出番」を最大化するために、会社をおろそかにしたくないし(お金は会社にもらうほうがレートが良い)、副業(三国志)の原資である勉強・研究の時間やエネルギーが削られないようにする。これが受注方針なのかなと思います。
またすぐに違うことを言い始めるかも知れませんが暫定案です。

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