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実書店の陳列は「新刊と流行」「定番と専門書」を区別してほしい

佐藤ひろおです。会社を休んで三国志を研究しています。

本が好きなので、よく書店(実店舗)に行くのですが、家から徒歩圏で行けるのが、K書店のP店です。
ほかのお店は、どんどんつぶれました。有名書店が、新しいショッピングモールに入り、そこそこ広いので、期待をしていました。

このお店で、あまり「幸せではない」購入体験をしたので、そこから裏返して、ぼくが、実書店の陳列になにを求めていたのか、を書いてみようと思います。こんなことがなければ、なにを求めているのか、言語化するチャンスがなかったので、ラッキーといえばラッキーです。

ぼくの希望は、「新刊と流行」と「定番と専門書」を区別できるように陳列してほしい、です。 #ここが結論

新刊と流行の本について

新刊の「価値」は、とにかく、「さいきん発売された」ということに尽きます。ググれば分かると思いますが、日本で1日に出版される本の点数は、ものすごい数です。
定期的に書店に通うものとしては、前回、来店したときは、そこになかったけれど(だって発売される前なので)、今回から置いてますよ、という本を、見て分かるようにして頂けたら、嬉しいんです。

ランキングに基づく「売れている本」「流行っている本」の陳列も、これと同じです。順位は、刻一刻と変動します。前回、来店したときは、その順位は分からなかったけれど(だって実績が出て集計される前なので)、今回から見ることができる、新しいランキングはこれですよと。

ただし、ものの道理として、新しいからといって、(自分にとって)いい本とは限らないし、最近の短期間で、たくさん売れているからといって、(自分にとって)いい本とは限らないです。
それこそ、1ヵ月もたてば、淘汰されてしまう本、すたれてしまう本かも知れません。でも、いいんです。前回の来店時からの差分を示していただいて、自分の目でスクリーニングしたいだけなので。

99.9%が、短期間で淘汰されるからこそ、確実に見つけたい。
そういう本は、あとでネットでも、買いにくかったりします。

「良書ですよ!定番ですよ!」なんて、保障はしてもらう必要はないし、そもそも、だれにも判定できないはず。本をつくったひとは、すべての本が、ロングセラーになってほしいと思っているはずですから。

定番と専門書について

ここまで書いた、新刊と流行とはべつに、
発売から一定の年数が経過したけれど、まだ買われている本があるでしょう。時間の淘汰圧に打ち勝って、定番になった本があるでしょう。

群を抜いて内容が優れているとか、
手にとる人は少ないかも知れないが、専門分野で、ある部分の穴を埋めるには、この本は外せないな、という本があるはずです。

明確に区別できないと思います。
いま、流行っている本のなかにも、定番になり得るもの、唯一無二の専門性をそなえたものは、あるはずです。
あらゆる古典も、どこかのタイミングでは新刊でした(名言)。

出版社や書店が区別できるはずがないし、保障してもらう類いのことではないんですけど、せめて、お店に陳列するときに、なんとなく、見て分かるようにしてほしいなと、個人的には、いち消費者として思います。

あまり幸せでなかった書店体験

上記の、ぼくがあんまり楽しくなかった書店では、
新刊です!流行です!という、お店の前面のところに、流行ってもいない2年前くらいの古い本が、新しい本に交じって、ランダムな並び順で、ずーっと平積みになっていたり、
企画の意図とか、セレクトの理由が示されているなら、いいんです。前面に、古い本を置かないでほしいという意味ではないです)、

新しく出たはずの本が、見つからず(売り切れではなく)、みょうに奥まったところに、背表紙だけ見えるよう立って潜っていたり…、
※ 販売面積が少ないなら仕方ないですが、すぐ下の平積みで、ハンパに古く、とくに評判が高いわけでもない本にスペースを占領され、

あるいは、逆のパターンで、

奥まった分野別の棚(専門書や定番の本が並んでいるだろうなと予想させる棚)に、もう数年前に、増補版が出版されたはずの、古いほうのバージョンが置きっぱなしになっていたり。 ※うっかり買ってしまった

ぼくが定点観測している分野で、定番であるとは感じられない本(ぼくの主観ですけど)が面積を占め、
その代償として、さまざま著者によって頻繁に引用され、言及される本なのに、買い足したくても、在庫がなかったり。
すぐ欲しいから、リアル書店に来たのに、置いてないのか……と。

いやー、むずかしいと思うんですよ、書店を経営するのは。
でも、足繁く通っても、そのお店は、どういうロジックで、本が「移動」しているのか、ほとんど見えてこない。
川の流れの速い上澄みから、じょじょに沈澱し、川底に地層をなす…というのが、ぼくが求めている、売り場のイメージなんです。その「動き」を見せてもらえないなら、ネットで買えばすみます。

べつに、クレームを付けたいとかではないので、本屋さんの実名は書かないし、なにかを要求したいんじゃないですけど、なんだかなあ……と、思いました。
大規模なショッピングモールのなかなので、めったに本屋にいかない一見さんたち(だけ)に、本を提供する、という店舗づくりなのかも知れません。それなら、区別も流れも要らないですからねー。

概して、本を読む層は、めちゃくちゃたくさん読むし、読まない層は、まったく読まないと思うので、「半年に1回、本を読む層」は、あんまり居ないはずで、かれらに向けた陳列棚づくりって、意味あるのかな??と、経験的には思ったりしますが。どうなんですかねー。

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