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ウェブマーケターになるな/アクセス数や反応を気にするな

佐藤ひろおです。会社を休んで三国志の研究をしています。

SNS発信者への数字の供給過剰

近年は、個人でも気軽にウェブで発信できるようになりました。
それにともなって、
アクセス分析ができる情報が、プラットフォーマーから発信者に提供されますね。noteの「ダッシュボード」もそれです。youtubeのアクセス分析なんて、その最たるものです。

アカウント全体の「トータルのアクセス数」ぐらいならまだしも、記事や動画ごとのアクセス数、反響の数を見せて、記事や動画ごとにランキングで競わせます。
youtubeは、ありがたいことに(←皮肉です)見られている時間帯、視聴者の年齢や性別、離脱したポイント(見るのを辞めた、分や秒)まで、詳しく見える。その動画によって、チャンネル登録者数が増えたか減ったか。貢献度を教えてくれます。

「いいね」「コメント」がつくと、ほぼリアルタイムで通知してくれる機能が、初期設定ではオンになっています。

「通常のあなたの動画に比べて、不評なようです」「過去の28日よりも、全体のアクセス数が下がっています」
みたいに、厳しいご教示をいただきます。
形式的には、ただ事実を述べているだけなんですけど、これって、嫌みったらしい上司と同じです。直接、叱咤激励をしてこない分だけ、付き合いづらいですよ。

数字を追いかける地獄の様相

そんなバカなことあるかいな、ワシは他人に操られへんで、と思いたいのですが、人間のサガは、あるていどは似通っています。
数字を見せられると、人間は、それを改善しようとします。

「レコーディング・ダイエット」は、この性質を活用したもので、毎日食べたものを記録するだけで、おのずと(改善の努力を自分に課さなくても)改善されていくと。体重計に毎日乗るだけで、おのずと(痩せる目標を自分に課さなくても)痩せる。少なくとも太らない。

ぼくが思うに、今日、発信者に提供される数字は過剰です。管理が過剰になると、ディストピアの様相を呈すると思うんです。いい数字を叩き出すために、発信するなんて、本末転倒です。

プラットフォーマーは、広告などを見せたいので、滞在時間を延ばしたい。いちばん滞在時間が長く、「忠誠心」が高いのは、受信者じゃなくて発信者です。だから、発信者を構うし、発信者を「ハメ」ようとするんですね。知ってます。そんで、発信者ががんばると、受信者を連れてきてくれるという、公然たる「陰謀論」が渦巻いてます。

悟りの境地を開いたひとからは、「反響なんて見なきゃいいじゃん、通知なんて切ればいいじゃん」と言われるかも知れませんが、
せっかく書いたもの、せっかく撮った動画は、見られたら嬉しいし、レスポンスがあったら嬉しいのは、これもまた本性に根ざしたこと、「社会的動物」としての人間の本能なので、否定しきれるものじゃない。

でも、数字を稼ぎたいから、情報発信する、というのは、本末転倒というか、地獄の一丁目に、敷地が浸食されてると思います。

このへん、「お金を1円ももらえなくても、いまの仕事を続けますか」という質問と同じで、「それを言われるとつれー」という話。「1人にも見られなくても、発信を続けますか」は、「つれー」質問です。聞かないであげてください。ていうか、聞いても、何も生まないっす。

投稿時間を気にしたら「病気」の兆候

youtubeは初期設定で可能ですし、noteは有料会員だけに許された機能として、予約投稿があります。
公開時刻を予約できます。

日本人をターゲットに発信するひとなら、気づいていると思いますが、みんなネットに滞在している時間には、反響がいい。
具体的には、学校や会社が終わってから夕食までと、夕食が済んでから寝るまでです。ツイッターなども、いいね、リツイートが付きやすいですよね。0時を大きく超えてくると、急に過疎ります。

なぜか日曜日だけは、同じ時間帯でもネットが閑散とする。ぼくは、歴史に関する発信をしてきたので、「みんなNHKの大河ドラマを見ているのかな」と思ってたんですが(仮説)、どうやらそうじゃなくて、総じて日本全体が、腰が重くて、気分が落ちるのが、日曜夜です。おもろいですね。

みんながネットを見ている時間に、更新通知が出て、タイムラインなどで上位に表示されたら、そらアクセスされやすいでしょうよ。
youtubeなんて、公開時刻からカウントダウンを開始し、最初の1時間、最初の2時間、などのスタートダッシュで、動画を評価するようです。

本職の、アクセス数や反響の数を稼ぐことをナリワイとしている、ウェブマーケターならば、数字をめちゃくちゃ気にすべきでしょうよ。それがシゴトデスカラね。
でも、マーケティングではなく、「発信」を本分とするひとが、これらを気にするのって、やり過ぎだと思うんですよね。

あなたがアクセス数や傾向を見ている時間は、ムダです(暴言??)
そんな下らないことに、意識や時間を割いているヒマがあるなら、もっと発信の分量を上げればいいじゃないですか。本分が「発信」ならばね。

好評をいただくと嬉しい。数字という「市場の評価」をフィードバックとし、発信の仕方を工夫すべきだ、というのは正論です。でも、過不足なきフィードバックって、リアルな職場でも難しいじゃないですか。
数字をハラハラと見つめていて、発信の質を上げるのって、ものすごく難しいです。それよりも、個性が死ぬ確率のほうが、高くないです??

ぼくはマーケティングをしない

ぼくは、noteを書きたいときに書いて、すぐ公開します。
無料会員ですから、連投するときもあれば、ほかのことが忙しくて、1週間以上放置することもあります。マーケティング的には悪手です。
……
知ってます!!

毎日、もしくは決められた曜日の、決められた時間に投稿するほうが、いいに決まっている。みんなが寝静まっている時間に投稿した記事なんて、ほぼスルーで、流れていくんですよ。あっはっは。

でも、書いたことは、書いた瞬間に、世にリリースしたいんです。いま言いたいから、いま書いたんです。

ネットは、上げっぱなしにする掲載料はタダだし、ほんとうにいい記事、読まれるべき記事ならば、タイムラグを置いても、だれかに届くと思うんですよ。何周かめぐって、拾われるんですよ。その点、ネットを信頼しているんでしょうね。
発信者のぼくが忘れたころに、「あの記事を読んで影響を受けたんですが」って言われること、けっこうあります。何回もあります。

スタートダッシュを気にすべきなのは、それが業務の評価に直結するマーケターだけです。同じムーブをして、意識を持っていかれるほうが、デメリットが大きいと思います。開き直ってます。
あ、深夜などに連投し、トップ画面がウザかったらすみません。

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