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輪湖のクロスに恋してる(VS甲府)

10節目にしてエントリのタイトルのネタが枯渇してきているひろりんですどうぞよろしくお願いいたします。相手はここ4戦負けなしの甲府です。こちらは湯澤を、あちらはリキをとりかえっこした同士。どのような戦い方をしたのでしょうか。

ここで突然ですが湯澤選手の選挙運動ツイートです。皆様の清き一票をお願いいたします。

では、レビューを開始します。

躍動する左サイド(前半序盤)

甲府は攻撃時3ー6ー1、守備時5ー4ー1といった形でくると見ましたが、試合を見ていると遅攻の場合はCBの新井が一つ上がり、4ー1ー4ー1か4ー3ー3のような形を作っていました。

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これは、中盤の枚数を3枚にして数的優位を確保することと、両WBをSB化することで、重心が後ろになってしまうことを防ぐための面白い工夫だと思います。守備とビルドアップ能力に優れた新井が居るからこそできることですね。

また、2シャドーの松田や泉澤も一つレーンを隣に移してWG化することでそれぞれ武器とする突破力とドリブルで対面となる福岡の両SBに対して優位を得ようとしていました。

序盤、福岡は1トップのジュニオールバホスがほぼ守備に参加しないことをスカウティングしていたのでしょう、比較的低い位置からビルドアップを始めていました。これにより、相手を引きつけることが可能となり、甲府の間延びを誘うことができていました。この時はボールキープ時に惇と草民が縦の関係を作ることができ、草民がボールを前を向いた状態で受け、リンクマンとして機能していました。

試合が動いたのは前半23分。輪湖が相手のミスからが奪取したボールを北島がハーフスペースにボールを運び侵入、一度ロストしかけるも、草民がそれを拾い輪湖にパス、そこからのクロスから城後がヘッドで決め、得点します。


この場面で素晴らしいのは輪湖のクロス、城後のヘッドはもちろんですが、ここはその前の北島のプレーに注目したいと思います。

北島は、ボールを受けた後に、対応しにくい細かいステップでボールを運び、相手ボランチ、WBがチェックに行きにくいハーフスペースに向かうことで、輪湖の周辺にスペースが生まれました。あいにく、突破ができずにボールを失いかけるところでしたが、草民がボールを回収したことで、この北島が作ったスペースを有効利用し、輪湖がフリーでクロスを上げることができました。北島あってこそ、この得点が生まれたといってもいいのではないでしょうか。

悔しい失点。(前半終盤)

得点後、膠着した状態が続くも、セーフティーな試合運びを選択し、必要とあればプレスにこないバホスを尻目にボールを回したりして時間を使うこともしていたアビスパですが、CKからのこぼれを泉澤にキープされ、クロスを上げられたところからシュートされたボールを、ブロックに入った輪湖がオウンゴールしてしまいます。彼は左利きであるので、咄嗟に出た足が左足であったからでしょう。ブロックしたもののボールはゴールに吸い込まれてしまいます。素晴らしいクロスを見せた後だっただけに、悔しい失点でした。

つうこんのいちげき(後半序盤~中盤)

後半の立ち上がりに、福岡はあまりにも痛い失点をします。左からのクロスを篠原がヘッドでクリアしますが、中に入らずに浮いていた状態だったバホスの元にボールが入ってしまい、逆転弾を許してしまいます。クリアボールを中に戻してしまったこと、ボールウオッチャーになってしまった惇がバホスのマークに入れなかったこと。小さなミスが二つ重なったが故の失点だったと思います。

その後、5-4-1でブロックを敷いてくる甲府を攻めあぐね、前半縦の関係を作っていた草民と惇も、横に並ぶことを強いられます。こうなるとコースが限定されてしまうことから、パスの供給役を担っていた草民は、惇からボールを受けても、前に向けてコースが狭い中をFWに向けて若干無理目なパスを出さざるを得なくなり、結果ボールを失うことが増えてしまいました。

こうした悪い循環が何度か繰り返されている所に、選手交代で森本とケネディが投入されました。

起死回生の一打(後半終盤)

森本とケネディが投入され、前線に起点ができ始めたものの、中々相手ゴール前までに迫れずに敗色が濃厚になってきた終盤、その時は訪れました。エミルが上げたクロスをケネディが競り、ちょうどペナルティエリアの前に落ちてきたボールを遠野がアウトサイドにかけながらダイレクトボレーでゴールに突き刺します。DFのFW投入という監督からすれば不本意な策かもしれませんが、今回もこの起用が当たった格好です。長谷部監督のリアリストな一面がここでまた見られたのではないでしょうか。

総評

今回のポイントは、

・SHのタスク遂行の差

です。

今節の北島の躍動は、左サイドの攻撃が多いというスタッツからもわかるところですが、実は守備のタスク遂行にも表れています。

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特筆すべきは、上の図のような相手がボールを持っている時のポジション取りです。相手のボランチや、WG化したシャドーへのパスコースを断ち、相手の前進を阻む局面が何度もありました。このことにより、相手の右サイドは機能不全に陥り、左サイドからの攻撃が増えることになります。このサイドを担うことの多かった福満や菊池の代役として、十分な活躍をしたのではないでしょうか。

逆に、守備面で差が出てしまったのが増山でした。パスコース限定の不足や、ボールへの寄せなど、守備で若干緩いところが見られた増山のサイドを、甲府は的確に突いてきます。このことにより、IH化した相手ボランチにパスが通ってしまい、攻勢に出られてしまう一因となってしまいました。

ただ、増山も持ち前の推進力を活かしたドリブルで相手のカードを誘うなど、攻撃面ではかなり貢献も見られたことから、守備面の課題を克服した際にはさらなる成長を見込めると思います。今後に期待です。

まとめ

暑い中での過密日程での連戦。本当に選手達は文字通り身体を削って戦い続けています。そうした中では疲労や、過負荷によるケガなども多発することだと思います。実際かなりのスクランブル状態ではないか、と推察される状況でもあるのは事実です。

しかし、こんな状況だからこそ、新しく台頭してくるであろう戦力が生まれることもあります。今回の北島がその一人です。そんな選手たちが活躍できるよう、スタジアムやDAZNを通した応援で熱い後押しをしていきましょう!がんばえあびすぱ!

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