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「スキーマ療法⑥見捨てられ/不安定」を複雑性PTSD/ボーダーライン・パーソナリティー症の目線から説明してみた

18種類のスキーマの1つ目は、

『見捨てられ/不安定スキーマー』です。

このスキーマを獲得してしまった原因は、
・不安定な家庭で育った
・子供の頃、大切な人から急に怒られたり、暴力をふるわれた
・子供の頃、大切な人が急死したり、家を出て行ったりした
・今でも大切な人は、自分を見捨てて去っていくという信念を持つ等

そして、常に
「この人は私を見捨てるのではないか?」
「この人が病気や事故で死んでしまうのではないか?」
「この人も突然消えてしまうのではないか?」と恐れています。

常に心配し、見捨てられのアンテナを張り巡らしています。

大切な人のそばなのに、不安と恐れに支配されます。

もし、大切な人が少しでも離れようとすると、
「悲嘆」が始まります。

自分の元を去る相手が許せなく「激怒」します。

大切な人にしがみつき、独占し、支配します。
そして常に大切な人を疑います。

「スキーマへの過剰補償」が発動すると、
他人と関わろうとしなくなります。

この人はいずれ私を見捨てるとわかっている相手
(既婚者)を選び、取り憑かれたように恋に落ちます。

このタイプの治療目標は、
・人間関係において、より現実的な見方や振る舞いができる。

・相手が突然消えてしまうんじゃないか?という不安を減らす。

・重要な他者を安定した対象として心の中に、
 社会の規準や価値などを取り入れて自分のものにする。

・相手の行動が「自分を見捨てるサイン」と誤解することを減らす。

・怒り、不安の感情が減ることにより、適切なパートナーを選べる。

・パートナーが一定期間そばにいなくても、落ち込まなくなる。
この最後の「落ち込まなくなる」と『回復の重要なサイン』だそうです。

この時の治療者との関係は、患者にとって「安全基地」が理想です。
治療者の変更があると「安全基地」とはならないと思います。

治療にあたり、気をつけることは、
・治療者に気に入られるように振舞う。
・治療者が求めると思われる発言をする。
・自分は理解しているし、主導権を持ち続けようとする。
・気分が乗らないからキャンセルし、依存行為で紛らわす。等
 
以上の行動を取ってしまうと、時間の無駄になります。
やっぱり気に入られたいと思ってしまいますよね(笑)

しかし、それをやってしまうと治療にならないと思います。
無意識でやっていると自分でも気づけないので、
注意して欲しいと思います。

お読みいただきありがとうございました。

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