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家庭におけるCO2排出削減への取り組みについて

2/16の日経新聞記事に、CO2排出、個人単位で把握 環境省が10万人実証
家庭で66%減へ、削減分の売却制度も検討」という記事が載った。

政府は21年10月にまとめた地球温暖化対策計画で、30年度の温暖化ガス排出量を13年度比で46%減らす目標を掲げた。削減幅は産業、運輸など部門ごとに定めた。家庭部門が最大の66%で、ライフスタイルの転換を後押しする施策が焦点だった。

とある。家庭部門の削減幅が大きいようあるが、まったくその認識がなかった。

ただ、ちょうどBCGカーボンニュートラル実践経営を読んでいて、その中には、カーボンニュートラルに向けてかじを切るための9つの前提条件というものが挙げられている。この前提条件を満たすほど、カーボンニュートラルにかじを切りやすくなるというもの。
前提条件には、①国民の支持から始まり、②国際協調指向、③ルール形成力、④成長機会必要性(カーボンニュートラル以外に有力な成長機会が乏しいか)、⑤再エネ生産ポテンシャル、⑥化石燃料依存度、⑦脱炭素ビジネス進行度、⑧脱炭素系有効資源保有(EV向けモーターに必要なレアアース、バッテリーにはレアメタルが必要になるが、そのような資源をもっているか)、⑨炭素集約産業依存度(製鉄や化学品製造などカーボンニュートラル達成のために大幅な方向転換が必要なプロダクトやサービスを抱えているか)とある。
日本は、この中で⑤再エネ生産ポテンシャルと⑨炭素集約産業依存度に×がつく。

⑤については、山が多く平地が少ない+雨が多い→太陽光発電に向かない、平地が少ない→陸上風力の設置が限られる、遠浅の海が限られる→浮体式洋上風力に委ねたいが漁業との交渉で難、ということでは×。
⑨については、自動車産業におけるガソリン車からEV車への転換による強みが失われること、そして世界第三位の生産量を誇る鉄鋼業がある、ということで×。

このBCGの切り口の⑨がきっと要因で、家庭用での削減に力をいれる必要があるということなのかな、とちょうどこのBCGの書籍を読んでいたので、感じた。

日本でのカーボンニュートラルの成否は、個人単位での削減のキーになると思われた。例えば、車で移動するよりも徒歩や自転車、交通機関での移動をしたとなるとポイントが付く、というようなサービスなども出てくるのかな。

また個人で対策するのであれば、日本には他国に比べて非常に多く中小企業が存在するが(会社数の99%が中小企業)、この中小企業もその対象にすべきだろう。ちょうど2/17の日経の記事には以下の記事があった。

日本商工会議所が21年11月にまとめた会員企業への調査では、年間売上高が1億円超の企業でも5割近くが受注業務、発注業務ともに電話やファクスに頼り、デジタル化に対応していない。
この比率は売上高が少なくなるほど高まり、1千万円以下の企業では受注も発注も8割超。たとえば自社製品の販売拡大のため電子商取引(EC)サイトを自前で開設しようとすれば、多くの中小企業はほぼ基本からデジタル技術を習得する必要がありそうだ。
デジタル技術を何にどう生かしていいか、わからない中小企業も少なくない。円滑にデジタル活用が進むよう、日商は後押しを21年10月から始めた。長野県に限定した試験的な取り組みで、企業から相談を受け付ける。

まだファックスに頼るこの非効率性は、紙文化、きっとカーボンニュートラル達成にはデジタル化が必須なのであろう。付加価値向上という視点で日経新聞には書いてあったが、きっと脱炭素実現にも必要なのだろう。個人が変われば、会社の意識も徐々に変わっていくか。政府は中小企業向けにも、もっとカーボンニュートラルへの取り組みを促してもらいたい。


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