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メタン濃度の上昇・・・もっと気候変動に目を向けないと

5/8付の日経新聞に「メタン濃度が過去最高 昨年、上昇幅2倍超」という記事が出ていた。
気候変動を引き起こす温室効果ガスはCO2のみではなく、メタンなどもその中に含まれる。日経新聞においても解説があったが、メタンは天然ガスの主成分で、20年間の温暖化効果はCO2の約84倍ある。このことは環境省のホームページにはメタンについては以下のように触れられており、化石燃料採掘・燃焼などの人為的な事にかぎらず、家畜から発生や、湿地帯など自然からも発生をしている。

メタンは二酸化炭素に次ぐ地球温暖化に及ぼす影響が大きい温室効果ガスであり、IPCCの第5次評価報告書によると、その地球温暖化への寄与は同じ量の二酸化炭素の28倍になります。その主な自然発生源は湿地や白アリ等、人為発生源は、水田、家畜(牛、羊等の反すう動物)、埋め立て、化石燃料採掘・燃焼等、多岐にわたっています。

環境省(https://www.env.go.jp/press/110696.html)

家畜の中に挙げられる牛については、そのげっぷが地球温暖化の原因とも言われており、この牛のげっぷを減らすための努力も続けられている。スイスに拠点を構える農業技術のスタートアップ企業「Mootral」は、羊や牛など、一度飲み込んだ食物を再び口の中に戻しながら食べる、いわるゆ反芻動物が放出するメタンガスの量を大幅に削減する天然の飼料サプリメントを製造しているようである。(https://www.wipo.int/ip-outreach/ja/ipday/2020/case-studies/mootral.html

牛などの反すう動物のげっぷには、消化管内発酵により産生する温室効果ガスであるメタンが含まれています。牛1頭からは1日あたり、200~600Lのメタンがげっぷとして放出されています。反すう家畜の消化管内発酵に由来するメタンは、全世界で年間約20億トン(CO2換算)と推定され、全世界で発生している温室効果ガスの約4%(CO2換算)を占めるため、地球温暖化の原因のひとつと考えられています。

農研機構(https://www.naro.go.jp/publicity_report/press/laboratory/nilgs/144910.html)

しかし今回の日経新聞の記事には原因がわかっていないが、自然由来の排出ということが言われている。上記のMootralのような企業努力によって、人為的なメタンは削減できたとしても、自然由来の排出が増えているとすれば、他の面での努力が必要となる。

国環研衛星観測センターの松永恒雄センター長は「消去法で自然由来の排出が増えた可能性が高い」と分析し、「気候変動を抑えるために人為起源の排出をさらに減らす努力が必要になるかもしれない」と指摘する。

湖や湿地などは微生物が有機物を分解してメタンを出す。洪水などで湿地が拡大すれば排出も増える。化石燃料の消費動向や湿地面積の変化といったデータは、今年後半以降に出る見通しだ。排出増の根本原因の特定が急務だ。

5/8日経新聞朝刊

明記はされていないが、気候変動によって永久凍土が溶け出す、氷河が溶けるなどのことによって、地表に埋もれていたメタンガスが放出され出すなどのことが、発生しているのではないかと危惧をする。
気候変動の怖い点は、このような人為的には制御不能なことが発生しだす、ティッピング・ポイント(それまで小さく変化していたある物事が、突然急激に変化する時点を意味する語)にあると、これまで読んでいた書籍にも記載されていた。
早く世界の目を、戦争に向けるのではなく、このような地球規模で発生している問題に目を向けていきたいところである。

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