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ついに再生エネルギーコスト<化石燃料エネルギーコスト!

5月2日の日経新聞朝刊に「太陽光の電気落札価格、火力の半分以下 再エネに追い風」という記事をみた。ようやく日本においても再生エネルギーである太陽光発電の価格が火力発電よりも安くなってきたようだ。

再生可能エネルギー由来の電気が火力発電でつくる電気より安くなる状態が定着してきた。3月には大規模太陽光発電所(メガソーラー)の電気の落札価格が1キロワット時当たり9.99円と初めて10円を割り、火力発電の半分以下になった。火力発電に使う燃料の価格は当面下がる気配はない。再生エネ電気の価格競争力が上がれば需要をさらに喚起する効果を見込めるが、主力電源にするには課題も多い。メガソーラーの電気の入札は、経済産業省指定の入札機関が四半期に一度実施し発電事業者が参加する。平均落札価格は2017年の第1回入札では1キロワット時当たり19円台だったが、21年には10円台まで低下。22年3月の入札で初めて9円台になった。太陽光パネルの発電コストは発電効率の改善や量産化で少しずつ低下する。蓄電池などの付帯設備を考慮しても10円を割る水準が定着してきた。

5/2日経新聞朝刊

直近でのロシアのウクライナ侵攻を受けて、エネルギー高騰が続く中においては、再生エネルギー普及の契機になるのではと思われる。日本においては、再生エネの導入が遅れていた日本は火力発電が安い国であり、同記事にも「ブルームバーグNEFの21年時点の調査によると、1世帯が4カ月間に使う1000キロワット時の電気をつくる場合、日本の最も安い電源は石炭火力で74ドル(約9600円)。中国では太陽光で33ドル、米国では風力で36ドルだ。」ということが述べられている。

化石燃料は、その燃焼によって温室効果ガスを排出するが、その温室効果ガスについての排出コストが加味されていないためにその価格が安く見えていた。ようやく再生エネルギーの方が安くなったことは嬉しい。

日本で再生エネの普及が本格的に始まったのは12年。国の固定価格買い取り制度(FIT)が導入された年だ。FIT導入から10年たち、ようやく日本でもグリッドパリティが根付いてきたとも言える。
再生エネ由来の電気価格が火力発電を下回る状態は「グリッドパリティ」と呼ばれるようである。このグリッドパリティ(Grid Parity)とは、「グリッド=送電網」が「パリティ=同等」という意味で、再生可能エネルギーの発電コストが、既存の系統からの電力のコストと同等かそれ以下になる点(コスト)を指すようだ。

新電力ネットのサイトには、グリッドパリティについて、以下のような定義をまとめている。

グリッドパリティの値は、個々のケースにおける設置条件や、比較対象に想定する電力料金によって異なります。そのため、定義も厳密に一意に定まるわけではなく、世界共通の指針があるわけではありません。ここでは、参考として日本で指標とされる、太陽光発電開発戦略(NEDO、2014年9月)による定義をご紹介します。
1.第一段階グリッドパリティ:家庭用電力(従量電灯)価格並み(23円/kWh)/2013年達成済み
2.第二段階グリッドパリティ:業務用電力(高圧以上)価格並み(14円/kWh)/2020年目標値
3.第三段階グリッドパリティ:汎用電源(基幹電源)価格並み(7円/kWh)/2030年目標値

新電力ネットサイト(https://pps-net.org/glossary/65748)

円安が加速する中においては化石燃料を輸入するコストも高くなっている。またロシア産エネルギーを購入することに対する国際的な風当たりも強まっている。そのような中において、もっと再生エネルギーに国として投資すべきではないか。

5月3日の日経新聞記事には、ちょうど国の予算の使い方の不適切性について書かれていた。このような予算をもっと再生エネルギー普及に使うべきではないか。もっと国にとって、国民にとって、そして地球にとって有効なお金の使い道を示してもらいたい。SDGsと国が旗を振っているのであれば、なおさらかな、と思う。

政府が天災など不測の事態に対処するために用意した予備費を不適切に扱うケースが目立っている。2019~20年度決算を分析すると、緊急をうたって予備費を充てたにもかかわらず、最終的に使い残しが出た項目が8割に達した。こうした項目に総額の3割を超す3.7兆円が回っていた。必要性を見極めきれないまま予備費をつぎ込む姿が浮かび上がる。

5/3 日経新聞朝刊

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