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ウクライナ侵攻を契機に脱炭素を加速できないか

ロシア産の石油と天然ガスは、国際的なエネルギー市場において非常に重要な地位を占めていた。特に近接する欧州にとってはロシアは最も競争力のあるエネルギー供給国であり、2021年には欧州による石油輸入量の27%程度、天然ガス輸入量の45%程度をロシア産に依存していた。

しかし4/22の日経新聞には「ロシア対策、動く欧州 エネ安保、再構築の時」という記事があり、欧州ではロシアに頼らないエネルギー戦略に動き出そうとしていることが書かれていた。

英政府が6日発表したエネルギー安全保障戦略。洋上風力発電の容量を2030年までに5倍の5000万キロワットにし1400万キロワットの太陽光も35年までに5倍にする。
ポイントは天気に左右されず24時間発電できる原子力発電所も50年までに3倍超の2400万キロワットに増やす点だ。最大8基の原子炉を建設する。
ドイツも26年までに2000億ユーロ(約26兆円)を投じて再生エネの拡大を前倒しし、35年に全電力を賄うようにする。リントナー財務相は「再生エネは自由のエネルギーだ」と話し、エネルギー安保と脱炭素を両立させると説く。
ウクライナ危機を受けてロシア産のエネルギー資源の脱却が必要になり世界の状況は一変した。それでも欧州は電源構成の見直しなどの対応策をすぐに打ち出した。英国を含め送電網がつながる欧州は有事に電気を融通しあったり、脱ロシア依存や脱炭素にともに取り組んだりと、強じんさ、柔軟さを相互に高め合おうとする強みがある。

2022/4/22 日経新聞

ウクライナ侵攻は、これを脱炭素における機会として捉えれば、ロシア産の石油や天然ガスからの脱却、そして再生エネルギーへの転換という形になると思われる。ただこれを機会と捉えることができなければ、どのように他から石油や天然ガスを得るのかという話となる。
多分、前者は再生エネルギーのために風力発電や太陽光発電などの投資が伴うが、他の地域からの石油や天然ガスというのは投資というよりもコストが増加するのみ。きっと長期視点でみれば、大きなマイナスになる。

今、欧州が考えている方向はやはり長期的視点なのだろう。一方で日本は、補助金でその場をしのごうとしているが、それであれば投資をして、一気にエネルギー構成を変えるという方向にするべきではないか。ロシア産エネルギーからの脱却も急ぐべきか。
円安も進む中で、経済力があるうちに早く、意思決定をしてもらたい。エネルギーをもたない日本において、今であれば、投資をすることで一つの優位性を持たせることができるのではないだろうか。

色々と難しい課題があるとは推察するが、今は意思決定の時ではないか。


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