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水素と再生可能エネルギー

水素は、原料や生産過程での二酸化炭素(CO2)排出の有無によって三つに大別される。

グレー水素・・・主に化石燃料由来の副生成品としての水素が市場に出回っている。炭素と水素から成る物質(炭化水素)を水蒸気と化学反応させ、水素と一酸化炭素(CO)に分け、COについては、水蒸気と化学反応させ水素とCO2に分ける。この製造工程によって二酸化炭素が出てくる。

ブルー水素・・・「グレー水素」の製造過程で出るCO2を回収・利用・貯留する技術(CCUS)と合わせることで、水素の製造過程全体で見ればほぼ「CO2ゼロ」にできる。

グリーン水素・・・水を再生可能エネルギーで電気分解し、製造過程でまったくCO2を発しない。

すると再生可能エネルギー電源が大量にある国が今後は、グリーン水素生産大国になりうる。

再生可能エネルギーを生み出す洋上風力発電メーカー、陸上風力発電メーカー、太陽光発電パネルメーカーのシェアがどうなっているのかとWEBで調べてみると、風力発電では2019年の市場シェアであるが、以下の通りのようだ。(参考URL

洋上風力発電メーカー市場シェア 2019年
シーメンスガメサ・リニューアブル・エナジー(スペイン):39.8%
MHIヴェスタス(デンマーク):15.7%
Sewind(中国):10.0%
遠景能源(ENVISION)(中国):9.5%
金風科技(ゴールドウィンド)(中国):9.4%
明陽風電集団(Mingyang)(中国):7.3%
GEリニューアブル・エナジー(米国):4.3%
中船重工海装風電(CSIC Haizhuang Wind Power)(中国):2.3%
Senvion(ドイツ):1.6%
XEMC Darwind(オランダ):0.1%
陸上風力発電メーカー市場シェア 2019年
ヴェスタス(デンマーク):20.1%
金風科技(ゴールドウィンド)(中国):13.6%
シーメンスガメサ・リニューアブル・エナジー(スペイン):13.0%
GEリニューアブル・エナジー(米国):12.4%
遠景能源(ENVISION)(中国):8.6%
明陽風電集団(Mingyang)(中国):5.6%
Nordex Acciona(ドイツ):5.4%
エネルコン(ドイツ):3.3%
遠達(Widney)(中国):2.8%
東方電気(Dongfang)(中国):2.4%

また太陽光発電は、2021年の市場シェアを見てみると、以下のとおりである。中国で占められていて、日本が上位に入っていない。(参考URL

太陽光パネルメーカーの世界市場シェアと業界ランキング
1位 ロンジソーラー 4.80%(中国)
2位 ジンコソーラー 3.17%(中国)
3位 トリナソーラー 2.59%(中国)
4位 JAソーラー 2.27%(中国)
5位 カナディアンソーラー 2.05%(中国)
6位 ハンファ 1.93%(韓国)
7位 ライセンエナジー 1.04%(中国)
8位 ファーストソーラー 1.00%(米国)

石炭火力から脱していない日本だから、このようにメーカーも育っていないのか。これではグリーン水素を生み出す発電を作り出すメーカーがすべて海外に頼ることになり、どんどん日本がカーボンニュートラルから置いていかれる。もっと積極的に構造変化を生み出さないと行けないのではないか。

国内の洋上発電を増やし、メーカーを強くし、海外にも進出させて価格競争力を増やす。やがて水素をその再生可能ネルギーで生み出し、電気自動車(EV)を走らせる。電気自動車もどうも中国に負けつつあるようであるが、日本の自動車産業がこれにより次のステージに進めるのではないか。

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