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グリーン・ジャイアント

グリーン・ジャイアント(文春新書)では、新たにエネルギー業界の盟主に踊り出てきた企業たちを「グリーン・ジャイアント(再エネの巨人)」と呼ぶ。

冒頭から出てくるネクステラ・エナジー(NextEra Energy)という企業は、エクソン・モービルの時価総額を2020年10月7日に、一時的ではあるが抜いた。

それ以外にも
イタリアでは再エネ企業のエネル(Enel)が、半国営石油企業であるエニ(Eni)を時価総額で抜いた。
スペインでも再エネ企業のイベルドローラ(Iberdrola)が、石油・ガス企業のレプソル(Repsol)を捉えた。
デンマークの再エネ企業オーステッドが、英BPを抜いた瞬間があった。
など、これまで石油メジャーなどが牛耳っていたエネルギー業界に大きな異変が訪れていることが書かれている。私は疎くて、いずれの企業も初耳であった。

ネクステラ社は、地方電力として設立された後、風力発電への進出、太陽光発電所への進出などを行いながら再生エネルギー会社に徐々に転身をしてきたという会社のようで、天然ガスは未だに主力ではありながらも各国政府や州政府の規制をうまく利用して成長してきたという会社のようである。上記に挙げたエネルにしても、イベルドローラにしても、クリーンな発電所がまだ代替手段であった頃から導入を優先してきていたようである。やはりどこの業界でも、まだ誰も手をつけていない中において、先行投資をすることが後に大きな伸びにつながるようである。

オーステッド社も、もともとは石油の中東依存度を下げ、北海における石油開発を進めるために1972年に設立されたデンマーク石油ガスという会社。洋上の油田開発で培った海上プロジェクトの技術を、洋上風力の開発にも活用してきた会社で、2017年には、石油・ガス事業の売却を決め、社名を19世紀のデンマークの電磁学者の名前にちなんで「オーステッド」となったようだ。Wikiで調べると、ハンス・クリスティアン・エルステッドとあり、磁界の強さを表す単位として残っているとあり、そういえば、大学時代に磁界の勉強をしていて出てきていた、と思い出した。オーステッドは、日本語のホームページも用意されており、「風を、変える」という非常にシンプルなキャッチコピーが書かれている。ロゴが可愛らしく思う。

いずれにしても海外においては多くの再エネ企業が登場している。日本は大丈夫なのか・・・と思って読んでいると、日本でも洋上風力の時代が来ることを見越して動いて企業、レノバがあるようだ。この会社は、2012年の「再エネ特措法」を契機に再エネ発電事業に本格参入し、太陽光や風力、バイオマスでの発電所設置の実績を積み上げてきたようだ。それ以外にも、JERAという福島事故後の国による東京電力再編で東電と中部電力の火力・燃料部門を統合する形で設立された会社があるようで、ここはグローバルに目を向けたときには脱酸素の必要性を感じ、現状では洋上風力に注力をしているとある。レノバとJERAのホームページを比較すると、レノバのロゴからして風力を示すロゴであり、グリーンの写真が前面に出てくるあたり、やはり特化していると感じる。

と世界に目を向けても、また日本においても、脱炭素に向けた動きは大きく変わりつつあるようである。

本書はさらにはビル・ゲイツの書籍にも書かれていたような代替肉の話、そして植物性ミルクの話などもでてくる。また読み進めながら、内容をまとめておきたい。

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