スタンダードも味がする

「スタンダードのカードプールでも、まだ金脈があるかもしれない。だから、デッキビルドに挑戦しようぜ」という記事です。そうかもしれないという気になって、デッキビルドの沼に片足でも突っ込むきっかけにでもなれば嬉しいです。

きっかけ

MTG Arena Zoneという海外サイトで、年末にMTGアリーナのメタに関する記事が出ました。その中で、スタンダードについては「イゼット・アーティファクトがメタを回すかもしれない」と言及されています。

記事は「大きな大会もない週なので、注目を集めた”イゼット・アーティファクト”がじわじわと増えてきているよ」という内容です。それを読んで思ったのは、「MTGアリーナはメタを回す力がないのでは?」という仮説でした。そこからゴチャゴチャと考えて、「MTGアリーナはメタを煮詰めているだけで、スタンダードのカードプールにも未開拓領域は大きく存在している」という仮説に至り、デッキビルド意欲への一助となればいいかなと思っています。

MTGアリーナの環境定義

MTGアリーナでの環境を考えるにあたり、ヒントとなるトピックとして2つ挙げたいと思います。それは、
・《創造の座、オムナス》の禁止
・環境末期に現れた新デッキ、ケシス・コンボ
の2つです。

《創造の座、オムナス》の禁止

《創造の座、オムナス》は、発売日から17日(テーブルトップ基準)でスタンダード禁止となり、禁止カード最短記録を大幅更新したカードです。

この時の禁止判断は、
・MTGアリーナのラダーでの成績
・大型大会の支配率
の2つを主だった根拠として下されました。時期としては、環境の超初期の時期。アリーナではアーリーアクセスの時期から使えたとはいえ、MTGアリーナのラダー環境が、その禁止に対して影響を与えたことが明言されています。

細かいデータにアクセスできるわけではないので、論理をジャンプさせる形にはなりますが、MTGアリーナのラダーがプレリリース時から注目されていた《創造の座、オムナス》のスタートダッシュを、そのまま超独走としてしまった、と言えると思います。

スポーツ選手になる人は春生まれの人が多いみたいな話で、初期段階での優位性がその後の成功に影響を及ぼすことは、よく言われる話です。MTGアリーナのラダーは、このその後の成功までの過程を大きく加速させたのでは、と思っています。

環境末期に現れた新デッキ、ケシス・コンボ

ケシス・コンボというデッキが、イクサラン~灯争大戦のスタンダード末期に現れ、メタゲームの一大勢力となりました。記憶の範囲では、日本選手権2019をピークとして、各種大型大会で結果を出したことを受けて広がっていった印象です。

ここで言いたいのは、ケシス・コンボというデッキが広まったきっかけは、大型大会の結果であって、アリーナのラダーでは無かったということです。

この2つの出来事から、MTGアリーナのラダーには、
・環境を煮詰める作用が強い
・新デッキを作る力が弱い
という特徴があると考えています。今の環境で言えば、グリクシスの完成度は上がっていくでしょうが、それに対抗する新デッキの開発は全く進まないという状況であると見れると思っています。

MTGアリーナで新デッキが生まれない理由

さて、なんでMTGアリーナで新デッキが生まれないのかを考えると、主に以下の2つの要因があると考えています。
・アリーナ経済の問題
・フィードバックの問題

アリーナ経済の問題

MTGアリーナにおける経済の問題は、色々と議論されている(https://note.com/oliver_ub/n/na813190d8060 とか)ので、細かくは言及しません。今回議論したいポイントで大きな影響があるのは、レア以上のワイルドカードが、販売価格で50円のレア・神話レアであっても、1万円弱する《黙示録、シェオルドレッド》と同価値であるということです。

例えば環境初期にレア・神話レアで注目されていないカードを使用するコストは、《黙示録、シェオルドレッド》のような注目が集まっているカードを使用するコストよりも相対的に高くなっていると言えます。

また、無料で配布されるワイルドカードの量は、既存のデッキをチューニングするには絶妙の塩梅で配布されていますが、新しいデッキを組むためには課金等のなんらかのジャンプが必要になります。リミテッドをプレイするプレイヤーであれば、比較的安価にカードをそろえることはできますが、それには一定の時間がかかります。リミテッドでカードを集め終わるころには、グリクシスミッドレンジは十分に洗練されたデッキになってしまっており、中途半端なシナジーではその牙城を崩すことができなくなっていることでしょう。

まとめてしまうと、MTGアリーナにおけるゲーム経済における最適な戦略は、環境初期のティア1デッキを洗練させつづけることを推奨しており、その副反応としてオリジナルデッキの開発のハードルを上げていると言えます。

フィードバックの問題

ラダーで勝ちまくっているデッキがあったとして、それがわからない状況である、という問題です。公式からは、https://magic.gg/decklists というサイトで勝っているというリストが掲載されていますが、戦績が不明すぎてなんの参考にもなっていないという評価かと思います。

一応、untapped.gg(https://mtga.untapped.gg/ )といったトラッキングツールで見ることはできますが、MO Challengeほどの影響力は感じられません。アリーナで一部プレイヤーが見出したデッキがあったとしても、それが自然に世にでることがない状況にあるわけです。

クソレアでデッキを作ろう

ここまでのアリーナの環境の話で、ティア上位であるグリクシス・ミッドレンジについては十分すぎる研究が進んでいる一方で、まだまだ未開拓領域が残っている可能性を示唆していきたい。それはほとんどがゴミのようなものでありながら、ケシス・コンボのような黄金が眠ってる可能性を信じたい。

終わりに、団結のドミナリア以降で個人的に可能性を感じている50円レアを並べておきます。

結び、というか言い訳

勢いのまま書きましたが、気が向けば時間のあるタイミングで推敲して再アップするかもしれません。書きながら、足したいところ、削りたいところが無限にあふれてきたのですが、一度このまま上げていくことにします。

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