ジャンル別漫画紹介#01 なろう系・異世界転生もの

一昨年くらいから漫画アプリを入れまくってひたすら読んでいるわけですが。やはり大手出版社のアプリは安定感があり、特にジャンプ+などは大ヒット作も生み出している。だが。

現在の流行りなのかもしれないが似たようなジャンルの作品が粗製乱造されている印象がある。
「異世界転生もの」
「いじめ復讐もの」
「同級生女子がモブに迫ってくるやつ」
最近よく見かけるこのジャンル3種とその中で面白い作品とそうでないものにどう差がついているのかについて。第一回は異世界転生ものです。


「ニートの俺が異世界に転生してチート能力で無双な件」
・いわゆるなろう系作品。レギュレーション化されているかのような内容を説明するひねりのないタイトル、私の漫画読み仲間たちはみな「頭空っぽにして読むもの」「どれも同じような内容だからどれがどれだか分からなくなる」と口を揃えて評する内容。個人的にもこれ系のタイトルがついている時点で読む気を失くすので基本的にはあまり読んでいない。
・そんな中で面白いと思えた作品を3本ほど紹介…するのだが内2本はなろう原作じゃねえな。異世界転生ものというジャンルではあるがなろう原作とはレベルが違う。


ライドンキング

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・「主人公が異世界に転生もしくは移動して無双する」というフォーマットは他と変わらないのだが、この作品の優れている点としては主人公の現世での立場が「大国の大統領」であるという部分が特に目を引く。
・圧倒的に強いが微妙に天然ボケしているという大統領のキャラクターはギャグ漫画としての機能も十分に果たしており、しっかりと作りこまれた異世界の文化や設定、「国を一から築こう」という物語展開も本作の魅力。オススメ作品。

異世界おじさん

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・十数年ほど異世界で無双していた親戚のおじさんが突如現世に帰還、その回顧録という形を取っている。いわゆるなろう原作の異世界転生ものと比べると一風変わった内容。
おじさんはガチガチのセガマニアであり、異世界での出来事などを語る際にいちいちメガドライブ等のゲームに例えて話す。
また十数年異世界にいたため、ドリームキャストの存在を知らずにウラシマ効果に絶望したりする。
・異世界でのおじさんの暮らし描写は中々に面白いし、現世でYouTuberをやりながら生活費を稼ぐなど妙にリアルな内容も笑える。セガファンでなくてもオススメできるが、基本的にオタク寄りの内容であるのは間違いあるまい。

異世界無双ではないなろう系

◆薬屋のひとりごと

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・ビッグガンガン/マンガワンにて連載中。これはなろう原作作品ではあるが異世界転生ものではない。
・古代の中国をモデルとした世界観で、後宮・娼館といった舞台で薬草マニアの少女が政治的陰謀から起きる事件を解決していくという探偵ものに近い内容。
・私は古代中国のことなんて何も知らないのだが、多分よく取材して書いてるんだろうな、と思わせる説得力がこの作品にはある。メインとなる薬草の知識なども然り。
・キャラも立っていて、しつこくない程度に恋愛要素も盛り込まれている非常に上質な作品。マンガワンでは1番か2番に好きかな…。
こういう作品もなろうにはあるんですね。

■後記
・そんな感じでいわゆる「なろう原作系」を紹介した。「薬屋のひとりごと」は少し毛色が違うが、どの作品もキャラや設定が丁寧に作りこまれているという点で巷に跋扈する異世界無双とは一線を画すると言えよう。
当たり前のことなんだけどね。

次回「ジャンル別漫画紹介#02 いじめ復讐もの」につづく。

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