受験国語テスト「人魚姫」アンデルセン

見返りを求めない愛とはなんでしょうか。

アンデルセンの原作に忠実な文で、テストをしてみよう。特にディズニーの「人

魚姫・アリエール」以来、誤解されているラストシーンについて考えよう。

今回は、本文と設問が、交互に出てくるので注意。

あらすじ

人魚姫は王子様を好きになり、魔女に人間にしてもらう。美しい声を失い、歩くと一足ごとにナイフで刺されるように痛み、王子が他の女性と結婚したら、人魚姫は泡となり消える。それでも王子様の側に仕えるだけで幸せだった。ところが、王子は隣の国の王女と結婚することになった。

問題文

㋐　王子様の結婚式で、人魚姫は懸命に踊りました。足もひどく痛みましたが、心も痛みで張り裂けそうでした。

問１　㋐はどうしてですか。
①　王子が結婚してうれしかったから。
②　王子を喜ばせたかったから。
③　踊りを自慢したかったから。

選択問題では、ありえないものから消していきましょう（消去法）
答え②
色々な答えはあるでしょう。しかし、テストの場合は、最も適切なものを一つ選びます。記述問題だったら「心が痛みで張り裂けそうだったので、踊りで苦しみを紛らわせたかった」などの答え方もあるでしょう。

　夜もふけて、人魚姫が船から海をながめていると、㋑姉たちが海面に浮かび上がってきました。
「これで、王子の心臓を刺すのよ。その血が、お前の足にかかると、人魚にもどれるのよ。」
　こう言って、短刀を渡されました。

問２　㋑どうしてですか。五文字以内で答えなさい。
救うため　
助けるため　

人魚姫は、王子と王女の寝所に入っていきました。幸せそうに眠っていらっしゃるお二人を見て、㋒人魚姫は、静かに甲板に出ました。

問３　㋒どうしてですか。
幸せそうなお二人を見て、王子を殺せないと思ったから
人魚姫は、自分だけ王子を独り占めにしようとか、思いが遂げられないから王子を殺すなど考えず、ただ、王子の幸せだけを願っているのです。

　㋓短刀を短刀を海に投げた瞬間、朝日が昇り、人魚姫は泡となり、空に昇っていきました。
　すると、妖精たちが、とり囲み、
「あなたは、ずいぶんと辛い思いをされてきたのですね。」
「これから、あなたは、人間の魂を得るために、子供たちに会う旅に出るのです。」
「親を困らせる子を見ると、悲しい気持ちになって、魂から遠くなり、親と仲良くしている子を見ると、楽しくなり、魂に一歩近づくのです。」

問４　㋓から最後まで読んで、あなたの感じたことを２００字以内で書きなさい。

＜　解答例　＞
心のきれいな人魚姫を悲しませないように、親の言うことを聞いて、仲良く過ごしたい。そして一日も早く、人魚姫が人間の魂を得て、幸せに暮らしてほしい。　　

＜　解答例　＞
以前、仏教の考え方で「輪廻転生」ということを聞いたことがある。生きている時に良いことをすると、生まれ変わり、さらに良い人生を生きられるという。人魚姫に、幸せになって欲しい。

＜　解答例　＞
見返りのない愛とは、現実的には難しいと思う。人間は自己中心的なところがあり、他人より自分を優先してしまいがちだからだ。しかし、ありえないからこそ、この物語は美しいと思う。

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