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Pinduoduo(PDD):FY2021 2Q決算|創業以来初となる黒字浮上

中国の巨大テック株の決算発表が続く中で、今回は2021年8月24日に発表された爆速で成長するソーシャルEC大手の拼多多(読み方:Pinduoduo ピンドォドォ)のFY2021 第2四半期(4-6月)決算の解説をしたいと思います。

なおPDDのビジネスについてお知りになりたい方は以下の記事をまずはご欄ください。

#爆速で成長するPinduoduo (PDD)
#Pinduoduo(PDD):FY20211Q決算|業績は好調ながら株価は続落

0.拼多多(PDD)とは?

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2015年9月に設立され、わずか3年で中国3位のEコマース企業にまで登り詰めた爆速成長中の中国テック企業です。

共同購入による激安Eコマースを武器に、これまで爆速で成長してきたマーケットプレイス型のEコマースで、昨年より生鮮食品EC分野に注力(こちらは直販型)しています。

2020年12月には購入ユーザー数でアリババを超えました。

1.FY2021 第2四半期(4-6月)業績ハイライト

売上高

PDDのFY2021年第2四半期(4-6月)の売上高は前年同期比(YoY)+89%のRMB23.0b(約3,900億円)、営業利益はRMB1,997.5 m(約320億円)、上場以来初めて営業黒字になりました。

セグメント

続いてセグメント別の売上高です。

【Online marketing services and others:全体の78%】
出店者からの広告掲載料などで構成される当セグメントの売上高はYoYで64%増加となるRMB18,080m(約3,100億円)

【Transaction services:全体の13%】
販売手数料からの売上高はYoYで164%増加となるRM3,008m(約510億円)

【Merchandise sales:全体の8%】
昨年の8月に立ち上げた生鮮食品EC(直販型)からの売上高はRMB1,958m(約330億円)

2.決算のハイライト

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直近12ヶ月のアクティブ購入者数はYoYで24%増加で8.5億人にまで上り、月間のアクティブユーザー数(MAU)もYoYで30%増加となる7.38億人

今回創業以来初の営業黒字になったものの、例年4-6月は他の月と比べてEコマースの売上高が低いため、広告宣伝費などのコストも抑制していたところ、本2Qの売上高が高かったため

今後も黒字が継続することに対しては否定しています。

また3Q以降についてはアクティブユーザー数が8.5億人に達している状況を考えると新規アクティブユーザー数の成長はなだらかになるとの見通しを示し、今後は既存のユーザーの課金転換率の向上やリテンション向上のために施策を重視していく方針のようです。

また今回の決算発表と合わせて、農業分野や農村地域の発展に寄与するために「100億人民元の農業イニシアティブ」を立ち上げ、今後の収益から100億元(約1,600億円)寄付することを発表しました。

3.市場の反応

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中国テック関連株の中でもっとも売られていた株の1つがこのPDD

凄まじい勢いで事業成長しているもの、今年の3月17日に発表された創業者の退任に加えて、中国の規制当局によるテック関連企業に対する締め付け強化の懸念により、今年の2月につけた$211の高値から決算発表数日前の$75までの間で約65%も下落し、ボトムフィッシング(安値を探して買う)しようにも底が見えない状況が続いていました。

ですが、NY時間の寄り付き前に発表された2Q決算は市場から好感され、大きな出来高とともに20%以上上昇となる急反発をしました。

これはPDDの好決算もさることながら「100億人民元 の農業イニシアティブ」(以下、”イニシアティブ”)が中国テック株を買う安心好材料となった結果であると思います。

習近平国家主席が8月17日に、社会的不平等が拡大する中で「共通の繁栄」を実現するために規制を強化すると宣言していたことから、テック関連銘柄に対する更なる締め付けが懸念されていましたが、PDDが先に発表した”イニシアティブ””は中国当局の施策に寄り添う取組として好感視され、結果株価の上昇に寄与したものと思われます。

4.最後に

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今後もアメリカや中国に上場するテック企業を中心に企業動向や決算などを解説していきますのでぜひNoteやTwitterのフォローをお願いしますm(- _ -)m


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