男性の薄毛に対するわたしの見解
日本の男性の中で、男性型脱毛症になる人の割合はたしか3割ほどだったか。決して少なくはない割合だが、その多くは中年期以降に発症するのではないか。
しかしわたしは、前の記事でも書いたとおり、20代前半から薄毛に苦しんできた。環境要因もあろうが、明らかに遺伝が大きいと思う。そして、それは努力ではどうすることもできない。
世間の男性の薄毛を蔑む風潮やハゲという単語に対して、わたしは激しい憤りと抵抗もおぼえてきた。こっちは好き好んでそうなってるわけではないのだから、当たり前だ。
なぜかわからないが、男性は前頭部から頭頂部にかけて男性ホルモンの影響を受けやすく、毛根が死滅しやすくなり、これが薄毛となって現れる。それが格好悪いものだから、みんな頭を坊主にしたり、あるいはもっと無様にバーコード頭にするサラリーマンさえいるほどだ。
しかし、一部の薄毛の芸人がテレビの前で明るく振る舞ってるから、世間の人々は男性の薄毛をそのように軽く扱っていいとでも思っているのだろうか? これはれっきとした病気、症状なのにね。
芸人に関していえば、あばれる君、バイキング小峠は誰が見てもわかるとおりに薄毛だ。しかし、ハナコ岡部は違う。頭を坊主にしていても、よく見ると毛根が黒黒と残っているし薄毛ではまったくない。高校野球の球児たちにしても、じつは髪は黒黒としているのがわかる。
一部の医学の治療、抗がん剤の治療などで髪が抜けていく人もいるが、それは治療をやめればもとに戻る話である。たとえば、水泳の池上選手も一時はニット帽をかぶって頭を隠していたと思う。
しかし男性型の脱毛症はまったく違う。進行性で、二度と元にはもどらない。ある意味、がんよりも難治性の病気ともいえる。最近はAGA治療薬があるじゃないかと思われるだろうが、考えが甘いと言わざるを得ない。わたしも一時期は、AGA治療薬に頼っていた時期があった。
しかし、そんな薬を一生飲み続けろというのだろうか? 金もかかるだけでなく、ホルモンに作用する薬を飲み続けることで副作用の懸念も大きい。なによりも、根本的に治癒することはない。それで製薬会社は儲かるだろう、しかし患者のためにはまったくならない。
薄毛が人口面から少数なのに対して、世界的には成功している人物が多いことも事実だ。ただし、統計上の根拠があるかといえばそれもよくわからない。
たとえば、歴史家でベストセラー作家のユヴァル・ノア・ハラリもそうだし、アメリカ海兵隊司令官だったデイヴィッド・バーガー大将(退役)も薄毛スキンヘッドだった。世界的ロングセラー「7つの習慣」の著者、スティーブン・コヴィーにしてもそうだし、米Amazon創業者のジェフ・ベゾスにしてもそうだ。
直近の有名人となると、悪人ではあるもののワグネル総帥のエフゲーニィ・プリゴジンも挙げられる。もっともプリゴジンの場合は、眉毛もなくなってるように見えることから、べつの病気かもしれない。自己免疫性疾患で、全身の毛が抜けていく病気もあるときく。
現在、世界的に少数派に対する権利意識の高まりみたいな流れがある。かつては、黒人をニグロと呼ぶことを禁止になったし、今では同性愛者への配慮からホモと呼ぶことがご法度になりつつある。
同様に、薄毛に苦しむ人に対して“ハゲ”と呼ぶことを禁止すべきだと思う。また、この日本で男性の坊主頭あるいはスキンヘッドというものを、もっと一般的な髪型として普及してもらいたいと思っている。