社会福祉法人(特養)にまつわる謎
わたしは今年から、とある社会福祉法人に介護職員として入職することになった。
入職にあたっての煩雑な書類関係には、身内(あるいは知人)に“身元保証人”としてサインしてもらう必要があり、どこか腑に落ちないものを感じている。
しかもその欄の下の方には、“家族調書”という記入欄があり、自分の家族の名前と住所を記入しなければならない。まるで自分が取り調べかなにかを受けているようで、なんとなく気分が悪い。
わたしはこれまでに国立系の病院、民間の病院、その前には国家公務員(自衛官)として働いていたこともあったが、誰かに身元保証人になってもらったことなど、一度もなかった。
他にも社会福祉法人(特養)で介護職として働いたこともあったが、そこの施設でも同様の書類の提出を就職時に求められたのを思い出す。ネットでかるく検索すると、一般の企業においても入社時に身元保証人の書類を求めることはよくあることらしい。また詳しくは知らないが、身元保証法という法律もあるようだ。
だが、この身元保証人というもの、なんかおかしいと思わないだろうか?
それを立てたからといって、だから一体どんな意味があるというのか。雇用した人間がなにかヘマをやらかしたら、企業は保証人にまで責任を追求するつもりだろうか? そう考えると、ちょっと恐ろしい、意味がわからない文言だなと思う。
社会福祉法人の就職において、身元保証人が求められるとしたら、やはり「人の命に関わる職業だから、信用のある人物を採用したい」ということだろうか? もしそうだとしても、入職してから書かせるではなくて、採用前に身辺調査なりなんなりをするべきではないのだろうか? また、これまで働いた病院ではそんなものを求められることなどなかったわけだし、やはり納得がいかない。
また、こうした書類を求めてくるところに、社会福祉法人という組織の体質の古さをなんとなく感じてしまう。
介護の現場では近年、多床室に代わってユニット型を推進したり、記録には紙の代わりにタブレット端末を導入したりして、一見すると進歩発展しているようにも見える。
しかし、もっと組織や業界の根本的なところに目を向けると、古い慣習や体質が残っているような気がして、わたしはなんか嫌な感じがしています。