薄毛治療としての“ヘアタトゥー”について

今回はひさびさに薄毛ネタの記事を書きたいと思う。
 わたしは20代前半のころから若ハゲ、男性型脱毛症に苦しんできた。そんなわたしが、20代の終わりに一発奮起して受けてみた施術が、ヘアタトゥーとよばれるものだ。

正しくはSMP(スカルプ・マイクロ・ピグメンテーション)とか、MHT(マイクロ・ヘア・テクニック)と呼ばれる。要は、特殊な針と特殊な染料を用いて、頭皮にインクをドット状に打ち込み、毛根が残っているように見せかける技術である。
 ヘアタトゥーといっても実際のタトゥーのように深く刺すわけではなく、むしろ“頭のアートメイク”のことを指しているものと考えてもらったほうが正確である。

そこで、次のような疑問が湧くだろう。
「そんなことをしたところで、シャワーを浴びたらインクが流れてしまうのではないか?」
これは当然もっともな疑問で、実際1回か2回の施術ではあたまに定着しない。数回に分けて、繰り返し行うことで色素が頭皮に定着していくのである。わたしも最初のころは頭皮にほとんど定着しなかった。
 施術後、厳しく注意されたのは、最低5日間は頭にシャワーをかけないこと、シャンプーを使わないこと、頭皮を保湿すること、といったことであった。ちなみにわたしはその後、今日にいたるまでシャンプーを一切使っていない。頭を洗うときは湯シャンで、お湯をかけるだけである。

いまでこそ、こうしたヘアタトゥーを行うクリニックが日本国内にいくつかあるようだが、わたしが初めて受けた2012年末にはほとんど知られていなかった。
 当時は、イギリスのHISクリニックで訓練を積んだ施術者が札幌でほそぼそと開業していると聞き、わざわざ札幌まで施術を受けに行ったことを憶えている。値段はたしか25万円くらいだった。これはハミルトンのスケールを用いて薄毛の進行レベルによって人それぞれである。
 その後、施術をしてくれた人は「今後東京でクリニックを立ち上げるから、看護師として一緒に仕事をしないか?」といわれ、短い期間ではあったが仕事を手伝ったこともあった。そのクリニックは、紆余曲折をへたのちに現在「SPJクリニック」という名称で、東京・浜松町で営業している。

その人がいうには、「この施術は(日本では)厳密には医療行為に当たるため、医療資格を持つ人にやってもらいたい」という話だった。
 ただ、こうした治療には向き不向きがあると思う。美容関係の看護師や准看護師で、アートメイクの経験がある人はこうした仕事に向いていると思う。あとは、手先が器用な人、アートとか芸術のセンスがある人も向いてるのではないか。

現在、男性型脱毛症の治療は、薬物を使ったものがほとんど大半だと思う。しかし、わたしはこうした治療には懐疑的で、むしろ反対である。なぜなら、薬を使って治るものじゃないから。
 一生、AGA治療薬を飲み続け、医者と医療ビジネスのカモにされるのはまったく下らないと思う。また、当然副作用の心配もすべきだろう。ワクチンとかもそうだけど、製薬会社や医療関係者は安全性ばかり強調する傾向があり、ときには薬のデータも捏造することがあるので用心すべきである。

この“ヘアタトゥー”は薄毛を治すわけではないし、毛髪を生やすわけでもない。しかし、男性の見た目の問題を、ある程度は解決してくれる画期的な治療法だといまでも思う。
 わたしは、外出するとき、いまでも帽子が手放せないし、坊主だと目立つからイヤだと思っている。しかし、この施術をうけたことによって精神的にはだいぶ楽になったとも感じてもいる。坊主頭が似合う男性の薄毛患者には、この施術はオススメである。


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