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家族への連絡は、介護職の業務なのか?

もうじき退職するいまの施設で、どうしても納得がいかないことの一つに、家族とのやりとりまで介護職がやらなければならない点がある。
 居室担当が毎月一回は連絡して、利用者の様子を伝えることはもちろんのこと、転倒や皮膚に傷が見つかったらその旨を連絡しなきゃならないし、薬が変更したら、変更した理由とともに家族に連絡しなきゃならない。そういうことになっているらしい。

以前も、ユニット型特養で働いていたことがあるが、そこでは家族連絡は介護ではなく、相談員やケアマネの業務になっていた。
 ユニットケアの現場では、介護の業務は多岐にわたるのに、ユニット内の見守りをしながら、さらに同時に家族とのやりとりまでやらされることには疑問しかない。
 とくに、利用者の薬の変更とかは、ふつうに考えたら医務室の看護師が家族に連絡するのが当然だと思うのだが、なぜかユニットの介護職が連絡することになっている。

こうした現場レベルの不満や意見を、もっと管理職(施設長)とか他職種と意見交換する機会があればいいのに、そういう場もまったくない。だから、気持ちを吐き出すこともできず、ストレスがたまっていく一方である。
 いまの施設は、ある週刊誌に“関東の優良老人ホーム”の一つとして紹介されていたらしい。それは、こうした家族との緊密なやりとりが評価されているのかもしれないが、それは現場の介護職に余計な負担がかかっているだけのことである。
 本当なら、利用者のケアをどうするのかと同じくらいに、施設の業務や運営のあり方について考えたり、意見を出し合う機会があってもいいはずだ。だが、そういう方向に決してならないのは、この施設は権威主義的な感じがするし、経営陣の頭がかたく、古い体質の組織だからだろうか。