仙台89ers:2021-22シーズン 第15節(1/3、4 Away Game vs香川 at 高松市総合体育館)雑感(バスケットLive観戦)
今節のプレビューはこちら。
試合前のトピックは特にないのでさっそく見てまいりましょう。
◯GAME1(1/3 18:00 TO)香川81仙台70
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出身停止明けのバーレルの活躍に期待したいですね。
さて序盤からお互いに慎重な立ち上がりで守りあいな展開。仙台は前節同様3Pも積極的に放りますが、このGAMEでは今一つ。インサイドからの攻めもなぜかリングに嫌われるパターンが続くのと、仙台のパス回しが香川ディフェンスに引っ掛けられてオフェンスの流れが途切れる場面が多いのが少し気になります。
ディフェンスも悪いわけではないのですが、ウッドベリーを警戒しているからか、ブラントやブラントを起点とした日本人選手に切り込まれる場面が目立つのもまた気になります。アウェイの福島戦でやられていた形に似た感じとでもいいましょうか。
2Qもなかなか重たい展開でお互いFGの決定率がよくないな中、仙台の方が香川のディフェンスの圧を攻めあぐねどうにも決めきれずに少しずつ得点差をつけられ前半は7点のビハインド。しかし31-38と双方30点台のロースコア気味の展開は、攻撃力の高い香川が相手だとすればまずまず仙台の土俵で戦えているとはいえるかもしれませんので、後半の巻き返しに期待したいところ。
しかし後半に入っても重たく互いに決めきれない守り合いの展開が続き、2〜3ポゼッション差がなかなか縮められません。インサイドを攻めるも最後のところでポロッとリングからこぼれてしまったり、バイオレーションでポゼッションを失ったりともったいない形が目立ちます。
とは言え香川側も仙台ディフェンスを効果的に攻められているかといえばそうでもなく、そこそこターンオーバーをしてしまう場面があり、仙台を突き放すまでには至りません。しかし相手のターンオーバーを活かせない仙台もなかなか厳しい。
6点ビハインドの中、勝負の4Qは12月のようにしっかりとした守りから逆転を狙いたいところだったのですが、伊集の無理矢理に見えたドライブが仙台のファウルを誘いリングに吸い込まれたボールはバスケットカウント、アンド1となったところでツキと流れは香川にすっかり傾いてしまいあれよあれよという間に得点差が開いていってしまいます。ギアを上げたかったディフェンスでしたがどうにも足の動きが悪く、香川オフェンスの後手を踏んでしまいなかなか止められません。
4Q残り4分のところでこのGAME最大の18点差をつけられてしまってはもはや勝負あり。最終盤に少し流しにかかった香川に岡田のドライブや寺澤の連続3Pなど若手の躍動で一矢報いることはできましたが抵抗虚しく2022年の初戦は悔しい敗戦です。
気になった選手:(香川)兒玉
GAME1を観ていて、香川躍進の要因はやっぱり彼だよなあ、と思わず唸ってしまう活躍ぶりでした。香川はその絶対的エース、ウッドベリーの存在がクローズアップされがちですが、兒玉のゲームメイク、ディフェンスの激しさ、独特のシュートフォームから繰り出すシュートの正確性と得点力、そしてキャプテンシー。これらをもって香川を引っ張っているのがよくわかります。渡辺、神里、岡田などは是非今後の参考にしてほしい選手ですね。
◯GAME2(1/4 13:00 TO)香川72仙台90
スターターはこちら。
GAME1と変更なし。今はこの5人がベストなコンディションなのでしょう。片岡が元気だとこちらもなんか嬉しい。
GAME1ではこちらの強みを発揮できずにやりたいことをさせてもらえず、逆に香川には終盤はいいようにやられてしまいましたが、一晩たってどこまで立て直すことができなでしょうか?特にGAME1でどこか緩くなっていたディフェンスのインテンシティは取り戻すことができるのか?といったところがポイントになりましょう。
しかしGAME2ものっけからウッドベリーの得点に始まっていきなり7-0のランを作られてしまいます。仙台はこのGAMEも入りからインサイドをあまり使えておらず、外目から放るも決めきれません。GAME1もかくやのいやな感じを思い起こさせる展開。
初めの数分の入りこそあまり良くなかったものの、その後から仙台ディフェンスのインテンシティが正月休みからおめざめ。バーグに3Pを決められた以降はターンオーバーを誘ったりタフシチュエーションでのシュートに追い込んだりと、ほぼ香川のオフェンスをシャットアウトしていきます。特筆すべきはGAME1でやはり手を焼いた兒玉へのディフェンスマッチアップを田中としていたところ。高さのミスマッチがありディフェンス力がある田中は児玉に思うようにプレイをさせません。
一方、いいディフェンスからオフェンスの方もリズムが生まれ始め、インサイドでメインセやバーレルがゴリゴリっと得点を重ねる形はGAME1ではあまり見られなかったところです。
その後もオールコートでのゾーンプレスなどで香川にプレッシャーを与え続け、ターンオーバーやスティールで香川のオフェンス機会を奪うことに成功、また3Pも確率がそこまでよかったわけではないですが要所で良く決まるのと、ミドルレンジの成功率が良くじわじわと香川を引き離していきます。
香川の方はGAME1でもポイントリーダーだったブラントを軸に反撃を試み、インサイドではGAME1同様に決めてきますが、仙台のディフェンスのプレッシャーもあってか外角シュートの精度が悪く、そこは仙台も助かっている感じ。
前半はFGをGAME1とは違い確率よく決められ、ディフェンスでは香川のミスを誘うことで思うように攻撃をさせず12点のリードを得て終了、このまま後半も押し切りたいところです。
後半もディフェンスのインテンシティは衰えず、香川のミスとターンオーバーを誘発し、香川になかなかいい形でのオフェンスの機会を与えません。またバーレルがこのGAMEはすっかりインサイドを支配して面白いようにゴールを重ねていくと、インサイドに気を取られているところを片岡が得意のバックドアからシュートを決めたりと、GAME1には見られなかったリズムの良さがありました。
香川のほうもブラントのインサイドワークはこのGAMEも力強く打開を図ってきますし、ウッドベリーも良くないなりに隙を見せるとペリメーターからのジャンパーやペネトレイトなどで得点はしてきますが、仙台のディフェンスがこのGAMEはとても良いため、単発気味になっていました。
3Qで仙台は3〜4ポゼッションの点差をうまくコントロールしながらゲームは進行していったのですが、4Qに入り仙台がまたグッとディフェンスのギアを上げると、香川はそのプレッシャーの前に30秒バイオレーションやトラベリングバイオレーションなどを連発してしまいます。
そうこうするうちに仙台は着実に得点を重ね、残り3分半ほどの時点でバーレルのド派手なスラムダンクでこのGAME最大の23点のリードを確保しほぼ勝利を手中にし、その後はややオープンな展開で互いに得点しあう形にはなりましたが危なげなく勝ち切ることに成功、GAME1での借りを返しただけでなく、得失点差もプラスにすることができました。
気になった選手:神里
渡辺の負傷でスターターを務める機会が多くなっていますが、経験というのはやはり大きな成長を促すのでしょう、このGAMEでもフロントコートからのしつこいディフェンスでスティールや相手のターンオーバーを誘うことができていましたし、シュートも3Pやミドルレンジの正確性もかなり上がっている感じです。これからも渡辺や岡田らと切磋琢磨して更なる成長に期待したいものです。
◯最後に
完敗と完勝という対照的な結果で終わった今節。敗れた方のGAME1も強みであるディフェンスがそこまで悪かったかといえばそうでもないと思うのですが、年末年始のオフを経ての今節、やはり少し身体が重いというか足が動かないような感じが見受けられ、そこがディフェンスの緩みやオフェンスでの正確性の欠如をもたらしたのかもしれません。
ディフェンスがハマらないときはオフェンスも乱れるという良くない時はお馴染みの内容で4Qに我慢しきれず息切れしてしまったわけですが、中盤の敵失をついていけなかったオフェンス面の甘さが少し残念な内容。
一方GAME2では持ち前のディフェンス力が炸裂し香川のオフェンスを封じると、オフェンスではトランジションからのファストブレイク、インサイド、アウトサイドとバランス良く決めることができたのは悪い流れをあまり引きずらなくなってきたのかな、という感じを受けます。
しかし気になるのは両GAMEともウッドベリーの得点力はまずまず抑えることができたものの、ブラントには両GAMEとも20ポイントオーバーの得点を許してしまったところです。これは11月のアウェイ福島戦でウォッシュバーンにやられた時と少し似ていて、機動力のあるビッグマンのピックアンドロールやインサイドへのダイブへの対応をもう少し考えていかないといけなさそうです。
とはいえ西地区1位の香川相手に1勝1敗は御の字ではありますし、香川の土俵には乗らずにディフェンシブに仙台の得意とする展開に持って行けたところは良かったところではないでしょうか。GAME1ではオフェンスが湿ってしまっていたのは誤算だったかもしれませんが。
さて次節はHOMEへ戻っての東京Zとの闘いです。最近調子が上向き気味で本当に侮れない相手ですが、それでもできるだけ下位の相手に取りこぼしなくいきたいところですね。
それではまた。
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