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仙台89ers:2021-22シーズン 第12節(12/18、19 Away Game vs山形 at 山形県総合運動公園)雑感

今節のプレビューはこちら。

そして試合当日のクラブリリース。

先日練習生から本契約を勝ち取った喜久山でしたが、今節からしばらく欠場の見込み。田中が怪我から復帰したと思ったら入れ替わるかのような感じになってしまいました。まずは無理せず療養に専念してほしいですね。

それでは今節のGAMEを見てまいりましょう。

◯GAME1(12/18 18:00 TO)山形71仙台75

スタメンはこちら。

ここまで不動のスタメンとなっていた渡辺が外れ、神里が入ってきました。ここ最近渡辺はどこか少し気負い気味だったような感はあったので、試合の流れを見ながらベンチスタートというのもありかもしれません。

神里のチョイスは3Pの確率がいいですし、相手の圧をいなすのは渡辺より上手いあたりが買われたのでしょう。

そして田中が満を持してスタメン復帰。ディフェンダーとしての能力は間違いないですし、自身最大の武器である3Pにも期待です。

・・・とまあ期待に胸を膨らませて臨んだ現地観戦でしたが、前半の出来はお世辞にも良いものとは言えず、むしろここ最近見られる自ら流れを悪くしていく自滅癖というべき悪い内容が再び出てしまっていました。

山形はディフェンスで河野や中島が仙台ガード陣にアグレッシブに来て思うようにパス回しをさせなかったり、仙台対策の定石とも言えるインサイドを自由にさせない策がまずはハマった形。

仙台は強みであるインサイドでバーレルがやや精彩を欠いていたり、ターンオーバーも少し多めで、スティールされたボールをカバーしようと勢い余ってアンスポーツマンライクファウルも取られてしまうなどで流れがどんどん悪くなっていくここ最近の良くない時の光景が続きます。

一方ディフェンスは定番のマンツーマンやオールコートプレスからのゾーンディフェンスを並行しながら粘っこく遂行し、山形のミスを誘うシーンも多く、悪くはない感じ。ただ少しディフェンスリバウンドが取りきれていない分山形にセカンドチャンスを許しているのが点差となって現れてしまい、2Q開始後3分ではさらに山形に走られ最大15点差にまでリードを広げられます。先月からの悪い時の流れをすっかり踏襲している感じで見ているこちらもかなり意気消沈です・・・。

しかし、山形の方もディフェンスを強めに来ている分、ファウルがかさんできていて、OTO後はそこをきっかけに仙台は少しずつ盛り返していくあたりはいつもの悪い流れとは少し違っていました。

そんな中でゴール下で交錯したメインセが理不尽な判定(山形の選手引き倒されたのにノーファウル)にでも激昂したのか、ロッカールームへ引っ込んでしまう事態に。後半には戻ってきていたのですが、左目の上に止血の絆創膏が。どうやら交錯時に切ってしまっていて、それで自らロッカールームに引っ込んだ模様。

そんな状況に発奮したのか、仙台は2Qの終盤ごろから少しずつ攻守に動きが良くなり、前半は最終的には1Qで作られた7点のリードのままで終了させることができましたが、後半巻き返すことができるのか、悪い流れのままズルズルいってしまうのか、これまでとの違いを見せてほしいところです。

果たして後半、一気に走ったのは仙台。そしてそのきっかけを作ったのが特別指定の岡田でした。後半開始から山形のディフェンスかなぜか緩んでいて、その隙をついたミドル、自ら切り込んでからのアシスト、FT獲得などで一気に流れを呼び込みます。

チーム全体も2Q終盤からようやく強度が出てきたディフェンスが上手く機能して3Q開始から13-0のランを作り一気に逆転、その後も内外にバランスよく攻めることができ3Qだけで実に30得点の大爆発。ディフェンスでも12失点にとどめ、前半の出来が嘘のような内容で11点のリードを作ります。

このままのペースで行ければ勝利は間違いなしなのですが、そこで少し緩んでしまうあたりはまだまだ悪癖も治りきっていません。山形が4Qでまたディフェンスのギアを少し上げると、仙台は再びターンオーバーなどのミスを連発し、4Q出だしの2分間で10-2のランを作られ、あっという間にリードを溶かしてしまいました。

ただそこからはこれまでの悪い時の仙台とは少し違うというか修正できているというか、ディフェンスが我慢できていてギリギリ踏みとどまり、ファウルがかさむ山形からFTをしっかり獲得、決めていくことでリードを保ち逆転されるには至りません。しかしホームで負けられない山形も必死に食い下がり、残り40秒の時点でリードは1ポゼッション差の2点にまで詰め寄られます。

逃げ切りを図りたい仙台は最後のポゼッションでゴールを決め切り2ポゼッション差にしたかったところで勝負のあやが。ウィングの位置でバーレルと交錯したウィリアムズがファウル、そして倒れ込んだところでおもわずスポンサー看板を殴りつけてしまいさらにテクニカルファウルの宣告で5ファウルとなり痛恨のファウルアウト。この流れで獲得した3本のFTうち2本を沈めて4点差として残り12秒の山形の最後の攻撃も凌ぎきり、僅差の勝利をモノにしました。

なんとか山形の追撃を振り切ることができましたが、4Qで一度でも逆転を許していたら、このGAMEは取れていなかったかもしれません。そう思うと先月から続く自滅癖も少しずつ修正できているのでしょう。前半の出来を見た時は「相変わらず自分たちで苦しくしてるなぁ」と思ってしまいましたが、しぶとく勝ち切ったあたり、少しずつ着実にチームとして成長していることが感じられたGAMEでした。

気になった選手:岡田
後半早々、前半のいやな流れを断ち切ってくれました。やはり関東2部とはいえリーグ戦個人得点2位の力は伊達ではありません。渡辺や神里と同様そこまで上背があるわけでもありませんが、その2人と切磋琢磨することでさらに成長していくことでしょうし、今後の仙台を引っ張る選手の一人となってほしいものです。

◯GAME2(12/19 14:00 TO)山形67仙台83

スターターはこちら。

渡辺復帰、神里はそのままに2ガード。なかなか興味深いセレクト。田中はシュートタッチはまだ戻ってないようですが、GAME1でもいいディフェンスを見せていたのでそのままいくということでしょう。

一方、山形の方は昨日のテクニカルファウル(スポンサー看板の殴打)がリーグ規約の懲罰対象となってしまい、GAME2は手痛い出場停止。仙台もバーレルが結構テクニカル取られてしまうほうなのでちょっと他人事に思えないところも・・・。

さて、立ち上がりから仙台の2ガードと田中が前からディフェンスにいき、山形になかなか勢いを作らせません。オフェンスでもオリバーやバーレルにいい形での合わせのパスからのペイント内ゴールや、外からも要所で3Pを決めたりと上々の滑り出し。このGAMEも少しターンオーバーは多いかな?という感じなのは少し気になります。

2Qも入りよく序盤で得点を重ね最大14点のリードとしたものの、OTO後あたりからいつものリードを取るとリードを溶かす悪癖が首をもたげだします。お互いファウルがかさみ、早い段階で双方4ファウルとなっていたのですが、そこからディフェンスの集中力を上げたのは山形の方で、仙台が思うように攻められなくなってしまいました。結局OTO後に仙台があげた得点はバーレルのミドルシュートの2点のみ。そうして攻めあぐねるうちに2Qでお目覚めのサンチェスを中心に次々と得点を重ねられ、最後はそのサンチェスのブザービート3Pを許して逆転されてしまうという最悪とも言える状況で前半を終えてしまいます。

仙台もそこまで悪いわけでもなかったのですが、ファウルも辞さぬ勢いで変わらぬ強度でディフェンスを遂行してきた山形に対して、ファウルを恐れてか、少しディフェンスで隙を見せたところで逆転を許すことになってしまいました。まずは後半は少し巻き直しを図ってほしいところです。

さて後半に入るとこちらの心配をよそにしっかりと仙台は立て直してきました。ファウルの呪縛が解かれたからか、出だしからまたインテンシティ高いディフェンスができていて、山形に思うように攻撃をさせません。一方の山形は2Q同様ファウルも厭わないディフェンスで来るもののそのままファウルを重ねてしまい、4分経過時ですでに4ファウル。しかもそのファウルが仙台のアンド1になってしまう悪循環。仙台はそれをしっかり活かして確実に得点を重ねこの時点で15-2のランとし、一気に突き放しにかかります。

山形も好調サンチェスを軸に反撃を試みますが、結局GAME1と同様の展開となり27得点の仙台が9点リードで3Qはフィニッシュ、こうなるとこの時点でGAME1よりは差をつけていない分、4Qで悪い時のような流れとしないことが大事になってきますが、3Qもほぼブザービートの3Pプレイで差を詰められたのが少し不安要素。

その不安要素を実証するかのように、4Qは出だしから山形にポンポンと得点を重ねられる嫌な感じになりかけます。しかしながらGAME1と明暗を分けたのはやはり山形側のファウルの多さ。仙台ガード陣のスピードある切り込みやバーレルやメンイセのインサイドワークにはたまらずファウルで止めるしかなくなり、GAME1同様フリースローの試投数も仙台はどんどん増えていき、着々と得点を重ねます。

またインテンシティの下がらない仙台ディフェンスに対して、山形は好調といえども疲労が見え出したりファウルがかさんでいたりしたサンチェスやローソンjrをコートに置き続けなけれなばいけないあたり、ウィリアムズの出場停止がこの終盤にきて響いてしまっているようでした。というところで仙台はOTO後はしっかり時間を使いながらリードを保ち続け、そのまま敵地で価値ある連勝をゲットできました。

気になった選手:渡辺
開幕からスターターを張り続けていたものの、ここ数節どこか気負いが目立ち、少しから回っている感じがしていたのは気になっていたのですが、GAME1でスターターを外れ、ベンチから仲間たちの試合ぶりを眺めていたのが功を奏したようで、どこか吹っ切れた感じを受けるプレイぶりでした。特別指定の岡田の加入ももしかしたらいい刺激になっているのかもしれませんね。

◯最後に

前節佐賀戦で見せてしまった、突然自分たちで試合運びを苦しくしてしまう自滅癖が曲者山形相手にどうなるのかが気がかりな今節でしたが、GAME1ではまだ少しその悪癖が顔をのぞかせかけていました。しかし今節はGAME1、2とも相手に流れが傾き、崩れかけてもなんとかディフェンスのほうで締めることができ、そこから流れを取り戻して勝利に結びつけることができたのは収穫だったのではないでしょうか?

やはり今節AWAY GAMEで2つとも勝利できたのはとても大きく、今節は同地区のライバルたる越谷と福島がそろって2つ敗れていたことから、この2クラブと勝敗数で並ぶことができました。この調子で次節以降も勝利を重ねていきたいところですが、次節以降は中盤の山ともいえる試合日程で、AWAYでFE名古屋、HOMEのWEEKDAY GAMEで越谷、そして年明け早々は西地区1位の香川と強豪との対戦が続きます。特に次節のFE名古屋は目下3敗しかしていないほどの絶好調ぶりですが、昨季の群馬に対してのように、仙台には連勝ストッパーとなってほしいものですね!

それではまた。


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