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仙台89ers:2021-22シーズン 第6節(11/10 Away Game vs越谷 at ウィング・ハット春日部)雑感(バスケットLive観戦)

◯はじめに

前節福岡戦GAME2で終盤の試合運びやプレイセレクトの拙さからみすみす勝てた試合で土をつけられてしまった仙台は連勝が6でストップ。特に攻撃面での様々な課題がまたポロポロ出てきた感はありますが今節までの短い間にどこまで修正できたでしょうか。

対戦相手は目標到達のためには避けて通れぬ倒さなくてはならない越谷。昨季はいいようにやられた試合が大半でしたが、今季は昨季みたいにはいかないぞ、ということを見せつけたいところ。

◯越谷アルファーズ

昨季は茨城と並んで相性が悪かった相手でした。レギュラーシーズンは1勝4敗、ポストシーズンが1勝2敗。仙台としては今季はその借りを返していくシーズンでもあります。

越谷のインサイドに君臨するはご存知帝王バッツ。ディフェンスをしようにもバッツを抑えると外からやられ、外を警戒するとインサイドを蹂躙され、というパターンでしょうか。ブラッキンスが上背あるセンターにも関わらず3Pの精度が高く、内外で力を発揮する選手でこれもとても厄介。ディフェンスでもバッツの巨体が鎮座することでインサイドの優位性を確保するのもなかなか難しい。なんでそんなに飛ばないのにリバウンド取れるんだw(ポジショニングが抜群にうまいんだよね)

そのほかにも長谷川、松山、飯田、オクテウスなどガード陣は曲者揃いですし、オリンピック3×3代表の落合も長身ですが外も苦にしないなど、インサイドアウトサイド全方向から攻撃を繰り出してこれるクラブです。

仙台としては守備のほうは帝王バッツをいかに封じるか、封じた時に周辺の他のプレイヤーたちをどう止めるのかがポイントになりましょう。攻撃の方はここ数試合湿り気味の3Pのタッチが戻るのか、帝王バッツに対して正面からインサイドで攻めていくのか。注目しましょう。

◯GAME(11/10 19:00 TO)越谷77仙台76

おやおや、越谷はいきなりゾーンですか・・・。仙台対策はバッチリですね。やっぱりなかなかインサイドには入って行けませんが、メインセのミドルがこのGAMEは調子良さげです。前節とは違って簡単に3Pは打っていかない感じがしますが、越谷はゾーンにけっこうすきまがあってミドルレンジから狙っていくもそこまで精度は良くなく、ピリッとしないオフェンスは今節も引き続きな気配。

ディフェンスのほうもターンオーバーに追い込んだりと悪くない感じではあるのですが、バッツやブラッキンスに外に誘い出されたところを日本人選手のペネトレイトで得点を重ねられ、1Qは5点リードされる展開。

流石にオフェンスの今一つさは中2日では改善しきらんかったかな・・・でも前節3Pが不調だったにせよ、試投数もかなり少なくなっていてそれはそれでどうなんだろう。

2Qに入ると仙台のディフェンスのギアが少しあがり、越谷のターンオーバーを誘うなどいい感じになってきます。ただオフェンスの今一つさでなかなか逆転までいけずにジリジリする展開。それでも寒竹が得意の3Pを決めて逆転したところでOTO。この後もディフェンスのインテンシティはそのままに、オフェンス面のギアアップに期待したいところ。

OTO明けしばらくは一進一退の攻防が続きますが、このQ明暗を分けたのが3Pの精度。仙台はウイングやコーナーにボールを回して3Pを撃つシチュエーションを作り出せているにも関わらず精度悪くさっぱり決まりません。一方、越谷は多少深めなところからでも松山、長谷川、ブラッキンスと立て続けに3Pを決めてきて一気に突き放されてしまいます。結局この3Pの精度の差が響き、差を7点に広げられて終了。越谷には2Qだけで5本の3Pを沈められここまで越谷6/14、仙台は4/11。

さてこのままでは昨季同様越谷にいいようにやられてしまいます。ただバッツには今のところまずまず対応できているようなので他の選手への対応が求められます。特にバッツにダブルチーム、トリプルチームであたった時の後が肝心。

3Qは出だしから再び越谷に精度よく3Pを決められて巻き直しに向けて嫌な雰囲気。仙台はメインセがインサイドで踏ん張っていますが、その頑張りのおかげで渡辺がペネトレイトを仕掛けていくもレイアップが悉くリングに嫌われますます嫌な雰囲気になりリードをじわじわと広げられていきます。何でこんなに3Pが入らなくなったんかなー?田中に至っては前半は試投も無しだし・・・。

3Qは5分経過するまで良いところあまりなし。つらい・・・と思ったらオリバーがコートインしたところから少し流れが変わり始めます。ディフェンスのギアが上がり始め、オフェンスは澤邊の3Pを皮切りに速攻、寒竹の3Pが連続で決まり一気に差を詰め同点に持ち込むことに成功。そこからはまた一進一退で進みますが、このQは澤邊の切り込みがよく効いていました。毎試合コンスタントにこういうプレイをしてくれればな。一時は12点差まで広げられましたが1点差まで詰めて3Qが終了。

ここ何試合かの後半のgdgdさは見られず、攻守に上向きになってきたところで4Qで一気にまくりたいところだったのですが、4Qもやっぱり3Pがこないですねえ・・・。ディフェンスもよくできてるんですが、FTを与えるファウルが多い・・・。3分経過ですでにチームファウルが5つだし・・・。

うーん、またじわじわと差を広げられていく展開かこれ・・・。と思っていたら愚直にしつこいディフェンスが効き出して少しずつ盛り返し、OTO時には1点差まで戻すことに成功。ここからさらにギアをあげられるでしょうか。

OTOもしつこくディフェンスは頑張り、寒竹がこの日3本目の3Pで食い下がるのですが、なかなか逆転までいかないまま時間が経過します。

一進一退の攻防の中、寒竹が実質4本目の3PとなるFTを3本決めるとあとはさらにディフェンスを頑張り逆転するだけのところで起死回生のバーレルのダンクが決まりようやく逆転、その後はお互いに得点を取り合い76対76の同点になり残り4秒強となったところで問題のあの場面がやってきます。

多分越谷のラストプレイ、うまくターンオーバーを誘ったまでは良かったのですが、そこから最後の攻めに行こうかという時にバッツの足に当たったボールが大きく跳ね返りコート外に転がっていくも、なんとこれが越谷ボールの判定。この場面については後述しますが、キックボールじゃないのかと判定に納得のいかないのは仙台側。SNSも大荒れ。そりゃそうだ。

ワタクシもこのシーンの少し前あたりからはリアルタイムで見ていたのでその時はぶっちゃけ「何だよこのク◯ジャッジ!」と思っていましたね・・・。でもまあ越谷ボールになってしまったのはしゃあない、同点ですし残り時間まずはしっかり守ろ・・・あっバーレル待って、抗議やめて、点差と残り時間考えて・・・。

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ああああ、テクニカル取られちゃった・・・。ダメだよそんなところで取られちゃあ・・・。

ということでテクニカルで得たFTを長谷川が確実に決めて、結局これが決勝点、前半の劣勢からよく盛り返したんですが最後の最後のプレイのあやで敗北を喫し、手痛い連敗となってしまいました。あー悔しい。

気になった選手:澤邊
この日、劣勢に立たされた前半から一転後半に盛り返してクロスゲームにまで持ち込めたのはこの人のおかげ。3Pを要所で決めたり得意のペネトレイトで得点したり。その一連のプレイでチームは息を吹き返せました。記事内でも書いた通り、澤邊がコンスタントに得点してくれるようになれれば仙台のオフェンスはパワーアップできそうです。ただ一つだけ、FTはもうちょっと決定率上げてくださいw

◯問題のシーン

さて、SNS上でも物議を醸したあのシーンを振り返ってみましよう。いろんな方が映像をキャプチャーしてSNS上にアップしておりましたので、ディレイ視聴の前に何度も繰り返して見ることができました。見さしていただいて言うのもなんですが、ほんとはキャプチャー映像をネットに上げるのはイケナイ行為ですからね、そこはご留意くださいね。

何度も見たところでわかったポイントは2つ。

・ジャッジが3人ともキックボール判定をしていない
・キックボール判定していないためOB判定になったが、最後にボールに触れた選手が誰だったのか

まず一つ目の事象ですが、越谷のターンオーバーから少ない残り時間で攻撃に出ようとバーレルがボールをついた瞬間、前を行くバッツの踵にあたりボールが大きくリフレクションします。これは映像でもはっきりわかります。

これがキックボールであればその時点で笛が吹かれるはずですが、ジャッジは3人ともこの時点でコールしていません。では競技規則としてはどうなのでしょうか?

【抜粋】
第 13 条 ボールの扱い方

13-2 ルール
ボールを持って走ること、故意に足または脚(大腿部も含む)でボールを蹴ったり止めたりするこ と、ボールをこぶしでたたくことは、バイオレーションである。 ただし、ボールが偶然に足または脚に当たったり触れたりすることは、バイオレーションではない。 13-2に違反することはバイオレーションである。

出典:『(公益)日本バスケットボール協会 2020 年 4 月 1 日施行「2020 バスケットボール競技規則」』

Oh・・・しっかり書いてあるではないですか。今回のシチュエーション、映像を見ても前を走るバッツがバーレルのドリブルを意図的に阻止しようとした素振りは全くなく、バーレルのボールの突き出しがまさに偶然に触れたものであることは明白。なのでこの時点でジャッジの判断は正しかったことがわかります。

となりますと、二つ目の事象ですが、大きく弾んだボールがバーレルをかすめてエンドラインへ転がっていきます。いちばん近くで一連の流れを見ていたジャッジは仙台ボールをコール。そして件の場面になるわけですが、いちばん遠くにいたジャッジがコールしたジャッジのもとへ駆け寄ると一転判定は覆り越谷ボールとの判定になったわけです。

映像から見る角度ですと、何度目を凝らして見てもバーレルに触れているようには見えません。それは最初にコールしたジャッジも同じだったのでしょう。しかし、反対側から見ていたジャッジにはボールがバーレルに触れていたのが見えたのかもしれません。たとえ本当は触れていなかったとしても。

ただそれを確かめたくとも、我々がベンチサイドからの映像を確認できない以上、バーレルに触れたか触れないかは判別不可能であるため、グレーではありますが誤審かどうかも判別不可能であります。

結論から言いますと、リアルタイムで見ていた時にはほとんどの方は「キックボールバイオレーションが見逃されたうえにそれでもバッツに当たってOBとなったはずが越谷ボールになった」と捉えたのだと思いますが、実際は「バッツに当たりリフレクションしたボールが最終的にバーレルに触れたかどうか非常に微妙だったけれど触れたとの判定だった」ということでしょう、そこに誤審の余地が若干残っているところはありますが・・・。

なので今回の事象はあからさまな誤審ではなく、誤審の余地がなくもない程度の非常にデリケートな判定だった、ということになります。

判定をきっかけとした流れで勝負の行方が左右され敗れた仙台側には釈然としないものがあるのは確かですが、一定の角度からの映像しか見られないワタクシたちよりも実際コート上におられるジャッジ団のほうがちゃんと見てる場合のほうが多いはずです。であれば、あからさまな誤審と言い切れない以上はワタクシたちもその判定を尊重しなければならないでしょう。仙台を黄援する者としては心情的には決して面白いものではありませんが。

◯終わりに

今節もチームとしての3Pは湿りっぱなし、前節ほど簡単には放っていなかったように思いますが、寒竹が3/4と気を吐いたもののチーム全体では6/19でなんとか決定率が30%を超えたところ。同じく3Pを得意とするはずの田中は3Pの試投が0、これは寂しい。渡辺もこのGAMEでは0/5と入るときと入らない時の波が大きすぎですね・・・。

あとは試合の終わり方がジャッジのあやで後味が悪かったのは確かですが、Qの締め方、試合の締め方に以前から課題を抱えていた仙台の弱点が前節GAME2に引き続きまたもまろび出てしまった形でもあります。最終盤でまたスローインミスもしかけてましてたし・・・。この辺は早いところ修正しないといけないのでは?

あとバーレル。件の判定に対する気持ちはとてもわかりすぎるぐらいわかります。わかるんですが、相手ボールになったとてまだ同点でしたし、その後をしのげば延長、あるいはミラクルなスティールからブザービーターで逆転勝利だってあったかもしれません。Co-Captainを任されている以上、あそこまで執拗に食い下がるべきではなかった・・・。敵はジャッジではないのですから。結局抗議の挙句取られたテクニカルでの1点が決勝点になってしまいました・・・。

とはいえ苦しい時はいつも体を張ってチームを鼓舞し助けてくれるバーレルへの信頼は揺らぐことはありません。闘争心とクレバーさをもった熱いプレイがバーレルの魅力であることも承知しています。ただ一つ願わくば、この日のような理不尽に思えることがあってもどうか自制心を持ち続けてほしい。そうすることができればこのチームはまたさらに上の段階にきっと行けると思うから。

さあ、いかに釈然としない結果でも結果は覆りませんし負けは負け、気落ちする間もなく週末には山形とのホームゲームです。山形ももっか調子が良さそうではありますが、ここでしっかりと叩いて、その次の青森も含めてホームで4連勝といこうではないですか。そのあとは福島、西地区強豪の熊本と佐賀との連戦も控えていますしね・・・。

それではまた。

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