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仙台89ers:2021-22シーズン 第14節(12/29 Home Game vs越谷 at ゼビオアリーナ仙台)雑感

2021年のラストゲーム、プレビューはこちら。

試合前にクラブから3本のリリース。

バーレルのリーグ懲罰について。まあわかってはいましたが今GAMEは出場停止です。前試合のラストのアンスポ判定が痛かった(顔に肘が入ってしまっては仕方がない)。

プレビューでも触れました、特別指定選手の寺澤が今節出場に間に合いました。すでに活躍を見せている岡田同様、クラブの力となってくれることに期待しましょう。

そして渡辺の怪我は意外と重かった。開幕から八面六臂の活躍でしたのでここで終盤までの不在は痛いところですが、焦らずしっかり治してほしいですし、その間はコート外から見えるものも沢山あると思うので更なる成長の糧にしてほしいですね。

◯GAME(12/29 15:00 TO)仙台86越谷75

さて上述の通り、渡辺・バーレルと主力を欠くというエマージェンシーの中闘うWEEKDAY GAMEの相手は相性最悪かつ不倶戴天のライバルとも言える越谷。帝王バッツの牙城をどう切り崩していくのか、非常に注目される一戦です。

越谷のほうは、その中心たるバッツは機動力に欠けるところがあるためか、バーレルを欠く仙台に対してもゾーンディフェンスを敷いてきます。仙台はこのゾーンディフェンスが得手なほうではないのですが、オフェンスの狙いとしては、外から積極的に狙う、バッツをゴール下から釣り出した隙をオリバーの卓越した個人技で打開を図る、機動力に難のあるバッツに対して逆に機動力あるメインセを活かす、といったところだったでしょうか。

一方ディフェンスはインサイドに鎮座するバッツをメインセがまずは徹底マーク、ボールが入るとヘルプに入ってダブルチームとして自由にはやらせないという構え。それでもバッツにやられるなら無理せずファウルをできるだけしないように、キックアウト等で捌かれるならすぐさまスイッチを駆使してフリーな選手を作らせず3Pをいい形で放らさない、といった感じです。

前半から仙台は3Pの調子がよく、精度よく決まります。インサイドの攻防も悪くはないのですが、リバウンドが取れたと思うと巧みにバッツに奪われたりリフレクションが不運にも相手にわたるなど少しもったいない場面が見られます。しかしこのGAMEの仙台はとても集中力高く入れているようで、ターンオーバーがとても少ないのはいつになくいい感じがあります。

前半は外から得点を重ねる仙台、インサイドで着実に積み上げる越谷、といった形となりましたが、3P決定数の差で4点リードと一歩抜きんでることができました。

後半も前半とそれほど変わらぬ展開で、どちらかが大きなランを作る展開にはなかなかならず、仙台が2〜3ポゼッションのリードを保つジリジリした状況。越谷の方はインサイドに強みをもって攻撃をしてくるものの、バッツを起点に松山や鎌田、オクテウスに捌いて得点していくパターンと少し変化が見られますが、3Pに当たりが来ないのはかなり助かっています。

3Q途中には1点差までに詰められたものの、荒尾の堅実なインサイドでの踏ん張り、メインセのブロック炸裂などディフェンスは集中力が途切れず、3Q終了間際には寒竹が再び3Pを決めてみせ、6点のリードで勝負は4Qに。

4Qもオフェンスでは神里の3Pから始まりもらったFTを着実に沈めてじわじわとリードを広げ、一時は15点差としますが、負けじとここまで当たりがなかった3Pを連続決めて追い上げを図ろうとする越谷はオールコートプレスをしかけてきます。しかしこのGAMEの仙台はよくプレッシャーも掻い潜ることができていて、佐賀戦時のようにアタフタした感じがだいぶ無くなっていたのは成長したところと言えるのではないでしょうか。

4Qはお互いにディフェンスも激しさを増し、ファウルが嵩んできます。ファウルが嵩むとFTの機会が増えるわけですが、仙台は3PだけでなくFTも集中できていましたね。越谷が終盤ファウルゲームに来たのもありますが、4Qだけで14/16と確率よく決められたおかげもあり、そのままリードを保って試合終了、難敵強敵越谷から勝利です。

気になった選手:荒尾
前節に引き続きピックアップ。プレビューで期待を寄せた通り、バーレル不在の中、スタッツには残りにくいその活躍でメインセやオリバーを休ませる時間をしっかり作り出すことができ、勝利に大いに貢献してくれました。HC賞獲得も当然でしょう。スタッツには残りづらい活躍だったといってはみたものの、スティールを2つ獲得できているのは集中力高くディフェンスをできていた証ではないでしょうか。

◯最後に

仙台はバーレル、越谷はバッツというキープレイヤーを中心としてお互いにインサイドワークを強みとしているクラブです。その仙台は今GAMEはその大黒柱のバーレルが不在の状況でインサイドの強みを失ってしまったのですが、帝王バッツ君臨する越谷の攻略として取った作戦はインテンシティ高いしディフェンスと機動力・外角シュートでオフェンスに活路を見出す、まさにスモールボールと言えるものでした。

このGAMEは本当にスタッツが対照的で、2FGM/Aが仙台14/26越谷27/53(仙台の2PAが越谷の2PMより少ないw)、3FGM/Aが仙台13/40越谷4/16、ペイント内ポイント仙台22越谷50、セカンドチャンスポイント仙台9越谷16。バーレル不在の中、やはりインサイドをある程度やられるのは最初から想定済みで、ゾーンを敷く相手に対して徹底して外から攻める作戦だったのでしょう。また、越谷から11ターンオーバー(仙台は6)を誘い6スティールを獲得、ファストブレイクポイントが16、ターンオーバーアフターポイントで8。これも平面でのディフェンスをよく頑張れていた証左といえましょう。

しかしリバウンド数は仙台OR11DR28TR39、越谷OR13DR30TR43と極端に差はなく、一方ブロック数で仙台6越谷1とむしろインサイドでも頑張れていたのはメインセと荒尾のおかげでしょう。またFTM/Aが仙台19/25越谷9/16とファウルドローンをうまく活かせた分、仙台がこのGAMEで優位に立てたのだと思います。

もう一つ今GAMEで印象深かったのは、相手にしつこくあたりハンドチェックで相手のミスを誘おうとする、悪く言うと手癖の悪いw仙台ディフェンスではあるのですが、本日のジャッジ団はハンドチェックだけでなく、GAMEの流れを妨げないようにか、ブロッキング系のファウルもあまり厳しくはとらなかったところでした。なので双方ともファウルは比較的少なめ(仙台17越谷20、越谷は終盤ファウルゲームにも来ていたので仙台より多くなるのは仕方がない)でしたしね。

結果として作戦がうまくはまり、勝利をもぎ取ることができたのは大きいですし、仙台はこういう戦い方もできるのだな、と思わせられた実に味わい深かった2021年ラストのWEEKDAY GAMEでした(観戦中は最後までハカハカしっぱなしでしたけれどもねw)。

今節勝利の結果、11月の4勝5敗の貯金を減らす不調ぶりから一転、12月は7勝2敗と貯金の増加に成功。そして今節は福島がFE名古屋相手に苦杯を嘗めていたため、勝敗数で上回り単独で東地区2位へ浮上。しかし年明け早々はこれまた強豪西地区1位の香川との対戦が待ち受けており、まったく気が抜ける状況ではありません。香川はここもまた佐賀や熊本のように突出した個をもつクラブ。そんな強豪相手にAWAY GAMEであれば1勝1敗とできれば御の字ではあるのですが、12月のこの勢いそのままに連勝を重ねて2022年最初のHOME GAMEに凱旋してきてほしいですね!

それではまた。

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