仙台89ers:2022-23シーズン 第36節(5/6,7 Home Game vs 群馬 at ゼビオアリーナ仙台)雑感
今節のプレビューはこちら。
◯試合前トピック
・U18 阿部真冴橙くん、TOPチーム帯同
今季からU18所属の選手については選手登録枠とは別に一人選手登録できるようになっていましたが(「選手契約および登録に関する規程」第37条の2参照)、仙台でも選手登録とまではいかなかったものの、待望のTOPチームへ合流できる選手が現れたことは大変嬉しいことです。U18世代ですとクラブユースよりも宮城県ならば仙台大附属明成高校など、いまだ高校バスケットボール界に多くの才能が集まっているのが現状なところ、こうしたルートでプロ選手への道が開けることは決して悪いことではないと思います。プロスポーツリーグとしてすでに30年の先達であるJリーグにおいても、ホームグロウン制度を採用するなど育成組織出身選手が多く活躍するようになっており、クラブユースや高校が1シーズンを通じて対戦をしていくユースのプレミアリーグなども随分前から立ち上がっています。バスケットも今後クラブユースと高校が切磋琢磨できるような仕組みが構築されていくといいですね。
◯Game1(5/6 15:05 TO)仙台85群馬91
Game1のエントリーメンバーとスターターはこちら。
前節Game2から片岡に替えて澤邊がスターターイン。
Gameの立ち上がり、ここ最近の入りの悪さをまたしても露呈。5分経過するまでわずか4得点というオフェンスの質の悪さで4-15と早くも11点のビハインド。特に2分半経過したあたりでオフェンスリバウンドを3本連続でとれているのにセカンドチャンス、サードチャンス、フォースチャンスまですべて得点に結びつけられなかったあたりがオフェンスの低調さを象徴していました。その後もシュート精度は上がらずこのQはわずか10得点でここ終盤の悪い流れをそのままなぞるように10-22のビハインドと早速先制パンチを食らってしまいます。
今Gameもこれまでの悪い時同様の展開かと思われた中、群馬に持っていかれそうな流れをぐっとこちらに引き戻したのがブース。3連続で3Pを決めてみせるとビハインドをたちまち6点までに詰めてみせます。ただ他の選手のシュート精度はまだ今一つのままなところがあって、ブースのオンファイフアでGameをつないでいる形。しかしブースの奮闘を意気に感じたか他の選手のシュートもQの終盤には少しずつ入り始め、ブースこのQ4本目の3P、北海道戦で奮闘していた片岡からも3Pが飛び出すと前半終わってみれば38-41とビハインドを3点までに詰めるビッグQとしていい雰囲気の中後半へ突入です。
ここ数Game同様の展開を思わせる立ち上がりながら、GWで多数のファン・ブースターが詰めかけたHomeアリーナの前では不甲斐ないGameはしていられないとばかりに2Qに怒涛のカムバックをしてみせた仙台。しかし2Qの調子がいいとえてして3Qで息切れしてしまうこともままあるので、なんとか後半も入りよく2Qの調子を維持して一気にまくってしまいたい。
入り方が気になった3Qも、今Game絶好調のブースが再び3Pをヒットするとついに2点差に詰め寄ります。その後はしばらく一進一退の展開が続くと好調ブースに負けじとトーマスが持ち味を発揮しだし、ジャンパーやペネトレイトなど3連続ゴールでついに同点。ディフェンスのほうも前半からするとギアが上がって群馬のオフェンスを防ぎ続けると、ブース、トーマス、バーレルと得点を重ねては逆転に成功し、一時は6点リード。しかし群馬の反撃にあうと2点差までに詰められますが、終了間際にブースがこの日6本目の3Pを沈めて59-54と5点リードで終了、このまま4Qもリードを保って勝ち切りたい。
4Qでさらにリードを広げたかったところもそこはさすがに群馬も黙っておらずにしっかり食らいついてきて仙台が3~5点のリードを保つ展開が続きます。群馬はパーカーがいい形で放る3Pを決め切れていないところで仙台がやや助かっている感じなのと、仙台が要所でのシュート精度の悪さを露呈し始めてリードをなかなか広げることもできずに5点リードのままOTO。
OTO後、再逆転を狙う群馬はエースのジョーンズにボールを託しだすと、その期待に応えたドライブインでファウルドローンからのFT、ファウルを避けようとディフェンスが甘くなると易々とペネトレイトからのゴールインでたちまち逆転。一方の仙台は後半になって調子が上がってきたトーマスがさらに本領を発揮しだしてその高い個のスキルで得点を重ねていくと、残り2分以降はジョーンズとトーマスの点の取り合いでリードチェンジを繰り返す激しい展開に。残り18秒でジョーンズがしてやったりの3Pをヒットさせると残り18秒の仙台のポゼッション、トーマスが猛然とリングにアタックし目の覚めるようなダンクからのファウルドローンでボーナススローを決め切るとリードは2点。もうちょっと時間をかけたほうがよかったのでは・・・。と少し心配になるも残り15秒ディフェンスを踏ん張ればいいだけ。・・・と思ったのもつかの間、ジョーンズのドライブに今Game殊勲の活躍を見せるトーマスが痛恨のファウルを犯してしまい、これで得たボーナススローをジョーンズがしっかり決め切りスコアは76-76のタイ。残り10秒から再度リードを狙う仙台のシュートははずれ、そのまま4Qは終了、残り2分を切ってからのクラッチタイムでの激しい攻防でも決着がつかず、Gameはオーバータイムへ突入です。
オーバータイムに入ると4Qでビハインドを追いついた群馬のほうに勢いがあり、仙台がシュートを決め切れずにいるところを群馬はパーカーやターズースキーのインサイドワークなどで着実に加点すると残り1分を切ったところではビハインドが7点となってしまいちょっと勝利に向けてはかなり厳しくなってしまいます。仙台も片岡の3Pなどで食い下がりますがやはりビハインドは詰め切れず、最終スコアは85-91と悔しい敗戦となるとともに東地区最下位が確定してしまいました。
気になった選手:ブース
今Gameは得意の3Pがオンファイアー。2Qでの4/4だけでなく3Qでも2本を沈めてみせ、3Pは6/7の固め打ちで今Gameは25得点。タッチのいい時のブースは本当に頼もしい。それに加え最近はインサイドでの存在感もましていて、オフェンスリバウンドで奮闘したり、普段はあまりやらないダンクも飛び出す好調さでした。
◯Game2(5/7 14:05 TO)仙台84群馬67
Game2のエントリーメンバーとスターターはこちら。
スターターはGame1と同様。Game1後半リードしながら延長に持ち込まれ、最後の最後で一歩及ばなかった悔しさを返上したい。
立ち上がりはGame1の好調さそのままにブースがいきなり3Pをヒット。その後同じく好調のトーマスも3Pを沈めると仙台は効率良く6得点。群馬もターズースキーのインサイドや八村の3Pで対抗し、今Gameも接戦の気配と思われましたが、仙台のディフェンスが入りからとてもインテンシティ高く遂行されていることから群馬のシュート精度が上がってきません。その間に仙台はトーマス、ブースを中心にリムアタックを続けて得点を重ね、澤邊が3Pを沈め10点リードとしたところで群馬ベンチがたまらずタイムアウト。
タイムアウトも流れは大きく変わらず仙台ペースが継続。群馬はターズースキー、パーカー、キーナンのインサイドワークやファウルドローンからのFTで対抗してきますが、これまでGame1で31得点されたエースのジョーンズに思うようにリムアタックをさせていないディフェンスが非常に効いている形。仙台はトーマスを中心に得点を重ねていくと概ね10点前後のリードを保ち、最後は寒竹が3Pをしっかり決めて28−16と12点のリードをとって1Qを終了。
1Qが好調な時は2Qや3Qで停滞する傾向のある仙台(いつも言っているような気がする)でしたが、案の定というか並里を守り切れず2連続3Pを許したり、ターンオーバーなどから野本に連続ゴールを決められるとリードはあっという間に溶けて4点差までに詰められてしまいました。しかしそこで2Q頭から敷いていたゾーンディフェンスからマンツーマンディフェンスに戻すと再び群馬のオフェンスを停滞させることに成功し、その間にバーレルのインサイドアタック、小林の3Pで再びリードを取り戻していきます。OTO直前に好調ブースが再び3Pを沈めてみせるとリードは1Q終了時の12点差までに引き戻し。
OTO後はGame1と打って変わって調子の上がらない群馬ジョーンズから澤邊がしてやったりのスティールを奪ってみせそのままポイントアフターターンオーバーが決まるとリードはさらに広がり15点。群馬は成長著しい八村にボールを集めて反撃しますが、仙台ディフェンスは群馬に大きなランは作らせずにそのまま1Qで作ったリードを保って前半が終了です。
好調だった1Qに対して2Q序盤は少しかみ合わずいつもの良くないときの展開かとも思いましたが、藤田HCの采配がズバリ当たった形となって盛り返し、リードを2桁差、4ポゼッションとできたのは過去の群馬との対戦を振り返ればかなり上出来といえましょう。リードして迎える後半もしばらくぶりな気がしなくもないですが、リードを溶かさずこのまま勝ち切りたい。
心配通り3Qも入りは決して良くなく、シュート精度がガクッと落ちて3分経過するまでノースコアの間に群馬に少しずつ点を返されてリードを再び詰められ始める少し嫌な展開になりかけますが、オフェンスリバウンドから澤邊が落ち着き払った3Pを決めるとブースもそれに続き、あっさりリードを引き戻すと群馬はここでもたまらずタイムアウト。
しかし群馬のタイムアウトも仙台が引き戻した流れは断ち切れず、仙台は激しいディフェンスでもって群馬からターンオーバーを誘発したりキーナンのアンスポーツマンライクファウルがあってりでそのチャンスを生かして着々とリードを広げるいい形に。片岡の3Pが決まった時点でリードは今Game最大の22点までになりましたが、その後は互いにゴールを奪い合い、3Q終了時点では70-51と19点の大量リードを作ることに成功、勝利をかけて今季最後の10分に臨みます。
このままおめおめと負けていられない群馬は4Qも立ち上がりから猛反撃。仙台の得点をOTOまでにわずか2点に封じてみせるとじわじわ差を詰めてきてOTO時点までで2-10のランとして72-61とリードは11点までに戻されます。OTO明けもパーカーの得点で72-63、いよいよリードは一桁となり、4Qだけで30点以上取られてしまったAwayでの対戦が頭をよぎります。
それでも仙台のディフェンスのインテンシティは衰えず、我慢して我慢して群馬のオフェンスをしのいでいくと、青木、トーマスのゴールで息を吹き返しリードは再び2桁差。そしてクラッチタイムに青木、ブースが連続で3Pを決めてとどめを刺す形として最終スコアを84-67として最終戦を勝利で飾ることができました。
気になった選手:バーレル
今季キャプテンとして獅子奮迅の活躍を見せてくれていたバーレルでしたが、今節はコンディションを少し落としていたかどこか元気がなさげ。今Gameもプレイタイムは15分弱で5得点3リバウンドといささか寂しいスタッツでした。でもまあ60Gameを闘ってきての疲労などもピークに来ていたこともあるかもしれませんが・・・。
○最後に
東地区最下位を脱するには今節2連勝かつ北海道が2連敗といういささか厳しい条件となっていましたが、Game1で延長の末敗れたことで東地区最下位となってしまったことは少し残念。それでも最終戦をしっかりと仙台89ersらしいバスケットボールで勝利をあげて締めくくれたことはよかった。
Awayでの群馬との対戦からすると、Game1はまたしてもジョーンズにやられてしまった感はありましたがGame2では8得点に抑え込んだり、並里はまずまず止められていたのと、キーナンのインサイドプレイを止めていたあたりはしっかり修正をGame1、Game2と重ねていけたのはとてもよかった。これを今後も続けていければ・・・と思ったらもうシーズンは終了なのでした。
長かったようで短かったような2022-23シーズンもこれにて終了。残留への一つの目安だった勝率3割・18勝は比較的早い段階で達成できたものの、その後少し息切れしてしまいこの最終Gameで1つ勝利を上乗せできただけの19勝という成績になりました。できれば20勝以上には到達したかったところでしたが・・・。それでもBリーグ2年目以降の昇格クラブの中では19勝は多いほうではありました。
リーグ自体はB1チャンピオンシップがまだ残っていますが、仙台としてはシーズンが終了、今度はストーブ(クーラー)リーグに突入です。どの選手とお別れすることになるのか、来季も一緒に闘える選手は誰になるのかがやきもきする日々が続きます(これを書いている時点で一部の選手の去就は判明していますが、その辺は別エントリーにて)。しかしまずは今季仙台89ersというクラブで闘ってくれた選手たちやスタッフ、選手・スタッフたちを支えてくれるフロント、チアーズ、アリーナDJ、ボランティア、スポンサー様、その他各種ステークホルダーの皆さま、そして89ersの闘いをわが事のように熱く黄援するファン・ブースターの皆さまへ、厳しくも楽しかった今シーズンを戦い抜いたことへの労いを申し上げて本エントリーをいったん締めることとします。皆さま本当にお疲れさまでした。
それではまた。
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