仙台89ers:2021-22シーズン 第31節(4/16,17 Home Game vs福島 at ゼビオアリーナ仙台)雑感
今節のプレビューはこちら。
◯試合前トピック
・4,000人動員プロジェクト
プレビューでも触れました通り、今節福島との対戦は期せずして地区順位を左右する終盤最大とも言える山場となってしまいました。幸いHomeでの開催なので、クラブからはこんな企画が。
仙台のホームアリーナの一つであるゼビオアリーナは満席になると4,000人超収容可能、ということで会場を満員にして闘う選手たちを後押ししようという企画。企画の内容はリンク先を参照いただくとして、コロナ禍での配席制限は少し前から無くなってはいるものの、人が沢山集まる場所への忌避感を持つ方もいらっしゃるだろう中、果たしてどれだけの観客で埋められるでしょうか?Game2の入場者数発表に注目いたしましょう。
・2022-23シーズンファンクラブ入会受付開始
まだプレイオフのブラケットも確定してすらいないのに気が早いこと・・・とか思っていたら各クラブでも受付開始してるんですが、なぜこぞってこの時期から受付開始なんだろう・・・?
・プレイオフHome開催時の日程・会場が決定
これまた福島との大一番も終わっていないのに気が早いこと・・・とは思えど、もう半月後ですものね。
注目はセミファイナルがHome開催となった時の会場なのですが、5/14、15は観客収容数の少ない本山製作所青葉アリーナ(青葉体育館)での開催。推測ではありますが、ここは当初カメイアリーナ仙台(仙台市体育館)で抑えていたのだろうと思いますが、3月の福島沖地震で損傷した施設が未だに使用に足る状態にないのでしょう。
もっともプレイオフはうまくいって東地区2位/地区間上位での進出なので、普通に考えればセミファイナルをHomeで開催する可能性はあまり高くないものですので、気にしても仕方がないのですけどもね(昨季の仙台のようにワイルドカードクラブが地区1位クラブを食って勝ち上がってくる可能性はありますし、そもそも仙台がクォーターを勝ち上がれないと意味がない)。
◯Game1(4/16 18:00 TO)仙台90福島67
スターターはこちら。
前回の青森戦と変わらず。ここにきてPGに月野が起用されるのはやはり神里の疲労考慮でしょうか。渡辺はコンディション調整のためベンチ入りせず。また澤邊起用は田中もようやく戦線復帰とはいえもう少し様子見、あるいは澤邊も怪我から復帰して早いところトップフォームに戻ってほしいという思惑もあるかも。
立ち上がりは意外とディフェンシブ。お互いしっかりとしたディフェンスから入れていますが、仙台がセットからインサイドアウトサイドとバランス良く得点を重ねると、福島はやはりトランジションからの速いオフェンスと得意のピックアンドロールからガード陣がペネトレイトで対抗してきます。
仙台もその辺は織り込み済みだったとは思いますが、やはり福島のトランジションからの速さはやはり厄介そう。このQは特に長谷川の速さにディフェンスが後手を踏む状況になってしまい次々と得点を許しては先手を許す状況なので、仙台もトランジションには対応していきたいところ。
1Qの終盤で寒竹の3Pやオリバーの個人技などもあってスコアはイーブンに戻したところで終了、やはり福島はなかなか一筋縄ではいかない手強い相手です。
2Qもお互いの持ち味を見せながら一進一退の展開が続き、リードがくるくる入れ替わるシーソーゲーム的な展開になってきては観ているこちらもかなりハカハカしてきます。ただ仙台のほうは福島のディフェンスの圧からかボールをポロポロと手元からこぼしてターンオーバーが続いているのと、シュートを決めきれなかった時の福島のバックコートからフロントコートは切り替えの速いドライブに対応しきれていないところ、ここは早く修正しないといけません。
2Qは接戦のまま3点のリードでもって終了ですが、福島のトランジションからの速い攻め以外に対してはよくディフェンスができていて、リバウンドもよく取れているので福島にあまりセカンドチャンスポイントを許さないのと、バーレルやメインセの身体を張ったディフェンスで得点力の高いウォッシュバーンに気持ち良くプレイさせていないあたりで福島の得点を抑えられているのは後半も継続したいですね。
3Qは入りよく、ディフェンスのギアがグッとあがるとオフェンスも内外とバランスよく決まりだし、4分経過時点で福島後半最初のFGを許すまで9-3のランで差を広げにかかります。その後も仙台の勢いは止まらず、仙台ディフェンスを攻めあぐねる福島をよそに、バーレル・メインセのインサイド、オリバーのペネトレイト、この日好調月野や田中、寒竹の3PなどでこのQで実に30得点11失点でリードを22点とするこれ以上ない出来となりました。昨季あたりまではしばしば見られた3Qで失速してしまう「魔の3Q」もすっかり克服したようです。
さてここで頭をよぎるのが神戸での西宮戦。あの時も一時20点以上のリードをとっておきながら最後の最後でまくられて悔しい悔しい大逆転負けを喫していたので同じく轍は踏まないようにしてほしいものです。
ただここまでの展開で大きいのは序盤に仙台ディフェンスの隙をつく攻撃のうまさで得点を重ねていた長谷川をファウルトラブルに追い込んでいたところでしょうか。
4Qも片岡がいきなり3Pを決めてみせると、メインセやバーレルがバンバンダンクを叩き込んだりと、これまでの勢いをそのまま維持してながらGameが進みます。福島は前半にあれほど見せていたトランジションからの速い攻撃がすっかり影を潜めてしまうあたり、攻守の要の一人であるEマーフィーを欠いていたり、コロナ禍の影響での活動停止明けのGameでもあるあたりが影響しているでしょうか。
OTO明けに一時最大得点差28点にまで広げると、あとは時間を使いつつコントロールしながらゲームをクローズにかかり、最後はスティールからのファストブレイクでオリバーがダンクを叩き込みコーギー寄贈の89点以上もクリアしての快勝劇を締めくくり・・・と思ったら最後の最後にAマーフィーに3Pを返されてしまったのはご愛嬌?
果たして、思いの外の得点差をつけての勝利となりましたが、このGameでは2桁得点が6人、外国籍選手が3人ともダブルダブルの大暴れ。リバウンドに至っては福島31に対して仙台55と完全にインサイドを制圧しきっての快勝でした。
気になった選手:月野
4月頭の西宮戦や代替試合の青森戦ではやや精彩を欠いていたように見えた月野でしたが、このGameではスターター起用に応えて前半のヒリヒリするような競った展開の中で3Pを要所で決めてくる、ベテランの味を見せつけるような頼もしい活躍でした。
◯Game2(4/17 15:00 TO)仙台82福島61
スターターはこちら。
Game1と変わらず。Game1で結果が出たのであまり変えない方向ということでしょう、月野もGame1は好調でしたしね。澤邊も持ち味とちょっと違うところでの活躍を見せました。
Game1では思いの外の得点差で勝利をゲットし得失点差も-2にまで縮めるなど、地区2位クリンチに向けては最低限の結果をまずは手にしましたが、Game2も勝利して大きく前進したいところです。
さて、出だしは点を取っては取られての一進一退の状況が続くと、仙台の方がGame1に続いてインサイドから優位に立ち出します。一時9点のリードを取るものの、福島もいいディフェンスから仙台のターンオーバーを誘いファストブレイクから盛り返すと1Qは4点差まで詰め寄られますが、そのまま1Qは終了。特に攻守に問題はなさそうですが、もう少しディフェンスを締めたいところ。
2Qは幸先良く寒竹の3Pから入れたと思ったのも束の間、福島得意の速いパス回しから市岡、Aマーフィーのペネトレイトを許して得点差を縮めてきます。ここで福島はウォッシュバーン、Aマーフィー、市岡をオンザコートにするビッグラインアップな布陣を敷いてくるのですが、持ち味のオフェンスの速さが弱くなる分、ディフェンスに主眼を置いているような感じでしょうか
そのディフェンスで仙台がインサイドを思うように攻められずにいると、その隙をつくようにベテラン友利の連続得点で一時逆転を許しますが、その後は仙台も点を取り返して1点リードでOTO。その後もGame1同様は一進一退の競った展開が続き、そのまま39-35とこちらもGame1とほぼ変わらない得点で前半が終了。
Game1では後半にギュッと締め上げることができてリードを広げることができましたが、Game2もその再現といわんばかりにインテンシティ高いディフェンスで福島の得点を許さず、外に中に得点差を重ねて徐々にリードを広げていきます。福島も負けじと再び持ち味の速いオフェンスから差を縮めにかかりますが、結局3QはGame1ほどではなかったもものの、リードを11点に広げられました。
さて、4Qも緩めずに走り切りたいところでしたが、このQでは寒竹がファイヤー。追いすがる福島の心を折るには十分な3連続3Pを決めきってみせると会場のボルテージも最高潮。たまらず福島も再びビッグラインアップにしてきますが、バーレルやメインセはものともせず得点を重ねていくと、このGameも最終的には21点の差をつけての快勝となりました。
気になった選手:寒竹
4Qで勝負を決定づける3連続3Pを含め5本の3Pを沈めてみせる大活躍。やはりこの人の3Pが決まると仙台のオフェンスはいい調子になってきますね。プレイオフでもバシバシ決めていってほしいものです。
◯最後に
ポストシーズンのシード順をめぐる大一番であった今節でしたが、福島が主力を欠いていたとはいえ望外の快勝になりました。11月のアウェイでの悔しい連敗の記憶を雪ぐことはできたものの、現状ではプレイオフのクォーターで福島と再び相見える可能性も高く、そうした時に今回の快勝の記憶からクラブはもとより、黄援する我々も楽勝ムードには陥らないようしないといけない、ということをまずは肝に銘じておきましょう。
また今節の連勝で東地区2位のクリンチに向けては大きく前進できはしましたが、西地区の上位3クラブの順位争いが大半熾烈を極めていて、仮に仙台が東地区2位をクリンチしたとしても地区間順位が上になるか下になるかが全く読めない展開です。
ご覧の通り、今節終了時点では仙台はB2全体では2位ですがシード順は3位。西地区は残り試合で上位陣の直接対決も多く残っており、机上の計算では佐賀も西地区2位まで来るチャンスも残っていたりします。
仙台は今節で東地区3位以上は確定したので、プレイオフのクォーターで当たることがないのは今のところFE名古屋だけですが、他の6クラブのどこと当たるかは本当にわかりません。しかしプレイオフに進むであろうどのクラブもそれぞれに手強い相手であることには間違いなく、そんな中でファイナルまで勝ち進まないといけないという非常に難易度の高いミッションが待ち受けています。
その5月の熾烈なプレイオフに向けて仙台においては、まずはレギュラーシーズン残りの5試合を怪我なく、またコロナ禍の影響を再度被らないよう細心の注意をはらって臨んでほしいものです。そして我々も会場で、画面越しで、これ以上ない黄援で後押しいたしましょう。
それではまた。
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