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仙台89ers:2022-23シーズン 第3節(10/14,15 Home Game vs宇都宮 at ゼビオアリーナ仙台)雑感

今節のプレビューはこちら。

◯試合前トピック

・JR長町駅周辺に仙台89ersデザインマンホールの蓋が設置

クラブの公式Twitterからのリリースがこちら。

JR仙台駅の一つ南にあるのがゼビオアリーナに最寄りのJR長町駅。かつて国鉄・JRの貨物ターミナルがあったところもすっかり再開発されて、仙台では長町副都心と呼ばれることも(ゼビオアリーナもその再開発で建設された施設の一つです)。

この長町地域を「バスケの街」にしよう、地域に愛されるクラブになろう、と仙台89ersが取り組む「イエロープロジェクト」一環として設置されたのがこの89ersデザインのマンホールの蓋、というわけです。

サッカーJリーグのベガルタ仙台も本拠地ユアテックスタジアム周辺にベガルタデザインのマンホールの蓋を設置していましたが、89ersにしろベガルタにしろ、こうやって地域と密着しながらクラブとその地域を盛り上げていこうというのはとても素晴らしいことですよね。

こちらはユアスタ周辺に配置されたもののうち、
ベガルタ仙台のマスコット、ベガッ太さんデザイン


89ersマンホール蓋のひとつ
(影の写り込みを避けるために逆から撮ったので本当は天地逆ですw)

・ティナにユニフォームスポンサー

クラブの公式Twitterからのリリースはこちら。

今季からティナが着るユニフォームにも個別にスポンサーがついてくださいました。それとともにおや?少し面もちが変わって毛並みも綺麗になったような・・・?今季もインターバル時の得意のキレキレダンスに期待してるよ! 

◯Game1(10/14 19:05 TO)仙台70宇都宮71

スターターはこちら。

いよいよHome開幕節Game1、スターターは前節Game2からは寒竹→岡田へ変更。宇都宮のガード陣に対してやや高さでのミスマッチ感はありますが、PSMで効いていた岡田のオフェンス力に期待、といったところでしょうか。

1Qは互いの持ち味のディフェンスから入る展開。5分経過時点で8-10となかなかのロースコア、互いにディフェンスのインテンシティが高く、ペイント内でのスコアが少な目。しかし仙台が宇都宮のディフェンスの前に攻めあぐねる一方、宇都宮がヤンの個人技、スコットのセカンドチャンスポイントなどで少しずつ仙台のディフェンスの網をかいくぐりながらポイントを重ねていき、14-21と7点のビハインド。うーんやっぱり宇都宮にはなかなかかなわなそう・・・。

2Qは仙台が先手。小寺のパスから寒竹がバックカットで珍しく2Pゲット。ファウルドローンしてアンド1もものにしたので結果3Pになりましたw仙台は1Q終盤から小寺をオンコートにしてBIGラインアップ。その小寺のインサイド、アウトサイドでの気の利いたプレイが効いてきて、トーマスの連続ポイントなどで差を縮め、OTO時点では29-29の同点に追いつくことに成功。OTO後はお互いに3Pを2本ずつ決めるも、仙台がインサイドで攻守に踏ん張り39-35と4点のリードをとって前半が終了。

滑り出しはさすがの宇都宮の強さを感じましたが、仙台も持ち味のディフェンス力を次第に発揮し、強豪宇都宮を相手にリードして前半終了できたのは、言っては何ですがやや想定外。ただここまで京都や三河に通じていたディフェンスが宇都宮にもしっかり通じていることは相当自信になりそうです。後半もこのままインテンシティ高くいければいいのですが。

さて3Qに入ってしばらくのこと。サイドラインに比江島を追いやっていた加藤にファウルのコール。と思ったらレフェリーが両手を平行に上げ下げするジェスチャー、すなわちシリンダーファウルのコールで、以下の記事で見かけていたものでした。

シリンダーの概念についてはルールブックに記載が詳しい(2022バスケットボール競技規則第6章「ファウル」第33条「コンタクト(身体の触れ合い):基本概念」)のでここでは触れませんが、相手のシリンダーに侵入しての接触があったとしてのファウルコール(ワタクシ的理解でざっくり簡単に言うと、相手のシリンダー内でのプッシング)、というわけでした。ライン際などあまり身動きができない相手へのプレッシャー時には注意が必要になりそうですね。

このQは引き続きディフェンスで2-2-1のゾーンプレスなどからインテンシティ高くいけているのと仙台のインサイドアウトサイドのオフェンスがよくかみ合ってきて、最大12点差まで拡げることに成功するも宇都宮のラストプレイでフォトゥにしっかり決められ59-49と10点リードで終了。しかし強豪宇都宮を相手にここまで堂々たるプレイをできているのは素晴らしい。4Qもこのペースを保てるでしょうか。

4Qはお互いに得点を重ねた後、アウトオブバウンズのところで藤田HCがHCチャレンジを請求。これが成功し流れを引き寄せると、残り7分の時点で14点差までにリードを拡げます。最後までこのまま行きたかったところ、このあとから宇都宮のインテンシティの上がったディフェンスに対し仙台オフェンスがTOの連発やらオフェンスファウルやらで一気にペースが崩れてしまい、実に6分間まったく得点を重ねられず、その間に宇都宮に着々と加点されると残り1分半でついに同点に追いつかれます。

その直後岡田の起死回生のフローターで一歩前に出ますが、残り25秒のポゼッションは宇都宮。残り3秒で加藤のマークを巧みに外した比江島が放った3Pがヒットしてしまいついに逆転を喫してしまいます。やはりクラッチシューター比江島、役者が違う・・・。最後残り3秒の仙台のポゼッションはデザインされたプレイでバーレルにボールを託しましたが、ここは宇都宮のブロックに阻まれ万事休す、70-71とわずか1点及ばず悔しい敗戦。

最後のバーレルへのブロックはボールではなく手に行っているように見えたのですが、ジャッジがブロックとみなしたのであればとやかく言っても詮無きこと。バーレルの身体の使い方がもっと相手に当てに行けてれば、強引にダンクにでも行っていれば・・・とたらればも言いたくなりますがそれもまた詮無きこと。それ以前に、4Qで14点リードされたところからオンコートで修正を図って逆転に結び付けた宇都宮に対して、仙台はTOが連発しだしたときに修正しきれなかったメンタルの強さが足りなかったところで自滅した形になってしまったことを課題として今後につなげてほしいですね。

気になった選手:ブース
このGameは非常にタッチよく、得意の3Pはなんと4/4の100%という決定率をたたき出し、仙台のオフェンスを引っ張ってくれました。プレビューでも触れましたがGameを経るにつれてシュートタッチが上がってきているのは本当に頼もしいしありがたい。この先も仙台の大きな武器として活躍してくれそう。

◯Game2(10/15 14:05 TO)仙台59宇都宮63

スターターはこちら。

Game1と変わらず。前2節はGame2になるとシュート精度が落ちる場面が見られた仙台ですが、今節はどうなりますでしょうか。

序盤はお互い点を取り合う形になるもどこか今日も重い展開で、ロースコアになりそうな気配。しかし仙台は懸念通りシュート精度があまり良くなく、昨日あれだけよかったブースが得意の3P、ペリメーターでのジャンパーもリングに嫌われるばかりだったり岡田も割とフリーの場面を決めきれませんし、寒竹もタッチが良くありません。3Pが決まったと思ったら3秒バイオレーションなどでフイにするなどどこかチグハグで、前節までの課題がまだまだ残っている感じ。そうこうするうちに宇都宮にはインサイドプレイで加点を中心に10-0のランを許すなどやや苦しい展開のまま、9-15で6点のビハインドで終了。

2Qも展開は重く、序盤は仙台がFGを決めきれない間に宇都宮はマブンガ・竹内の連続3Pでリードを拡げにかかりますが、仙台のディフェンスのインテンシティは高く、宇都宮にインサイドでの得点を許さず、攻めてはトーマスの突破力で対抗するとOTO時ではやや差を詰めて4点ビハインド。OTO明けは宇都宮にインサイドでこつこつと加点される中、IRSの確認はあったものの渡辺がようやく仙台2本目の3Pをヒット。仙台最後のポゼッションも渡辺がペネトレイトを決めきり、前半のスコアは22-27と1Qでのスコアと見まがうほどのロースコアで終了。

前半はお互いにディフェンスのインテンシティの高さを全面に押し出してきて、双方のFG%が30%台という非常にディフェンシブなゲーム展開に。仙台も自分たちの持ち味を存分に発揮しているともいえるのですが、宇都宮のディフェンスも強固ですから、シュート精度がなかなか上がらない歯がゆさを感じる状況。後半もこのディフェンスのインテンシティは保ったまま、なんとかオフェンスのほうで打開を図りたいところ。

後半も展開は重く、特に双方ともあまり3Pを決められない状況が続きます。そんな中で4分経過のところで仙台はチームファウル4つとなり少し苦しい展開。仙台のミスが重なったところで一時は差を9点に拡げられますが、必死のディフェンスで宇都宮のオフェンスをしのぎ続けると、終盤にこのGame当たりが出てきた渡辺が2本連続で3Pを決めるなどで3Q終了時は2点差の38-40までに詰め寄ります。

4Qに入るといきなり仙台が連続得点で一気に逆転に成功しますが、すぐさま宇都宮はエース比江島が3Pを決めて再逆転を決めたところから、その後はリードチェンジが目まぐるしく変わるシーソーゲームに突入。OTOが明けてもシーソーゲームは続き、すっかり我慢比べの様相に。

残り1分のところで宇都宮に57-59と一歩リードを許したところでのTO明けの仙台のポゼッション、岡田がデザインされたプレイで逆転を狙った3Pは外れるもブースがオフェンスリバウンドをゲット。しかしこのセカンドチャンスからのゴール下のシュートを外してしまい、同点の機を逸してしまいます。その直後の宇都宮のポゼッションで比江島のドライブを止められず残り25秒で差はついに4点に拡大。ここで差を少しでも詰めたかった仙台のポゼッション、トーマスのドライブは外れてしまうも、ブースがここでもオフェンスリバウンドをしぶとくゲット。しかしまたしてもこのセカンドチャンスからのゴール下シュートを決めきることができず、ファウルで宇都宮を止めはするもボーナススローを2つ決められ6点差とされては万事休す。ラストプレイで2点は追加したものの59-63でGameはフィニッシュ、Game1に引き続き僅差での悔しい敗戦となりました。

Game2ではGame1のように4Qの勝負所でTOを連発するようなことはなく、Game1から修正はできていたと思いますが、肝心なところで確実にシュートを決めきった宇都宮、決めきれなかった仙台といったところで明暗が分かれてしまいました。もちろん終盤の大事なところで決めきることができる、託すことができる比江島という存在がいるのは宇都宮の大きな強みではありますが、仙台もクラッチタイムで決めきる、任せることができる選手が出てきてほしいなあ・・・。

気になった選手:比江島(宇都宮)
Game1、2ともクラッチタイムに勝負を決めるシュートをしっかり沈めてくるあたり、エースとはかくあるべしと見せつけられては脱帽するしかありません。その卓越した技術や勘所でぶれないメンタルなど、やはり日本代表でもエースを務める風格でした。今節では渡辺や岡田の若手もマッチアップする場面が多かったですが、この素晴らしい選手から得るものも多かったのではないでしょうか。元アイシン(三河)同士、加藤とのマッチアップも熱かった。

◯最後に

強がるわけではありませんが、今節においては連敗の可能性が非常に高いだろうな、と思っていたところはありましたので今節の結果は織り込み済みといえば織り込み済み。しかしプレビューで書いた通り、仙台は激しいディフェンスから組み立てていくという自分たちのストロングを全面に出して勝機へのタイトロープを渡りながら最後まで闘い抜いたことは素直に称賛したいと思います。特に今節が終わってもなお平均失点が70点を下回っているのは素晴らしいこと。このストロングを見失わずにこの先のシーズンも闘ってほしいです。

しかし終盤のクラッチタイムの闘い方、これは宇都宮を大いに見習わないといけません。宇都宮のような勝ちを知るチームは抑えるところをしっかり抑え、決めるべき人がしっかりシュートを決めきるという「勝ち切る力」を具備しています。仙台としてはGame1では4QでのTOの連発、Game2では大事なところで欠いてしまったシュートの正確性といったところで「勝ち切る力」を持つためにはまだまだ課題がありそうです。

ただGame2の試合後コメントで藤田HCが言っていました。「このチームはまだまだ強くなる」と。ワタクシも今節の2Gameともに一歩及ばず敗れたことは織り込み済みとはいっても大変悔しいのですが、その一方気持ちとしては非常にポジティブなものにもなっています。当初は相当厳しいシーズンを送ることになるのだろうかと思ってもいましたが、チームが、選手たち一人一人が、そして黄援するワタクシたちが今よりさらに成長していければもっともっと上が目指せそう、今はそう思えます。

それではまた。

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