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仙台89ers:2021-22シーズン 第5節(11/6、7 Away Game vs福岡 at 久留米アリーナ)雑感(バスケットLive観戦)

◯はじめに

仙台は前節までで対戦成績6勝2敗とし現在5連勝中、天皇杯でも同じく今季好調B1広島とがっぷり四つの戦いの末惜敗と、第1節と第2節で1勝1敗ずつで今季もなかなか厳しそうだなと思っていた時からするとまずまずここまで好調と言えましょうか。

とは言え、前節は愛媛に連勝はしたものの、GAME2での戦いぶりについては藤田HCも苦言を呈し特に日本人選手たちの奮起を促しておりました。困ったときにバーレルやメインセといったスペシャルに頼るのは悪いことではないと思いますが、「Grind!」や「Ascend」のチームスローガンを体現してB2優勝B1昇格という目標達成のためには、特定の選手に頼らず全員がそれぞれの持ち味で役割を果たさなければならない、藤田HCはそれを求めているのでしょう。

さて今節もアウェイの地で福岡と対戦ですが、Bリーグとなってからは不思議と福岡とはホームでの対戦がありませんでした。今季は今節の対戦のほかに2月にBリーグになってからははじめて仙台でのホームゲームでの対戦が予定されています。

仙台としては「曲者」とも言える福岡相手に、その自慢の攻撃力を仙台持ち前のディフェンス力でいかに封じるかが鍵となってきましょう。そして連勝をさらに伸ばすことができるでしょうか。

◯ライジングゼファー福岡

福岡といえば全国でも屈指のバスケどころ。ここ最近は高校生世代だと福岡第一、福岡大大濠などが県内でしのぎを削るどころか全国の舞台でも一、ニを争うような状況なのはご存知のことでしょう。元秋田人としては能代工(現:能代科技高)が全国の舞台ではなかなか勝ち抜けなくなっているのは少し寂しいですが。

ちょっと脱線しました。そんなバスケどころにあって、福岡はbj時代は西地区の雄として名を馳せており、Bリーグ初年度は要件調わずB3からスタートしたものの、翌季にはB2に昇格するとそのままB2で優勝を飾りあっという間に B1へ昇格していったのも記憶に新しいですね。

しかしさすがにB1昇格したまでは良かったのですがあまりにそのペースが早すぎたのか、クラブの運営面での不手際が目立っていたようで、次のシーズンのB1ライセンスが交付されず、成績に関わらず強制降格となる憂き目も経験してしまったなかなかに波瀾万丈なクラブ。現状は地に足をつけた地道な運営をバックに再建をはかり、上位を伺っている様子です。

ロースターのほうは、かつて仙台でも人気を誇った白戸、しぶといゲームメイクが持ち味の丹野、奈良から移籍の大塚、ベテラン本多などの実力者揃い。外国籍選手は昨季から引き続き得点力の高いビバリー、新加入のジョーダン、レモン、アジア枠の林で脇を固めています。他の西地区強豪クラブのロースターがなかなか強烈なのもあって地味目ではありますが、なかなか手強いラインアップです。

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↑↑白戸が仙台所属時の懐かしの一コマ。

先の順位予想では福岡は西地区トップ4にやや及ばないのかな、としていましたがここまでは4勝4敗とまずまずの成績。特に新加入のレモン、ジョーダンがオフェンス面で効いているようです。一方やや失点は多く、ディフェンス面に課題がありそうです。

◯GAME1(11/6 14:00 TO)福岡63仙台80

試合開始からお互いTOが多くてシュートタッチもあまり良くないバタバタしつつロースコアの立ち上がり。どちらもディフェンスが良くて、というわけではなく、攻守にふんわりとしすぎていて締まらない感じ。特に仙台はオフェンスの殆どがTOやバイオレーションで終わり、FTも入らずここまでは本当にダメな時の仙台。

低調な内容で進むうちに、福岡はレモンがポンポンと3Pを連続で決めてきて点差をつけられてしまいます。結局1Qは福岡を14点とこちらはまずまずでも得点が9点で、FG%が2/15の13.3%はさすがにどうなんだこれ・・・。ロースコアは仙台のゲームと言えるのかもしれないけど、早いとこお目覚めしてほしいところ。でもオフェンスの調子が上がらないのならディフェンスはこのまましっかりいきたいですね。

さて福岡はレモンがとてもいい選手ですね。意外と線が細いけれど、クイックネスがあってシュートが正確。仙台のオリバー、メインセ同様初めての日本でのプレイと思いますが、よく馴染んで持ち味が出せていると思います。

2Qに入ると、仙台はディフェンスからリズムを作り出しはじめます。ファウルはやや多くなっていますが、福岡に攻撃のリズムを与えません。オフェンスも次第にバーレルのインサイドワークを中心に機能し始め、田中が得意の3Pを沈め逆転したところでOTO。

OTO後には福岡の得点源の一つでもあるビバリーを3ファウルに追い込むことに成功。福岡はビバリーをベンチに下げざるを得なくなるわけですが、ジョーダンこそ上背のあるビッグマンですが、バーレル、メインセのところでどうしてもミスマッチが起きてしまっていました。仙台はそこをしっかり見逃さずにバーレルが得点を重ね、1Qの不調が嘘みたいに2Qを30得点(!)とし9点差をつけて前半が終了。バーレルはこのQだけで15得点。さすがであります。

ディフェンスは前半で30失点と、いつも通りできていますが、オフェンスは1Qと2Qの出来が極端すぎて苦笑いするしかありませんwあと今日も困った展開でバーレルに集めて状況を打開しましたが、やっぱりバーレルはB2では反則級の選手ですね・・・。それはそれでいいんだけど、もう少し日本人選手も奮起してほしいところです。

このQではじわじわと福岡の選手をファウルトラブルに追い込んでいきます。ただこのQはまた少しオフェンスが停滞。特に3Pのタッチがここまで田中以外は今一つで、寒竹もいつも通りに淡々と役割をこなしますがなかなか決められずに歯痒い展開。インサイドワークでFTも貰いますが、これもなかなかの決定率の悪さ。

福岡のほうはジョーダンのインサイドとレモンのシュート能力の高さで打開を試みる状況です。仙台としてはレモンはちょっとの間合いがあるとすかさず決めてくる力があるのでフリーの状況つくらないようにディフェンスしっかりしたいのと、ここでまた細かいミスも増えてきているので修正をしたいところ。

4Qに入って3Pを打ち続けていた寒竹がようやく決めてくれました。彼の3Pがくるとこないではやはりチームの雰囲気が違ってくるのがよくわかります。寒竹以外にも神里、オリバーが立て続けに3Pを決めて追いすがる福岡を突き放しにかかると、ギアの上がったディフェンスでまずは福岡の得点源ビバリーをファウルアウトに追い込むことに成功、こうなるとインサイドで優位に立つ仙台のゲームとなり、最後は意外と点差をつけての勝利、これで6連勝を達成。

試合を通じて、ジョーダン、レモンにはそれなりにやられてしまったけれど、ビバリーを封じた分攻撃力のある福岡の得点を63しか許さなかった感じだったでしょうか。ディフェンスはまずますよかった一方、攻撃で気になるのはここまで好調だった3Pの決定率が落ちていることと、FTを決めきれないこと。3Pはシューターの調子次第で結構水物みたいなところはありますが、FTは大事な場面で決めきれないと勝負を左右することになってしまうので、できるだけ決定率をあげたいところです。ビッグマンたちはえてしてFTが得意ではない選手が多いですが、仙台は日本人選手もあまり決定率がよくないですからね・・・。そしてこの試合も仙台は外国籍選手の活躍で勝てた試合でもありましたので、GAME2は日本人選手ももう少しがんばりましょう。

◯GAME2(11/7 14:00 TO)福岡84仙台78

さて、結果的には差をつけて勝利したGAME1ですが、垣間見えた課題を修正して連勝と行きたいところ。うん、やっぱり仙台に対してはゾーンを敷いてきますよね、これもいつもの展開ですw仙台は不得手なゾーンを攻略できますかどうか。

昨日当たりのなかった渡辺が3Pを小気味よく決めていきますが、やはりゾーンでインサイドを固められ、GAME1で大活躍のバーレルが封じられる状況となり、ペイント内スコアがあまり伸びません。このまま3Pメインでいくのかはわかりませんが、他の選手も3Pを確率よく決められればいいのですが。

福岡はGAME1で鳴りを潜めたビバリーにボールを集め、ビバリーも期待に応えてよくシュートが決まります。かと思うと白戸や本多が外から決めるなど仙台よりはバランスのいい攻撃を繰り出してきます。

翻って仙台、やはり3Pが多めな展開ですがGAME1に引き続きチームとしての成功率はあまり良くないですね・・・。また1Qは昨日とは打って変わって福岡24仙台25。ちょっと失点が多いのでもうちょっとディフェンスのギアを上げていきたいところ。

福岡のほうはレモンがほんとシュート能力が高く、ちょっと間合いをあけるとしっかりねじ込んできますね。いい選手連れてきましたね。あとは白戸がこの日は外がよく決まり好調、福岡でも頼もしい選手となっているのは嬉しくもあるのですが、仙台相手にはそこまで活躍してくれなくていいですよw

一方仙台のほうは変わらずゾーンに対して3P主体の組み立て。決定率は今一つも、メインセがオフェンスリバウンドを頑張り、セカンドチャンスをものにして少しずつ差を広げていきます。これで3Pの決定率がもっと良ければいうことないんだけれどもな・・・。

2Qはいい感じになりかけたにもかかわらず、3Pの決定率が一向に上がりません。外れた3Pに対していつもオフェンスリバウンドを取れるわけはなく、外れた3Pから逆襲されるシーンも目立ってきました。そしてGAME1に引き続きFTの決定率もよろしくなく、流れを自分たちのものにしきれないのは嫌な感じですが、ディフェンスのほうで福岡に得点を重ねさせず、7点差をつけて前半は終了。

2Qである程度ディフェンスは持ち直した感はありますが、オフェンスがやはりゾーンを相手にピリッとしません。あまり焦れても墓穴を掘るだけなので、GAME1同様ディフェンスからリズムを取り戻していきたいところです。

3Qは出だしよく渡辺この日5本目の3Pとスティールからの速攻でこの日最大の12点差までに広げることに成功、このままのペースでうまくコントロールして優位に立っていければ、という展開。

・・・と思っていると、本多がタフな3Pをねじ込んだところから雲行きが怪しくなりだします。その後も仙台がシュートを決めきれないうちに菅が3Pを沈めるなどであっという間に差を詰められます。うーん、愛媛戦のGAME2同様我慢の展開の様相。

にしても要所で福岡が3Pを決めてくるのに対して、仙台の3Pの決定率が本当に良くない。ちょっと攻撃の組み立てを変えたほうがいいのではないだろうかこれ。そうこうするうちに点差を3に詰められ3Qが終了。4Q少し巻き直さないとこのまま福岡に持ってかれちゃうよ?

・・・と見ているこちらの思いとは裏腹に仙台は3Pをどんどん放っていきますが入らない入らない。反面インサイドではいい攻撃の形を見せるので、もう少しそのパターンを増やしていけばいいのに、と思うのですが、なぜか3Pに拘泥してしまいます。

一方福岡はビバリーやジョーダンでインサイドから押してきて着実に得点を重ねてくるのですが、仙台にこれをやってほしいんだよなあ・・・。インサイドがあるからアウトサイドがあるし、アウトサイドがあるからインサイドがあると思うのです。この点GAME2の仙台はオフェンスのバランスが本当に悪かったですね。

結局残り3分強のところで得点した後は、試合終了までまさかのノースコア。3Pはどんどん放っていくことで調子を上げていくことはあると思うのですが、さすがにクロスゲームになっても3Pに拘泥しすぎたのが裏目に出てしまいました。4Qは3Pではなくペイント内でのシュートやオリバーのペネトレイトで得点できていたのに、指揮官の戦術や指示に忠実すぎたのかどうかはわかりませんが、コート上で選手たちが修正できなかった、修正を図らなかったのはちょっと残念。得点できない仙台を尻目に福岡にリードを広げられ、あえなく敗戦、7連勝はならず。

最終盤の試合運びですが、以前の試合でもあったように、相手が少し強く当たってきたときのスローインが相手に奪われてしまうところはいまだに拙かったと言わざるを得ません。しかもそれが天皇杯の広島戦同様、同点をうかがうような最後の最後の場面だったということも残念。試合を勝ち切る、という点での拙さがまだまだ残っていますね。

◯最後に

当初の予想に反してなかなか力のあるチームだった福岡に対して、1勝1敗で終えた今節でありました。アウェイゲームとしては最低限の成績ではありますが、昨季は西地区相手に常に1勝1敗となってしまい勝ち星を伸ばしきれなかったので、勝てる試合はやはりしっかりものにしてほしいです。

今節は全体を通して3Pの決定率がよくなかったわけですが、GAME1はインサイドを支配することでカバーし勝利できました。一方GAME2ではその決定率の悪さが続きカバーしようにも、相手のゾーンディフェンスを崩せず、インサイドを封じられた末の敗戦という結果でありました。

仙台はディフェンスについては強度が高く、ある程度計算できるのは強みなのですが、ことオフェンス面においては課題がまだ多すぎます。今節を見てもGAME1でのターンオーバーとバイオレーションの多さ、GAME2での戦術がはまらない時の修正力、クロスゲーム時のミスの多さなどなど。

GAME1のようにバーレルやメインセのインサイドワークが機能するときはいいのですが、ゾーンを敷かれてなかなかインサイドを攻められない時の相手ディフェンスの崩しをもっと練っていく必要がありそう。今は相手がゾーンできたらとりあえず3P放っとけ、バーレルとメインセでリバウンド頼んだよ、にしか見えません。もっとも昨季よりは3P決定率はまだいいし、オフェンスリバウンドも取れているほうではあるのですが。

あとは後半の戦い方。今季ここまでの3敗については、いずれも後半で攻撃の手が止まったり緩んだりで自分たちでゲームを苦しくした結果でもあります。一試合通じてインテンシティを保ち続けるのは確かに困難なのですが、リズムを失った時にどう立て直すか、それこそバーレルに頼ることなくそれぞれの選手がチームは自分が引っ張っていくんだ、という気概を持ってくれるといいですね。それができる選手の一人は"ソルジャー"片岡だと思うのですが、あまり使われないんですよねえ・・・。

今節GAME2で敗れたとはいえ、60試合を戦うレギュラーシーズンの中での1敗にすぎません。まだ(もう?)レギュラーシーズンの1/6を経過しただけですので、まだまだ修正の余地は残されています。バーレルやメインセに頼りすぎるのもよくないのですが、バーレルやメインセに頼れないときのことをもう少し突き詰めていければさらに仙台はもう一段強くなれると思うのです。

次節はインサイドの帝王バッツが君臨する越谷とのWeekday GAME。これまでバーレルとメインセで相手を蹴散らしてきた仙台のインサイドワークがバッツに通じるのか、実に楽しみな試合です。越谷はその絶対的なインサイドの強みをバックに、仙台以上に3Pをどんどん狙ってくるクラブという印象もあります。ここもまた仙台のディフェンス力がどこまで通用するのか、という点でも要注目ですね。

長いレギュラーシーズンやプレイオフを見据えたときに、越谷は絶対に避けては通れぬ、そして倒さなくてはならぬ相手です。昨季はレギュラーシーズン、プレイオフ3位決定戦ともに後塵を拝してしまいましたが、今季はしっかりその借りを熨斗をつけて返してやろうじゃないですか!

それではまた。

◯追記:ホームタウンディシジョン?

今節GAME2につきましては同じ時間にベガルタ仙台のホームゲーム開催があり、そちらに赴いていたため帰宅後のディレイ視聴でありました。しかしそこまでの間でSNSで目にしたのは「(ホームひいきの)ジャッジが酷い」というもの。

その事前情報があったからか、視聴しながらどんな塩梅だったんだい?と思いながら見ていましたが、確かにOBボールの判定で「?」というシーンはありましたが、そこまであからさまなミスジャッジはなかったのではないでしょうか?敢えて言うと、最終盤のメインセのアンスポについては、少し厳しいかなって感じはありますが、ボールのないところで相手選手の身体を掴んで引っ張っているように見えるので、取る人は取るだろうなあ。

確かに負けてる方はジャッジ一つが不利にされてるように感じますし、勝っててもジャッジのあやで流れが変わり逆転されてしまったとかはよくあることです。そんな時はついワタクシも含めてジャッジのせいにしがちで、その気持ちもよくわかります。また現実として明らかなミスジャッジが介在することも少なくありません、ことB2においては。

実際昨季の福岡との対戦では福岡の選手が若干フロップ気味なところがあり(今節の対戦ではフロップが全くなかったので印象良くなりました)、それにつられたジャッジが連発、仙台の選手たちがフラストレーションを溜めてますますドツボにハマり敗れ去る、なんていうこともありました。

長いシーズンの中では仙台側に有利に働いた笛も数多くあったことでしょうし、それに対して対戦相手側も憤りを覚えたであろうことももちろん十分に承知しています。

B2においても競技レベルの向上が著しい中、ジャッジ団も必死にレベルアップを図ろうと努力されていることには敬意を評すばかりです。それでも時折起こってしまうあからさまなミスジャッジ、まずはこれをどうか極力減らしてほしい。欲を言えば、B1では行われているビデオチェックをB2でも採用してくれればなあ。

あとはワタクシたち観る側です。ジャッジ基準って毎シーズン少しずつ変わっています。近年はシーズン前にはJBAがその辺の変更点などを動画にて丁寧に説明してくれているのですが、競技当事者だけでなく、専ら観るばかりのワタクシたちもそういう情報にアンテナを貼って、情報のアップデートをしておくとなおいっそう観戦が楽しくなる、ワタクシはそう思います。

(´-`).。oO(でもリアルタイムで見ていたらワタクシもSNSでジャッジに悪態ついていただろうなぁ・・・と確信しているので、この追記は自分に対する戒めでもあります・・・)

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