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仙台89ers:2021-22シーズン 第29節(4/2,3 Away Game vs西宮 at グリーンアリーナ神戸)雑感(バスケットLive観戦)

今節のプレビューはこちら。

◯試合前トピック

・第30節 Home Game vsFE名古屋 代替開催決定

3/16に発生した福島沖地震で会場だったカメイアリーナが破損のため開催不可能となっておりましたが、上記の通り宮城県南部の白石市は白石市文化体育活動センター(ホワイトキューブ)にて代替開催が決定。急遽の会場確保に尽力いただいたクラブスタッフと、会場提供いただいた白石市に最大限の感謝を申し上げたいと思います。

・ともに闘うプロジェクト

今季、度重なるコロナ禍の影響による活動停止や大地震の発災など様々な苦難に直面している仙台89ersはもちろんBリーグの各クラブ。

仙台89ersではレギュラーシーズン終盤とポストシーズンに向けてこんなプロジェクトを企画。

不肖ワタクシもビッグフラッグに僭越ながら書き込ませていただきました。このビッグフラッグは西宮戦の会場でも掲出されていた模様です。

またツイッターの仙台89ersクラスターは既にこちらのアイコンに変えてる方も結構おられますね。アカウント名まで見ないと誰が誰だかわからなくなるのはご愛嬌w

◯Game1(4/2 15:00 TO)西宮76仙台75

活動停止中に陽性となっていたのは寒竹、荒尾の2選手でしたが、今節直前になって田中も陽性となってしまいました。しかし、待機中の発症ということで他の選手は濃厚接触者とはならず、稼働可能な9人のロースターで今節は臨むことになってしまいました。10人で臨むのかと思っていましたがさらに状況は厳しくなりました・・・。ってそういえばHomeでの西宮との対戦でも田中がコンディション不良で不在だったっけね。

ということでスターターはこちら。

田中離脱のところは岡田が入りました。前回西宮との対戦でも抜擢されて大活躍しましたが、その再現になりますかどうか。

さて、序盤から豈図らんや、仙台ディフェンスがとても高い集中力とインテンシティを見せます。TO直後に2点ずつを取ると、その後は西宮のオフェンスを封じ続け、なんと5分過ぎにハインズの3Pが決まるまで得点を許しません。

その間に大きなランを作りたかったところですが、そこは西宮も守備が手堅いクラブですし、やはり仙台側はロングレンジのシュート精度が良くなくあまり得点は伸びず、ロースコアの様相。しかしプレビューで書いた通り、オフェンス精度に難があるであろう今節はやはりディフェンスをしっかりやりきれるかがポイントになりそうです。

アウトサイドは今一つでも、バーレルを軸にしたインサイドのオフェンスはうまく効いているのと、西宮のファウルで得たFTをそれなりに沈めて点を重ねられています。今節のジャッジクルーは手癖にとても厳しく、西宮は3分経過時で既にチームファウルが4つに。一方、ゴール下などでのボディコンタクトはあまり取らない感じがあるので注意は必要ですが、このジャッジ基準は割と仙台向けかもしれません。

1Qはディフェンスがよく機能し、18-11とリードして終了、ロースコアの展開は仙台の思惑通り進めている感じなので、このまま締め続けていきたいところです。

2Qは1Qよりはお互いに点を取り合う感じとなり1Qの差が広がらず、詰められず。ただここまでは西宮のエース、ジョーンズをしっかり封じ込んでいるあたりが西宮も得点が伸びない要因になりましょうか。

仙台はオフェンス面では寒竹、田中といったシューターが不在ですので、いつもより3Pのアテンプトは多くなく、決定率も良くはありません。その分バーレルやメインセがゴリゴリっとインサイドを攻める形がとてもいい・・・のですが、メインセの方が得意のフックを今一つ決めきれないあたりはやはりGame感覚的なところが少しあるのでしょうか。

2Qでもう少し突き放せれば、というところはありましたが、残り5秒からのファストブレイクで澤邊が決めきり、前半は1Qから1点積み増した8点差のリードとして終了。しかしながら、西宮相手では8点差などはあってないようなもの、後半もディフェンスのインテンシティをキープできなければ一気にまくられかねないので、そこは油断なく遂行してほしいところです。

3Qも仙台のディフェンスオフェンスともに冴え、9-0のランで一気にリードを広げることに成功、9人のロースターで臨む仙台としては望外の展開でしょうか。

しかしその後もインテンシティ高いディフェンスで実に3Qは5分半で3得点しか許さない鉄壁さを披露すると、仙台側はタフショットも良く決まるこれ以上ない展開が続き、一時はリードを20点にまで広げます。

かなり仙台ペースで進んでいるなと思っていると、仙台がファウルドローンでのボーナススローを得た3Q残り2分強、会場に鳴り響く火災報知器のベルでGame中断を余儀なくされます。誤報ということでGame再開されようかと思うとまた繰り返し鳴り響く火災報知器のベル、これでは仙台のほうに来ていたいい流れもすっかり消沈、ちょっとGameの流れが変わってしまいそうでしたが、西宮の反撃もそれほど許さないようにまだ思えた15点のリードを保って3Qは終了。

4QはうまくGameをコントロールしてこのリードをアドバンテージとしたいところだったのですが・・・。このQで西宮のエース、ジョーンズを目覚めさせてしまいます。ここまでしっかり抑えていたジョーンズにディープ3Pを決められたところから連続で3Pを沈められると、ちょっとイージーなターンオーバーも重なって一気に8点差に詰められる嫌な嫌な展開。

仙台もインサイドを攻めてファウルドローンを得るもFTを決め切れないさらに嫌な展開。そんな焦れる展開になってきた時にターンオーバーからのアンスポーツマンライクファウルまで献上してしまう悪循環に突入してしまい、OTO時点ではついに1点差まだら詰め寄られる有様に。

OTO後も流れは変わらず3Qまでのインテンシティの高さはなんだったのかというぐらいにディフェンスの強度が一気に下がりあっさり逆転を許しては、ジョーンズにボールを集めてくるところでジョーンズへのディフェンスも甘くその攻撃をもはや抑えることができません。

仙台も片岡の神がかった3Pの決定率で食い下がり、残り2秒のところでバーレルが起死回生のジャンパーを決めて2点のリードを取り戻すと、なんとか勝利をクリンチできたか・・・と思ったのですが・・・。

西宮TOの後のラストプレイ、マークする月野を振り切った道原が放った3Pはブザーとともにゴールに吸い込まれるなんとも劇的な、昨季のPOの貸しを熨斗をつけて返されたような結末で敗れる結果となってしまいました。最後のプレイは4Qで当たりが戻っていたジョーンズに任せるのではなく、道原に放らせるというオプションを持っていた西宮のベンチの采配の勝利だったかもしれません。あー悔しい・・・。

気になった選手:片岡
コロナ禍の影響でロースターが9人しかいない中、輝きを見せたのはチーム最年長のベテランでした。4Qに一気に訪れた劣勢の中、不在の寒竹や田中の分と言わんばかりに神がかったような3Pを次々に沈めるさまは本当にシビれました。これで勝ちをもぎとれていれば間違いなくGame MVPだったのですが・・・。

◯Game2(4/3 14:00 TO)西宮86仙台83

Game1は優位に進められながらも疲労が出てしまったのか、4Qで一気に捲られ、西宮のラストプレイで勝利がスルリと手の中からこぼれ落ちてしまった悔しい敗戦。フィジカルな疲労度合いも気になりますが、敗れ方的にメンタル面も少し心配なGame2。

スターターはこちら。

Game1から変化なし。最後にまくられたとはいえ、3Qまでは圧倒していたGame1のようなインテンシティ高いGameが再現ができますかどうか。

このGameも双方ディフェンシブな立ち上がり。しかし西宮のほうが手癖を取られてファウルが早い時間からかさむ状況で、仙台はそこをうまく突きたいところ、バーレルのインサイドワークでファウルドローンを誘うと、この日はバーレルもFTをよく決めることができています

しかしGame1とは違ってこの日はジョーンズが1Qからファイヤー。次々と3Pを沈めてみるみるうちにリードを広げられます。結局ジョーンズにはこのQだけで3P4本を含めて16得点を許してしまい、18-24と6点のビハインド。

2Qは立ち上がりから仙台が得点を重ね、リードを詰めますが、詰め寄ったところでターンオーバーしてしまうパターンを繰り返してしまいGameをひっくり返すことができません。ディフェンスもそこまで緩さを感じないのですが、このGameは西宮のタフショットが滅法決まるというところでツキは向こうにある感じ。

オフェンスのほうはバーレル、メインセでインサイドをゴリゴリだと行くのですが、今節はメインセのシュートタッチが良くなく、リングに嫌われるシーンが目立つのが気になるところではあります。一方バーレルの方はタフなシュートをねじ込んだりファウルドローンからのFTもこのGameは本当によく決められていて、西宮のエースがジョーンズならば仙台のエースはオレだと言わんばかりの気迫ある活躍です。

そんなバーレルの奮闘もあり、引き離されかける流れもなんとか踏み留まりつつも、要所で決めきれないオープン3Pやターンオーバーで追撃しきれずに前半はビハインドを4点に詰め40-44で終了。

後半に向けては、ディフェンスの強度をもう少し上げて西宮に楽にシュートを打たせないようにしたいですし、このGame好調なバーレルを軸にインサイドで優位性を持ったオフェンスをしていきたいところ。

3Qもジョーンズ、バーレルがそれぞれタフなシュートをねじ込んでいくなど一進一退の展開となりますが、2〜3ポゼッションの差を保たれたまま。後半に入った西宮は前半のようにジョーンズに任せるというよりも、ムボジにボールを集め出してインサイドをついてくることでファウルドローンからのFTを誘いじわじわとリードを広げにかかります。

仙台もオフェンス時のパスワークでオープンなシチュエーションを作って3Pを放っていき追いすがりますが、1ポゼッションまで詰めたと思うとまたターンオーバーで追いつくチャンスを逃す、という良くないパターンに突入している感じに。3Qの最後も月野のボールハンドリングミスというちょっと目を覆いたくなる酷いミスから西宮の得点を許し、8点ビハインドに広げられてしまいます。

4Qはオリバーの個人技で追撃をはかりにいきますが、岡田との身長のミスマッチを活かして谷が連続ポイントを決めると、本当にこのGameは西宮のタフショットがことごとくリムを通過していく状況になると、一時は10点ビハインドに追い込まれます。

そんな中、このGameで獅子奮迅の活躍を見せるバーレルがファウルドローンからFTを得たところでこのGameもまたテーブルオフィシャルの電源が落ちたことで中断のトラブル。西宮の運営さん、もう少ししっかりしてくれませんかね・・・。2Game続けての中断トラブルはちょっとあり得ません。

しかしそのバーレルの頑張りなどもあり、OTO時点では6点ビハインドと少し差を縮めることに成功、残り5分弱でその差を詰め、ひっくり返したいところで OTO明けは幸先良く神里が3Pを決めて1ポゼッション差に詰めるのですが、ここで立ちはだかったのはまたしてもジョーンズ。

ジョーンズが2本連続で3Pを沈めてくると、73-81とリードを広げられます・・・が、1本目の3Pは2Pだとして1点減らされ73-80にスコアが訂正(これが場合によっては後々問題になりそうだったのですが、結果的には問題にされなかった)。

仙台も残り時間が少ない中このGameは本当に仙台のエースとしての鬼神の如くのバーレルの活躍でまたじわっじわっと点差を詰めていきます。今節3P絶好調な片岡が残り35秒のところで「見かけ上は2点差に詰める」と、西宮のおそらくラストオフェンスも守り切ってリバウンドをバーレルがもぎ取り残りは7秒、バーレルがそのままゴール下まで突進してまずは同点、あわよくばファウルドローンで3点プレイにしようかとしたところでジョーンズのスティールにあい万事休す、延長あるいは大逆転の夢は儚くも潰えたのでした。この時点での「見かけ上の最終スコアは83-85」で終了、悔しい連敗をきっしてしまいました。

気になった選手:バーレル
西宮のエース、ジョーンズのスコアリングぶりには感嘆するしかなかったGame2でしたが、バーレルもこのGame獅子奮迅の活躍で、いつもはあまり決定率が高くないFTもなんと14/16の高決定率もあって、ジョーンズと同じく34点をゲット。この頑張りが報われてほしかった・・・。

◯Game2で起きたこと

悔しい連敗を喫した翌日にGame2のスコアを見てみると、スコアが「83-86」となっています。おや?83-85じゃなかったっけ?と思ったらば、試合後の確認によってスコアが訂正されたとのこと。やはり4Qで2P判定されたジョーンズのシュートは3Pだったということなのでしょう。

仙台がラストプレイで得点できずに敗れたので試合後に1点西宮の得点が増えたところで大勢に影響はないとは思います。しかしジョーンズの得点は2点だったと試合中に訂正させたのはテーブルオフィシャルであり、その修正されたスコアで終了までGameが進行していたのです。

仙台のラストプレイ、2点を追うのか3点を追うのかで仙台の攻撃は全く違うものになっていたでしょうし、それを守る西宮もどう守るのか全く違っていたものになっていたでしょう。また2点差だとしてのラストプレイでバーレルがFGをねじ込んで同点とし、延長を戦った末仙台が仮に勝利したとしても、4Q終了時点で実は仙台が1点差で敗れてました、とされたら延長での仙台の勝利は無かったことにされてしまうわけだし、仙台が延長で勝ちとされたら本来は4Q終了時点で勝っていたはずの西宮が不当な敗北を喫することになっていた可能性があります。

仙台が敗れたことでなんとなく丸く収まっている形にはなっていますが、このテーブルオフィシャルの振る舞いは本来であれば問題視されて然るべきではないでしょうか?

◯最後に

Game2でのテーブルオフィシャルにはすっかりミソつけられた気がしなくもないですが、負けは負けなことには変りはないので非常に悔しい連敗となってしまいました。コロナ禍の活動停止明けでロースターが9人しかいなかった、ということをエクスキューズしたくなりますが、そういうところでも粘っこく勝ち切るのが本当に強いチームであると思うし、仙台はまだ少しその辺で足りないものがあるということなのかもしれません。

振り返ってみても、Game1では 4Qで少しディフェンスの脚が落ちたところはあったかもしれませんが、全体を通してFTを決めきれなかったところで詰めが甘くなってしまったところはありますし、Game2についてはオープンな3Pをなかなか決められなかったり、Game1よりもターンオーバーが多くなってしまったことで勝利を手放す結果になってしまったきらいはあります。

ポストシーズン出場のクリンチはほぼ間違いないとは思いますが、ポストシーズンまでの1ヶ月で、今節見せてしまった課題については確実に潰していってほしいところです。

次節以降もFE名古屋、福島、越谷と東地区上位陣との対決が続きます。特に福島とのHome Gameは2つきっちり取らないと、プレイオフ1回戦のHome開催をクリンチできなくなることが濃厚となりそうなので、しっかり準備をして迎え撃ってほしいですね。

それではまた。

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