仙台89ers:2021-22シーズン 第22節(代替試合:4/30,5/1 Home Game vs福岡 at ゼビオアリーナ仙台)雑感
今節のプレビューはこちら。
◯試合前トピック
・ナイナーズグルメオンライン「シートデリバリー」テスト運用実施開始
Bリーグが発足した時にどこかの誰かが「やりましょう」と言っておきながら全く実現する気配のなかった「自席からのアリーナグルメオーダーサービス」ですが、昨今のデリバリー事業の隆盛もあってスマホによるオーダーや決済などがすっかりこなれて浸透してきたからか、ついに仙台89ersのホームアリーナ、ゼビオアリーナ仙台でもテスト運用が始まりました。
まあ一度に全席で開始すると混乱するだけでしょうから、まずはコートサイドなどお高いお座席の方が対象で一店舗のみ対応。早めに来場してお目当てのグルメを確保できていればいいですが、並ぶことなく自席まで届けていただけると嬉しいですよね。ただ今後、数を捌こうとした時の供給スピードやデリバリー要員の確保などまだ課題は多そうな気がします。
とりま、ワタクシ的にはサッカーや野球よろしくビールのタンク背負った売り子さんを何人かアリーナ内に放流しておいてくれればいいのですがw
◯Game1(4/30 15:00 TO)仙台82福岡60
スターターはこちら。
前節青森戦at塩竈と同様。そして今節も澤邊と片岡はコンディション調整のためメンバーエントリー外。田中は前節待望の3Pスナイプがあったりとコンディションもだいぶ戻ってきたようです。
さてプレイオフシード3位確保までマジック1の仙台ですが、西宮での悔しい僅差での連敗後は連勝街道を快走中。けがやコロナで離脱したメンバーも皆ほぼ復帰を果たし、それぞれプレイオフに向けてコンディションを上げていきながら勝ちを重ねられているのはいい感じできています。このまま今節もしっかり連勝して、レギュラーシーズンを今季最長の8連勝とし、プレイオフに向けてさらなる勢いをつけることができるでしょうか。
序盤は双方とも粘っこいディフェンスを見せなかなかFGも決めきれずロースコアな展開。ジャッジクルーもファイトを促すかのように多少のボディコンタクトやハンドチェックを取らないのは仙台向けな感じ?
ロングレンジのシュートは福岡の大塚が1本、このところ3Pが好調な仙台は寺澤の1本決めたのみで少しばかりの停滞感はありますが、お互いインサイドで得点を重ねたのと、仙台のほうが福岡のビッグマン、ジョーダンを向こうに回してリバウンドでやや上回れているところで優位になっていましょうか。
2Qもインサイドを中心に攻め続けると一時は12点差まで広げることには成功するのですが、やはり少し3Pのタッチは良くない感じが続きます。4分経過ごろから、福岡ディフェンスが前から強く仙台ガード陣にあたりはじめると、ターンオーバーも目立ち始め、福岡ディフェンスを攻めあぐねだします。一方の福岡はレモンの個人技で打開を図り点差をじわじわ詰めると、仙台は概ね2~3ポゼッション前後のリードで推移はしますがなんとなくいやな感じがいまだつきまといます。
仙台は福岡ディフェンスを攻めあぐねる中でもらうFTも決定率がよくなく福岡を突き放せず、前半最後は運よくシュートクロックバイオレーションをギリギリ回避した2ndチャンスのゴールをねじ込んで3点のリードで終了。このGameは福岡の粘っこいディフェンスもあるのですが、このところ好調の3Pがあまり決まらないのが少し気がかり。今季苦しいときに3Pを沈めてくれて幾度もチームを助けてくれた今季絶好調の片岡も不在ですので、後半に向けて巻き直しを図ってほしいところ。
3Qも立ち上がりからレモンの卓越した個人技でもって福岡に1点差に詰め寄られます。前節で復活の兆しを見せた田中が3Pをスナイプしてみせ、突き放しのきっかけにしたいところもターンオーバーが連発してはなかなか波に乗れません。
とはいえその後はぽんぽんと得点を重ねてきたレモンには田中・オリバー・寺澤が入れ代わり立ち代わり当たり、インテンシティ高くディフェンスを遂行できているので福岡にも思うように攻撃のリズムを与えていないところで踏ん張れている感じが続きます。
そんな中で3Qの終盤に福岡からオフェンスファウルを連続で誘ったのちのテクニカルファウルドローンからゲームが動き出します。その立役者は前節でキャリアハイの得点でGame MVPの活躍を見せた寺澤。ディフェンスリバウンドやバックカットからの得点などでチームにリズムを産み出だすとリードをじわじわ広げだし、終了時点では14点差とリードを広げます。
4Qもインテンシティの高いディフェンスからリズムを作ると田中の連続3Pや岡田の3P、オリバーのペイントアタックにあたりが出始め一気にリードをOTO時点で23点としてはGameの大勢は最早決まり、残り5分もうまくコントロールして点差をほぼ保ってGameをクローズ。仙台はこれで7連勝、またこの勝利をもってプレイオフの第3シードが確定。
気になった選手:寺澤
前節塩釜開催でキャリアハイの10得点の活躍でGame MVPを獲得した寺澤でしたが、このGameでもいきなりキャリアハイを更新する11得点と再び輝きを見せました。前節に引き続き沢邊・片岡がベンチ外だった中、SFとして十分すぎる働きです。同じ特別指定の岡田はすでにオフェンスマシーンとして活躍を見せていましたが、この終盤での寺澤の覚醒・活躍はプレイオフに向けて好ましいものであるのは間違いないでしょう。
◯Game2(5/1 17:00 TO)仙台78福岡65
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前節と変わらず。田中もすっかりコンディションが戻ったようですね。
Game1で7連勝とプレイオフのシード3位を自力で確保した仙台。Game1終了時点での他会場の結果でもいまだ対戦相手は決まらない状況ではあります。仙台としてはプレイオフに勢いをつけるためにもきっちり勝ってレギュラーシーズン有終の美を飾れるといいのですが。
Game2もお互いディフェンスから入る少し重たい展開、仙台はバーレルやメインセがペイント内をよく守って福岡の得点を許さないものの、福岡の積極的に前へ出てくるディフェンスに対して被スティールやターンオーバーが目立ち、なかなかズムに乗り切れない感。しかしこのQは福岡の得点を8点に抑え、7点のリードを作ることには成功。ディフェンスの強度はそのままに、もう少しオフェンスのほうのギアを上げて仙台ペースに持ち込みたいところ。
2Qも福岡の前に出てくるディフェンスに手を焼き、シュート精度も欠いては得点も伸び悩み。その間隙を縫って福岡はビバリーのパワフルな個人技とこのQファウルの多い仙台からのファウルドローンでのFTでじわっじわっと点差を詰めてきます。
OTO後もなかなか福岡を突き放せるような得点のランがありません。というのも今節のジャッジクルーの傾向をうまく利用しているのは福岡のほうで、多少のハンドチェックやボディコンタクトでのファウルを吹かないため、福岡の手癖にスティールを奪われるシーンやターンオーバーが散見されます。どうにもリズムに乗っていけないまま得点差は変わることなく前半が終了。
後半は福岡のプレッシャーディフェンスに結構手を焼いてしまった仙台ですが、もう少し落ち着いてボールを捌けば福岡ディフェンスをかいくぐることは難しくはないと思うので、その辺で少し修正が必要でしょうか。得点力高い福岡を20点台に押さえ込んでいるディフェンスについてはいつも通りインテンシティ高くできているのでこのままやり切ってほしいですね。
3Qは立ち上がりからお互いにぽんぽんと得点を重ねますが、福岡の3Pが当たりだし、レモン、大塚が2本と固め打ちされリードを詰められたところで福岡に傾きかけた流れを断ち切りにかかるべく仙台ベンチがタイムアウト。
その後は仙台も田中や岡田の3Pで追随を許さない構えに見えたのですが、前半からみられる被スティールやターンオーバーがなかなか減らずに突き放しきれない歯痒い展開が続きます。
それでもGame1に続き、仙台はインサイドでのリバウンド面で優位に立っているところから粘り強いディフェンスとインサイドワークでの得点でややリードを広げることはできましたので、4Qもさらに勢いをつけて走り切りたいところ。
しかし4Qmo福岡の強いディフェンスを前に、被スティールやターンオーバーが頻発する状況が変わらず、作ったリードを溶かさないのがやっとな状況で、この辺はプレイオフまでにしっかり修正しないといけないところでしょう。
なんともリードはしているものの少しすっきりしない試合展開ですが、残り2分半ほどのところでこのところ絶好調な月野が3Pを決めてみせるとほぼ勝負あり・・・かと思うと、残り2分を切ったところからまだ脚の残っていた福岡のディフェンスの圧の前に再び被スティールやターンオーバーの連発が起きて点差を詰められてはたまらず仙台ベンチもタイムアウト。
これで最後の最後で福岡に持っていかれかけた流れも断ち切りGameをクローズ、シーズン最長の8連勝でレギュラーシーズン全日程が終了、来週からの運命のプレイオフが始まります。
気になった選手:岡田
Game1に続き寺澤とともにチームを勢いづける活躍を見せ、この日も9得点と安定したスコアリングで、仙台日本人選手最高PPGを確定づけました。最終盤で覚醒を見せた寺澤とともに、今季プレイオフでのラッキーボーイズになってくれそうな気配。あとはプレイオフまでの短い時間の中で、本人も課題と口にするディフェンス力を少しでも向上させるのか、それともそのオフェンス力にさらに磨きをかけるのか、期待されるところですね。
◯最後に
今節をもって長かったレギュラーシーズンも終了。プレイオフに向けて8連勝で駆け抜けることに成功し、プレイオフも勢いをもってあたれそうです。順位を確定させた各クラブでは主力を出場させず温存し、勝ち負けにこだわらないGameを行っていたところもあったようですが、仙台が最後まで勝ちにこだわったのは、やはり2019-20シーズンの苦い記憶からでしょう。あの時は東地区1位だったにもかかわらず、コロナ禍でレギュラーシーズン終盤とプレイオフが全て中止となった影響でB2全体の勝率順位で昇格が決められたのですから。なので今季は東地区1位こそ逃してしまいましたが、少しでも多くの勝ち星を稼ぐことでプレイオフシード順は3位ですが、全体勝率順位は2位を確保することになりました。
さて同日程で行われていた各地での代替試合の結果、プレイオフクォーターファイナルの相手は福島に確定。その福島はトランジションからの縦に速い攻撃が強みと思われますが、今節Game1では被スティール7本・ターンオーバー17本、Game2では被スティール16本・ターンオーバー23本だったように、シュートで終われないオフェンスを繰り返すようでは仙台は福島に勝利することもおぼつかないことでしょう。プレイオフまでの1週間でしっかり修正してほしいですね。
福島もB1昇格にかける並々ならぬ決意と勢いで仙台に乗り込んでくることと思いますが、仙台としても一昨年のいまだに納得しきれない不運、昨年あと一歩届かなかった悔しさがきっと今年の力になるはずです。我々もゼビオアリーナを黄色く染めて、福島をしっかり返り討ちいたしましょう!
それではまた。
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