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新書大賞 現代思想入門を読んで

2022年 新書大賞 現代思想入門を読んで


1、複雑なものを複雑なまま捉えよう。なんでもかんでも枠に当てはめない。


2、人は何かを決断する時、無意識に二項対立を構築して、物事を見ている。
大きく言って二項対立(良い悪い)で悪いとされるのは他者の側です。
脱構築(固定観念を脱すること)をすることは、余計な他者を排除して自分が揺さぶられず、安定していたいという思いを揺さぶります。
そうすることで、外部の力に身を開こう。
「自分は変わらないんだ。このままなんだ。」という鎧を破って他者のいる世界の方に身を開こうと言ってる。
そうすることで本当の自分に近い生き方をしやすくなる。


3、脱構築に物事を見ることで、偏った決断をしなくても済むようになるのではなく、我々は偏った決断を常にせざるを得ないのだけど、選ばなかった方への未練が伴っているのだということに意識を向けよう。
まさにそうした意識を持つ人には優しさがある。
未練こそが他者への配慮。
人が何らかの決断をせざるを得ないということを「赦す」しかない。


4、秩序からはみ出すものを肯定して、グレーゾーンに人生のリアリティを見る。


5、古典的な反省の仕方。 何か問題が起こった時に、その日の夜に日記で「次からしないようにしよう」で終わる。
人格と行動を別物として考える。
「行動」だけを捉えている。「罪を憎んで、人を憎まず。」


6、どうしようもなく悩むことが深い生き方であるかのような人間観が近代によって成立した。
そこから距離をとり、世俗的に物事に取り組んでいくことは、人間が薄っぺらくなってしまうのでしょうか?
そうではない。むしろそのように悩みを抱えるのではない。
悩むことが人生の深さではない。
人生には別の人生の深さ、喜劇といえるだろう深さがあるのではないでしょうか。


7、世の中に起こる偶然性を肯定すること。それは無限の反省から抜け出して、個別の問題に有限的に取り組むこと。


8、悩みというのは、我々を闇に引き込み続ける謎ではない。明るく晴れた空の晴れてるがゆえの明るい謎めきなのです。


→現代思想。脱構築。自分の固定観念というもの、世間の常識というものは、どれだけ根拠が薄いものか。

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