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ローマ滅亡の理由

今日のおすすめの一冊は、藤尾秀昭氏の『小さな修養論2』(致知出版社)です。その中から「万事に丹精を込める」という題でブログを書きました。

本書の中に「ローマ滅亡の理由」という心に響く文章がありました。

日本には二百年以上続いている会社が三千社ある、という。五百年以上続いてきた会社は百二十四社。千年以上というのも十九社あるというから、日本の企業の長寿力は世界の中でも群を抜く。 五百年、千年続くとなると、常に未来をひらいていかなければ叶わない。

時代の激流に流されず、その時代その時代に深く根を張り未来をひらいてきた企業には、どういう特長があるのだろうか。 

老舗を研究してきた田中真澄氏は、老舗に共通する精神を二つあげている。一は「地味にコツコツ泥臭く」。二は「おれがおれがの“が”をすてて、おかげおかげの“げ”で生きる」。 

「ビジョナリー・カンパニー』の著者(ジェームズ・C・コリンズとジェリー・I・ポラス)は、長年にわたり素晴らしい業績をあげてきた会社が衰退する理由の第一に、「傲慢」をあげている。自ら培った成功譚(たん)に あぐらをかく時に企業は崩壊する、と言うのだ。 

個人の運命も同様だ。時代、国を超えて古の先哲が等しく説くのは、傲慢になった時、天はその人の足をすくう、ということである。 未来をひらくにはもう一つ、学ぶべき普遍の条件がある。

 幾世紀にもわたってヨーロッパを制してきた大国ローマはなぜ衰退したのか。紀元前一世紀、ローマの休日は百五十九日あった、という。そのうち九十三日が無料の見せ物の開催日数だった。

それが紀元四世紀になると休日は二百日になり、無料見せ物開催日数は百七十五日にふくらむ。建国時の勤勉、質実の風はどこへやら、一年の半分を無料のパンとサーカスに明け暮れる遊民の国になった。

国民が働かなくなり、防衛は外国人傭兵に任せ、民風が堕落した。この三つの悪循環によって、ローマは亡国の道を辿った。

「本物は続く、続けると本物になる」という東井義雄先生の言葉がある。

100年、200年と続く老舗も本物だからこそ生き残るし、長く続くからこそ信用がある。その場限りの儲けや、自分だけの損得で動いていたら100年続くわけがない。また、当然だがローマ帝国のように仕事より遊興に明け暮れたらすぐに倒産する。建設は死闘、崩壊は一瞬だからだ。

また、「継続は力」であり、「信用」だ。逆に言えば、何事も長く続かない人には信用がない

そして大事なことは、継続することは、頭の良し悪しや学歴、エリートや非エリートとは無関係で、誰にでもチャンスはあるということだ。唯一、凡人が勝てる戦略でもある。

「ローマ滅亡の理由」を胸に刻みたい。

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