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人の気持ちはわからないもの

今日のおすすめの一冊は、ひすいこたろう氏の『名言セラピー』(ディスカヴァー)です。その中から「鬱(うつ)になる方法」という題でブログを書きました。

本書の中に「人の気持ちはよく分からないもの」という興味深い一節がありました。

作家・五味太郎さんのエッセイが 私立中学の試験問題に出題されました。 国語のテストで 「この文章の作者の意図は?」とか 「この節をまとめなさい」とか そういうのあったでしょ。 あれです。
試験問題は秘密ですから、テストに使われる作家の文章の使用許可は 取らなくていいそうです。 勝手に使って、試験後に通知すればOK。で、試験後、五味太郎さんのもとにその中学の試験主任さんがあいさつに来たそうです。
そのときの試験はすべて五味さんのエッセイがらみの出題だったが、 試しに五味さんはそのテストをやってみたのだそうです。 100点満点だと思いますよね。当然。だって、自分が書いた文章が テストになってるわけですから。 しかし、結果は68点。
どういうことでしょう? たとえば「この部分の作者の意図をA~Dの中から選べ」という出題がありました。 しかし、選ぼうにも、 自分の気持ちがA~Dにはなかったそうです。 そんなバカな!!!! 「でも、まあ、この中ではこれが近いかな」と思って選んだら、なんとバツ。 そんなバカな!!!! その中学の合格ラインは85点。 
つまり、作者はその学校には落ちるのです。 自分の気持ちを聞かれたテストなのに作者は落ちるのです。 どういうこと? テストがいかにいい加減かということを僕は言いたいのではないのです。 人生ってそういうもんだと思います。
《結局、人の気持ちは、よくわからないもの。 だから、あんまり気にすんな。》

本質的には、どんなに親しい間であろうと、人の本当の気持は分からないものです。「きっとこうであるに違いない」、と思ってもそれはただの推測にすぎません。よく、「私は、あなたの気持が手に取るようにわかる」なんて人がいますが、これも大きな勘違いです。

その人の気持を知りたかったら、聞くしかありません。しかし、聞いたとしても、本心を言ってくれるとは限りませんが…。だからこそ、「人の気持ちはわからない」という前提で接するのが、ストレスが発生しない一番いい方法なのだと思うのです。

今日のブログはこちらから☞人の心に灯をともす


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