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健康における笑いの効用


今日のおすすめの一冊は、田中真澄氏の『朝礼・会議で使える 田中真澄の61話』(ぱるす出版)です。その中から「個人事業主の覚悟」という題でブログを書きました。

本書の中に「健康における笑いの効用」という興味深い文章がありました。

昔から「笑は百薬の長」とか「笑に勝る良薬なし」と言われていますが、その諺通り笑う 効用が最近では医療の面で応用されてきています。 笑いが医療で積極的に用いられるようになったきっかけは、1976年、強直性脊椎炎という難病を笑いで治したアメリカのジャーナリスト、ノーマン・カズン氏の闘病記 『「500分の1」の奇跡』(邦訳『笑と治癒力』岩波書店)が発刊されてからと言われてい ます。
氏は耐えられないほどの激しい痛みの中で、シュバイツァーの「笑いが痛みを和らげる」 という言葉を思い出し、爆笑を誘うビデオを見て大笑いしてみたのです。その結果、2時間熟睡することができました。そこでこの方法を 1週間続けたところ、次第に回復に向かい、半年後には復職できるまでになったのです。
この体験記を医学雑誌に掲載したところ、それが先の著作となり、世界的な反響を呼び起こすベストセラーになったのです。 このことが機縁となり、氏は1979年、カルフォルニア医科大学ロスアンゼルス校の客員教授として招かれ、笑いの医学的効用に関する研究に手を付けることになりました。
その時、「もう一度そんな大病になったら笑い治療で治療しますか」と尋ねられ、即座に「もちろん」と答えた彼は、翌年、心筋梗塞で危篤状態になり集中治療室に緊急入院しました。 笑うことさえ心臓に負担がかかるとされていたため、笑うことは禁止されたのですが、彼は前言通り笑い治療を実行し、バイパス手術を受けることなく心不全を克服できたのです。
以来、笑いが医療法に導入されるようになり、さらに笑いを日常生活で活用しようとする市民運動が始まったのです。 その一つが「ラフターヨガ(笑いヨガ)」と言われるグループで笑うエクササイズです。
この運動は1995年にインドの医師マダン・カタリアと、ヨガの熟練者である医師の夫人マヂュリー・カタリアと共に、たった5人で公園で始めたこの運動は、今や世界100か国以上に伝染し、1万以上のクラブが定期的に活動しており、わが国でもNPO法人ラフターヨガジャパンが全国展開の活動を行っています。
こうした笑う運動に参加した人は、笑いには次のような効用があることを実践を通して学ぶと言われています。
①笑うことは全身への血流を促し、脳血管障害、痴呆症の予防になる。
② 笑うと血液中のナチュラルキラーという免疫力が増し、がん細胞を破壊する働きを促す。
③笑いが気分高揚を図り、併せて脳内の神経伝達物質を増加させ、それが痛みを和らげ、リュウマチなどの病気回復を促進し、またストレスが解消され、うつ状態が 軽減される。 ④笑いによって心が明るくなり、コミュニケーション力が向上。仕事も家庭生活も良い方向に展開していく。
このように笑いに医学的な効用があると分かった以上、私たちは日常の生活で、積極的に笑う場面を創っていきたいものです。そのためには今よりももっと笑いのある会話を家庭で意識的に行うべきだと思います。
その点、我が家では家内が笑い上戸の傾向があり、家族の会話でよく笑い、テレビを見ながら笑うことが多いため、私もそれにつられて笑う生活に恵まれています。家庭に笑いがあると、そこに集う家族は自然に笑いの生活にひたることができ、笑いの利点を甘受し、心身共に得するものです。

中村天風師は「笑いの効用」についてこう語っています。(ほんとうの心の力/PHP研究所)より

悲しいことやらつらいことがあったら、いつにも増して、笑ってごらん。悲しいこと、つらいことのほうから逃げていくから。多く言うまでもなく、笑えば心持は、何となくのびのびと朗(ほが)らかになります。すなわち鬱(うつ)な気が開けるんです。試しに、おかしくもなんともないときに、「アハハ」って笑ってみてごらん。
笑うにつれ腹が立ってくるとか、悲しくなってくるとか、つらくなってくるってことは、絶対にないんです。この笑いの効用を応用すれば、すこぶるいい結果を人生に招くことができるんですよ。

また、「楽しいから笑うのではない。 笑うから楽しいのだ」 という、ウィリアム・ジェームズ (アメリカの心理学者・哲学者)の有名な言葉があります。

笑うから楽しいし、笑うから悲しいことやつらいことが逃げていくのですね。笑いの効用を今一度胸に刻みたいと思います。

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