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事業モデルがコロコロ変わる時代には

今日のおすすめの一冊は、冨山和彦氏の『リーダーの「挫折力」』(PHP研究所)です。その中から「日本は今後GAFAを追いかけてはいけない」という題でブログを書きました。

本書の中に「挫折力」のことが書いてありました。

「企業もまた、挫折力が問われる」挫折を糧にし、変革のチャンスにすることで、企業はより強靭になる。しかも、どれほどの大企業であっても、ある日突然「ゲームチェンジ」に巻き込まれる可能性があることは、ノキアの例からも明らかだ。家電メーカーの主力商品が、ラジオからテレビになり、パソコンになる、といったことではなく、まさに「野球からサッカーに」種目が変更になるほどの変革を迫られる。
こうなると、改良や改善で対応するのは極めて難しい。これまで評価されてきた人材が、一転して全く使えなくなるということも起こり得る。優秀な野球選手ほど野球の癖が残っていて、サッカーに対応できないようなものだ。特に、ある程度以上の年齢の社員にとって、こうしたゲームチェンジについていくのは困難だ。野球チームを野球をやりたいと思っている会社に売り払い、むしろゼロベースでサッカーを始めるほうがいい可能性もある。そのくらいドラスティックな改革が必要となるのだ。
ちなみにノキアはこの変革を鮮やかに行ったわけだが、これはフィンランドの社会システムがあってこそのことだといえるだろう。フィンランドを始めとした北欧の国は福祉で知られているが、一方で、法的な要件をクリアすれば、個々の企業は比較的人を解雇しやすい仕組みにもなっている。
その代わりに失業者の生活や再就職、再教育の場などは国が責任をもって支援する。また、ジョブ型の社会でもあるため、転職等もしやすい。だから、企業は大規模なリストラや事業の入れ替えによって構造改革を進めやすい。
日本は北欧と比べ、そう簡単に人を解雇することができない。日本では国ではなく会社が個人を助けるというモデルだからだ。これは、事業モデルが変わらない時代にはいいが、今みたいに事業モデルがコロコロ変わる時代には有効性を失っているといわざるを得ない。破壊的イノベーションの時代においては、新陳代謝を否定し忌避する経済社会システム、記号経営システムはどうしたって衰退していく。
終身年功制は、文字通りやれば40年経たないと組織構成員の新陳代謝は一巡しないわけで、これではどうしようもない。それは一人の個人にとっても同じで、自らのスキルセットや経験値を常にリシャッフル、リニューアル、アップデートしていかなければ、こういう時代は厳しい。

最近、日本でも「リカレント教育」というあちこちで出てくるようになりました。これは、生涯にわたって、教育と就労のサイクルを繰り返すことを言います。オーストラリアの大学進学率は96%といわれ、大学の入学平均年齢は26歳で、世界一です。片や日本は大学進学率は51%で入学平均年齢は18歳。

オーストラリアは、一度就職してから入り直す人が多いからですね。この傾向は北欧も同じで、社会の変化に合わせて、学び直すのはごく当たり前のことなのですね。日本もこれからは、社会に出てからも学び続けること、変化に対応し続けること、本当に大事だと思います。

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